CO2排出量でも電力会社を比較しよう
環境負荷を見る指標の一つに、「二酸化炭素排出係数」というものがあります。これは1kWhの電気を発電するために排出したCO2(二酸化炭素)の量を表すもので、発電する際の環境負荷が如実に反映されるようになっています。例えばCO2排出係数が「0」なら二酸化炭素を全く排出せずに発電した電気を供給している、ということになります。
=二酸化炭素排出係数(CO2排出係数)
目次
- 関連記事
- 環境にやさしいエコな電力会社
再生可能エネルギーなど環境にいい新電力を選ぼう! - CO2排出量ゼロの電力会社の一覧
プランの一覧と、選び方の注意点も。 - 電気料金プランの比較表
電力自由化のプランを簡単に比較できます 452社掲載
電力会社のCO2排出量のランキング
CO2排出係数のランキング(新電力編)
2020年1月発表の2018年度実績データです。主な新電力を抜粋して紹介します。
会社名 | CO2排出係数(調整後) 単位:g-CO2/kWh |
主な供給地域 |
---|---|---|
自然電力 | 0g | 沖縄離島など除く全国 |
Looopでんき | 349g 家庭向けプラン |
沖縄離島など除く全国 |
東京ガス | 398g | 関東 |
大阪ガス | 403g | 関西 |
CDエナジー | 430g | 関東 |
ハルエネ | 463g | 離島など除く全国 |
熊本電力 | 472g | 沖縄離島など除く全国 |
出光興産 | 476g | 沖縄離島など除く全国 |
東急でんき | 491g | 関東 |
ミツウロコでんき | 493g | 沖縄離島など除く全国 |
ENEOSでんき | 494g | 沖縄離島など除く全国 |
エルピオでんき | 506g | 北海道、北陸など除く |
イデックスでんき | 511g | 九州 |
楽天でんき | 512g | 離島を除く全国 |
F-Power | 513g | 沖縄離島など除く全国 |
エネワンでんき | 514g | |
AIでんき | 524g | 北陸、沖縄などを除く |
SBパワー (ソフトバンクでんき) |
528g | 北海道、関東、関西 |
丸紅新電力 | 542g | 北陸、四国、沖縄、 離島を除く全国 |
まちエネ | 571g | 関東など |
auでんき | 574g | 全国 |
HTBエナジー | 577g | 離島除く全国 |
シン・エナジー | 592g | |
東邦ガス | 709g | 中部 |
イーレックス | 765g | 沖縄離島など除く全国 |
あしたでんき | 766g | 北海道、沖縄など除く |
CO2排出係数の良し悪しは、必ずしも電気料金の安さと比例していません。
なお、電力業界が自主的に設定し、環境省や経産省も資料に引用している「2030年度目標」のCO2排出係数は1kWhあたり370gです。上表中で達成しているのはLooopでんきのみです。
大手電力会社編
2020年1月発表の2018年度実績データ
会社名 | CO2排出係数(調整後) 単位:g-CO2/kWh |
---|---|
北海道電力 | 656g |
東北電力 | 523g |
東京電力 | 462g |
中部電力 | 472g |
北陸電力 | 574g |
関西電力 | 418g |
中国電力 | 636g |
四国電力 | 535g |
九州電力 | 463g |
沖縄電力 | 769g |
乗り換えによるCO2削減効果は絶大!
月300kWhの電気を使う世帯が、北海道電力からLooopでんきに乗り換えたとしましょう。
CO2排出係数の差は1kWhあたり307gですから、年間の削減量は1.1トンになります。
1世帯あたりのCO2排出量は年間で5370Kgで、その内49.0%は電気の使用によるものです(出典:温室効果ガスインベントリオフィス) 電力会社を乗り換えるだけで大幅なCO2排出量削減が可能です。
「調整後」「実排出量」の違いは?
二酸化炭素排出係数には「調整後」と「実排出量」の二種類の数値があります。
固定価格買取制度で買い取られた電気(いわゆる「FIT電気」)は、国民全体で負担している「再生可能エネルギー賦課金」を原資として、発電事業者から非常に高い値段で買い取られているものです。
そのため、特定の電力会社・利用者だけが「皆のお金で買った」FIT電気の恩恵を受けるのは適当でないことから、FIT電気の分のCO2排出量の扱いを区別した数値として「調整後」と「実排出量」の二種類の排出係数が算出されています。
「調整後」の数値はFIT電気の分のCO2を「全国平均のCO2排出量」で計算し直したもので、「実排出量」の方はFIT電気分を「排出量ゼロ」で計算したものです。
FIT電気は実際にはCO2を排出していませんが、皆のお金で高く買い取られた電気です。電力会社自らの努力によるものではないため、厳しく見るなら「調整後」排出係数の方を見るのがおすすめです。
CO2排出量「ゼロ」の電気料金プランも
CO2排出量を「ゼロ」としている電気料金プランもあります。詳しくは以下の記事にまとめてあるので、参考にしてください。