「きらめきでんき」の概要
運営会社 | AOIホールディングス | 電力調達 | FPS(旧F-POWER) |
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供給エリア | 沖縄、離島を除く 全国 |
契約条件 | 30A以上(北陸のみ20A〜) |
目次
きらめきでんきの特徴
・多くの地域で「最安値水準」の料金を実現
・福井の会社が提供
・供給元が2021年3月に倒産 中国系傘下で再出発
「きらめきでんき」はAOIエネルギーソリューションの家庭向け電力サービスです。
AOIエネルギーソリューションは福井に本社を置き、外車の販売やガソリン、LPガスの販売などを展開している企業グループです。
家庭向けの電力サービスは、2017年4月スタートと他社より1年も出遅れていますが、私も驚くほどの低料金を実現しており、今後間違いなく注目を集めるでしょう。特に東北、北陸などこれまで競争があまり起きていなかった地域にも「激安料金」で参入しているので、今まで乗り換えを諦めていた人におすすめしたい新電力です。
なお、きらめきでんきは実際に電気の供給は新電力大手のF-POWERが行います。同じくF-POWERが電気を供給するハローG電力と料金プランは全く同じで、F-Powerがダイレクトに提供しているピタでんと比べると一部地域で割高になっています。
2019年2月にはAOIエネルギーソリューションが電気を売るために必要な「小売電気事業者」の登録を済ませました。今後、F-Powerなど他社の代理店としてだけではなく、自社での供給も行っていく方針が示されています。
そんな「きらめきでんき」を、電力自由化の専門家として多数のメディア取材を受けてきた私が詳しく解説します。
料金プランとサービスの解説
地域別 乗り換えでいくらお得になる?
乗り換えで、電気料金がどれくらい安くなるのでしょうか。
世帯人数別に、平均的な電気使用量のご家庭をシミュレーションしてみました。
お得率と年間節約額 | 20A / 月170kWh |
30A / 月348kWh |
40A / 月391kWh |
50A / 月437kWh |
北海道電力エリア | 30A以上で契約可 | -6.4% -8465円 |
-8.5% -13042円 |
-10.1% -17841円 |
東北電力エリア | 30A以上で契約可 | -5.3% -5807円 |
-8.5% -10975円 |
-10.9% -16338円 |
東京電力エリア | 30A以上で契約可 | -4.2% -4798円 |
-7.1% -9384円 |
-9.3% -14180円 |
中部電力エリア | 30A以上で契約可 | -6.3% -7012円 |
-8.5% -11119円 |
-10.3% -15388円 |
北陸電力エリア | -2.4% -1057円 |
-8.3% -7838円 |
-10.0% -10936円 |
-11.3% -14176円 |
関西電力エリア | +8.9% +4001円 |
-3.4% -3476円 |
-5.6% -6598円 |
-7.4% -9937円 |
中国電力エリア | +6.0% +2807円 |
-6.4% -6787円 |
-8.1% -9903円 |
-9.6% -12369円 |
四国電力エリア | +4.2% +2001円 |
-7.6% -8179円 |
-9.7% -11962円 |
-11.4% -16008円 |
九州電力エリア | 30A以上で契約可 | -7.0% -7056円 |
-9.6% -11290円 |
-11.6% -15705円 |
各地域、特に使用量が多い世帯では最安値水準ともいえる低料金を実現しています。料金設定はハローG電力(本社は静岡)と全く一緒です。
一方、使用量が少ない一人暮らし世帯では大手電力会社よりも割高になる場合が多いので注意が必要です。
なお、この料金プランには燃料費調整の上限が設定されていません。上記の料金シミュレーションでは燃料費調整の上限を考慮していないため、燃料価格の推移によっては試算値よりも高くなる場合や、燃料費調整に上限を設けている大手電力の従量電灯よりも高くなる場合があります。他の料金比較サイトを利用する場合も注意してください。料金一括シミュレーションでは最新月の燃料費調整単価をもとに試算できます(市場連動型の調整単価は一部未反映)
セット割引は?
今のところ、セット割引はありません。
特に北陸地方での展開に力を入れるとしているので、AOIホールディングスが北陸で展開しているガソリンスタンドやプロパンガスとのセット割引の導入を期待したいです。
解約時の違約金は?
「1年以内」の解約で「2200円」の違約金が発生します。
初めて電力会社を切り替える場合は、違約金が無い新電力をおすすめします。例えばあしたでんきは違約金無しで「きらめきでんき」と同じような料金プランです(基本料金無し)
支払い方法は?
クレジットカードと口座振替に対応しています。
大手電力会社のような「口座振替割引」(月50円程度)は無いので、ポイント還元率が高いカードでの支払いがおすすめです。ポイント還元で口座振替割引以上のメリットがあります。
きらめきでんきの評価
環境・エコは?
きらめきでんきはF-Power社の電気が供給されるため、F-Powerの情報をもとに評価します。
F-Powerは電源構成を公表していませんが、環境省を通じて公開されたCO2排出係数を見ると、1kWhあたりのCO2排出量は513g(2017年度実績)という値です。
これは新電力としては「平均的」といえるレベルです。
供給元のF-Powerが2期連続の巨額赤字
「きらめきでんき」の供給元である新電力大手のF-Power社が2期連続で巨額の赤字を計上しています。
2018年6月期の決算で120億円の赤字を計上して業界の注目を集めましたが、続く2019年6月期には184億円(売上高は1606億円)と赤字幅が更に拡大しています。一時は債務超過に陥ったものの、これまでもF-Powerに投資をしてきたファンドなどから追加で資金を調達して解消しました。
万が一、同社が倒産しても突然停電するようなことは起こらない仕組みが整っていますが、契約する際の注意点として紹介しておきます。
供給元のF-Powerが2021年3月に倒産
「きらめきでんき」の供給元である新電力大手のF-Power社が2021年3月に「倒産」しました。
会社更生法の適用を申請
きらめきでんきの供給元であるF-Power社(現在はFPS)が2021年3月24日に会社更生法の適用を裁判所に申請し、倒産しました。
F-Power社は業界大手の新電力でしたが、2018年頃から経営が悪化し巨額の赤字を計上。2020年末からの電力取引価格高騰を受けて倒産に至りました。
中国系企業連合傘下へ
会社更生法申請をしたF-Powerは日本GLPをスポンサーとして経営再建を目指しています。日本GLPはシンガポールに本社を置くGLPの日本法人です。
GLPはもともとはシンガポール政府系ファンドによって設立された物流不動産企業でしたが、2017年に中国銀行(国有銀行)、中国人寿保険(国有企業)を始めとする中国企業連合によって買収されています。