地域新電力・自治体電力を選ぼう(ローカル電力)

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電力会社選びで地域貢献が出来る


 電力自由化では「電気料金が下がる」ということばかりが注目されています。一円単位で料金プランを比較して、「最安」のプランを選ぶ・・という人が多いです。しかし、電力自由化のメリットは単に「料金を比べられる」というだけではありません。


 「地域新電力」や「自治体電力」を通じた地域貢献というもう一つの「電力会社選び」をご紹介します。





地域新電力・自治体電力とは?


 まずは電力自由化で登場した、地域に密着した経営を行っている電力会社を紹介します。


地域新電力とは


 地域密着型の電力会社として「地域新電力」と呼ばれる電力会社があります。


 これは私の定義ですが、以下の条件に当てはまる会社を地域新電力と呼びます。



 電力自由化後、300社を越える新電力が登場しました。しかしその中でも、「地域密着」を掲げている会社は一部にとどまっています。こうした地域密着型の新電力を「地域新電力」と呼びたいと思います。


 代表的な地域新電力は以下のとおりです。


 はりま電力(兵庫県)
 水戸電力(茨城県)
 奈良電力(奈良県)
 鹿児島電力(鹿児島県)
 湘南電力(神奈川県)
 和歌山電力(和歌山県)


自治体電力とは


 地域新電力に対し、「自治体電力」と呼ばれる新電力もあります。


 自治体電力はその名の通り、地方自治体が設立に関与したり、出資している新電力を指します。全国でも都道府県単位、市町村単位でこうした自治体電力がいくつも登場しています。


 代表的な自治体電力は以下のとおりです。


 泉佐野電力(大阪府泉佐野市)
 北上新電力(岩手県北上市)
 とっとり市民電力(鳥取県)
 浜松新電力(静岡県浜松市)
 中之条新電力(群馬県中之条町)
 みやまスマートエネルギー(福岡県みやま市)
 やまがた新電力(山形県)


ローカル電力会社を選ぶ意義


 では、こうした地域新電力や自治体電力を一般の消費者が選ぶには、どのような意義があるのでしょうか。


年間10万円の「消費」が地元で増える


 電気代は毎月単位で見るとそれほど大きな出費ではないかもしれませんが、それが積み重なると意外と大きな出費となっています。概ね1世帯あたりの平均で年間10万円程度の支出額となります。


 電力自由化前は、この年間10万円の支出は大都市に本社を置く大手電力会社の「売上」となっていました。東京電力や関西電力をはじめとする大手電力会社は全国に10社ありますが、いずれも各地域で一番の大都市に本社を置いています。


ローカル電力は地域での富の循環を生み出す


 言い換えれば、地方から大都市にお金が吸い上げられる構造があるということになります。


 ローカル電力と契約することで、この大都市に流れていた年間10万円の「消費」が地元に落ちるようになります。地域でのお金の循環を作り出すことが出来るというわけです。


地元に雇用が増える


 ローカル電力の中には、地元の太陽光発電所やバイオマス発電所から調達した電力を供給しているところもあります。そうした発電所の維持にはメンテナンスのための人員が必要となるので、安定的な雇用が生まれます。


地域に雇用を増やすローカル電力会社


 また、地域に本社があれば契約手続きや顧客対応にあたる事務職や営業職の従業員もその地域で働くことになるでしょう。


 こうした地域での「雇用の創出」は、間接的に地域での消費を増やしたり、納税額を増やす効果も大きいです。また、若者の働く場として活用できれば、人口減への対策としても効果を発揮します。


ローカル電力のデメリットは


 一方で、ローカルにはデメリットもあります。


料金の安さでは一般の新電力に劣る場合も


 最大にして唯一のデメリットは、電気料金の水準です。


 地域新電力の中には非常に魅力的な電気料金プランを提示している会社も少なくないため、一概に「高い」とは言えない状況もあります。しかし、特に自治体電力については「あまり安くはない」料金プランを提示しているところがあるのも事実です。


 幸い、乗り換え前の大手電力より高いプランを提示しているローカル電力はほとんどありませんが、単純に料金で比較してしまうと、一般の新電力よりもやや不利です。


安さを追究しない電力会社選び


 安さをトコトン追究するのではなく、自分が暮らす地域の未来も考えた選択肢として検討してみてはいかがでしょうか。


地域新電力と呼べないものも多い


 地域名を冠した新電力は数多く存在しますが、上で挙げた地域新電力の「定義」に当てはまらないものも多く含まれています。


 例えばハルエネが全国各地の地名を冠した「○○でんき」というブランドを立ち上げていますが、いずれも契約主体は東京に本社を置くハルエネであり、地域新電力と呼ぶことは出来ません。


 また、活発化する新電力間の企業買収により、地域新電力が地域新電力でなくなってしまう事例も起きています。
 例えば2018年に買収された滋賀電力は、買収後に業務の一部が買収先である香川県企業に移管、またその後滋賀電力の法人格も消滅し、香川県企業の一支店となっています。




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