「再エネ比率」が高いだけで電力会社を選んではいけない理由

再エネ比率が高い=エコ?


 電力自由化によって参入した新電力の中には、電源構成にしめる再生可能エネルギーの比率の高さをアピールしているところがあります。環境意識が高いユーザーを引きつけようという戦略ですが、ここには罠も隠れています。注意すべき点を分かりやすく解説します。



再エネ比率だけ見ると「騙される」理由


 再エネ比率が高ければ「エコ」で環境負荷が小さい、地球温暖化防止に貢献できるとイメージしがちですが、実際にはそうとは言えないケースも少なくありません。再エネ比率を見て電力会社を選ぶ注意点を解説します。


再エネ以外の電源構成も大事


 太陽光や風力、バイオマス発電といった再エネを活用している電力会社は、電源構成に占める再生可能エネルギーの比率を大きくアピールしています。ですが再エネ100%のプランを除くと、再エネ以外の方法で発電された電力が含まれるわけです。その「再エネ以外」の部分に落とし穴がある場合があります。


 「再エネ○○%」という宣伝に惑わされるのではなく、電源構成全体をよく確認することがとても重要です。


再エネ比率が高いがエコとは言えない例


 例えば再エネ30%、「その他」70%という電源構成を公表している架空の新電力があったとしましょう。再エネを30%も使っていればエコな電力なのだろうという印象を持つ人が多いと思います。


架空の電力会社の電源構成

架空の電力会社の電源構成

 ですがこの架空の新電力が販売した電力は1kWhあたり604gを排出してつくられており、新電力としてはCO2排出量が多いと言えます。


 実はこの架空の新電力は、再エネ以外の70%をCO2排出量が多い石炭火力発電から調達しており、その石炭火力発電の部分を「その他」と隠して公表し、再エネの30%の部分だけをアピールしてエコなイメージを作り出しています(石炭火力は国内平均の1kWhあたり863gのCO2を排出すると想定して604gと算出)


 これはあくまでも架空の事例ですが、再エネ比率の高さをアピールしている新電力の中には、再エネ以外の電源構成を詳細に公表せず「その他」などと隠してるところが少なくないため、注意が必要です。現実の問題として、再エネ比率の高さをアピールしているのにCO2排出量が少なくない新電力も存在しています。


ソーラーパネル


FIT電気というトリックも


 電源構成に「FIT電気」を含めて公表している新電力は少なくありません。


 FIT電気とは、国の固定価格買取制度を利用して買取が行われた、太陽光や風力発電など再生可能エネルギーで発電された電力です。日本中の人が負担している再エネ賦課金を原資として、買取が行われているものです。


 この電気は再エネでつくられた電気であるものの、日本の制度上「再生可能エネルギーとして扱わない」ことがルールとして定められています。


 新電力が営業活動を行う際のルールでも、FIT電気について「火力発電なども含めた全国平均の電気のCO2排出量を持った電気」(資源エネルギー庁:電力の小売営業に関する指針)と示されており、CO2を排出しない「再エネ」ではなく、CO2を出す電力であることをお客さんに説明することが求められています。


電力の小売営業に関する指針

出典:電力の小売営業に関する指針

 ですが少なくない新電力が、このFIT電気の比率が高いことを大きくアピールし、誤ったエコなイメージを与えるような宣伝を続けています。


 繰り返しになりますが、FIT電気比率が高い料金プランは「再エネ」ではありませんし、CO2を排出しているとみなされるため地球温暖化防止に貢献しません。エコではありません。


大事なのはCO2排出量が本当に少ないかどうか。


 再エネを活用する最大のメリットは、地球温暖化の原因とされるCO2の排出量を削減出来る点です。では、再エネ比率ではなく何を見て電力会社を選ぶべきか、その答えを紹介します。


見るべきは再エネ比率でなくCO2排出係数


 記事前半でも紹介しましたが、再エネ以外の電源構成を「その他」と公表している新電力は少なくありません。再エネ100%のプランを除くと、内訳を詳細に確認することが出来ないケースが多いです。


 そこでおすすめしたいのが、CO2排出係数という数字です。
 CO2排出係数とは、その電力会社が販売した電力がどれだけのCO2を排出してつくられたのかを数値として表すものです。例えば東京電力エナジーパートナーは1kWhの電力をつくるのに462g(2018年度実績)のCO2を排出しています。


環境省のCO2排出係数資料

環境省 排出係数一覧

 本物の「再エネ」をしっかり活用している新電力・電力会社は、CO2排出係数の数値が小さくなります。逆に、石炭火力発電のように排出量が多い発電方法に頼っている電力会社は数値が大きくなります。当然、「排出量ゼロ」という会社や料金メニューも存在します。


 CO2排出係数は環境省のサイトで一覧表で確認できます。毎年、年末か年始頃にデータが更新されるので、自分が契約している会社の成績を毎年1月に確認することをおすすめします。




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