環境保護への取り組みがあまりにも不十分な中国電力

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中国電力の環境意識を問う。


 中国地方5県の電力供給を独占してきた中国電力。この会社は全国の大手電力会社の中でも、環境への意識が低いと言わざるを得ない状況を放置し続けているばかりか、時代の流れに逆行する計画を進めています。この記事では、そうした中国電力の問題点を指摘します。



中国電力とは


 中華人民共和国の電力会社と勘違いされがちですが、日本の「中国地方」の電力会社です。広島、山口、岡山、島根、鳥取県の電力供給を独占していた旧地域独占の大手電力会社です(売上高は日本の電力会社中6位)


中国電力下関発電所

中国電力下関発電所

中国電力の環境意識が低いと言える理由


 では、なぜ中国電力は「環境意識が低い」と言えるのか。現状の問題点を指摘します。


大手電力の中で最悪級のCO2排出係数


 CO2排出量を示す「CO2排出係数」という数値があります。1kWhの電気を作るのに排出したCO2の量を示す値です。


 排出係数で見ると、中国電力は0.691kgCO2/kWhと全国10社の大手電力会社の中で沖縄電力に次いでワースト2位の成績になっています(2016年度実績)


 平均的な新電力と比較して大幅に排出量が多いのはもちろん、供給エリアが隣接する四国電力、関西電力、九州電力と比較しても3割以上悪いです。


CO2排出が多い理由は「石炭火力」


 中国電力が多くのCO2を排出している最大の原因は、石炭火力発電への依存です。


 電源構成比に占める石炭火力の割合は57%と、全国10社の大手電力会社の中で3番目に高い割合になっています。


石炭火力発電は環境負荷が大きい


 石炭火力発電はCO2排出量がLNG火力(天然ガス)の2倍、またPM2.5や硫黄酸化物などの有害物質を多く排出するということで、世界的に撤廃の流れが強まっている発電方法です。


 フランスでは2023年までに全廃、インドでも今後10年間の間に石炭火力発電の新設をゼロにする計画を表明し、先進国のみならず途上国でも「撤廃」の流れが加速しています。




石炭火力を更に推進する姿勢を見せる


 現状は仕方がないとして、将来の計画はどうなっているのでしょうか。中国電力の方針を見てみましょう。


中国電力の石炭火力新設計画


 現在、日本では世界の流れに逆行する形で石炭火力発電所の新設計画が全国各地で進んでいます。その中でも一際目を引くのが、中国電力が関連している新設計画です。


 中国電力は島根県浜田市と千葉市に大規模な石炭火力発電所を建設する計画を公表しています(千葉は東京ガス、JFEスチールと共同) いずれも規模は100万kW以上と、原発1基分にも相当する大規模なものです。


 ただでさえ現状でも石炭火力発電への依存度が高い中国電力が、こうして大規模な石炭火力発電所を新設することで、CO2削減に向けた日本全体の取り組みへの障害となる恐れがあります。


 2030年度までに、日本の電力会社全体でCO2排出係数を「0.37kgCO2/kWh」まで削減しようという目標があります。中国電力は現状からほぼ半減させなくてはならないはずなのに、いったいどのようにして目標を達成するのでしょうか。


 責任ある姿勢で環境対策に取り組んでもらいたいものです。




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