ごみ発電で作られた電力を供給している電力会社は?
ごみ発電(廃棄物発電)によって発電された電力を購入できる電力会社の一覧と、ごみ発電の特徴やメリット・デメリットを解説します。
目次
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ごみ発電とは
まずは、ごみ発電(廃棄物発電)を分かりやすく解説します。
ゴミ処理場で発電された電気
ごみ発電は、ごみの焼却処理に伴って発電を行うものです。
家庭や事業所から出された可燃ごみは、焼却処理施設に集められ燃やされます。ゴミを燃やす際に大量の「熱」が発生します。この熱を利用して発電を行うのがゴミ発電です。
焼却処理する際に発生する熱で高温高圧の蒸気をつくり、その蒸気で発電タービンを回すことで発電します。ちなみに、熱で蒸気をつくってタービンを回す、という一連の流れは火力発電や原子力発電と同様です。熱源がゴミの燃焼であればごみ発電、石炭の燃焼なら石炭火力発電、核分裂なら原子力発電となります。
追加的なCO2を排出しない
ごみ発電の最大のメリットは、発電時に追加的なCO2を排出しない点にあります。
もちろんゴミを燃やすことでCO2が発生しますが、それは発電しない場合でも変わらないことです。焼却処理施設に発電設備を設置して発電することで、火力発電による発電を減らすことができ、CO2排出量を減らすことが出来ます。
ゴミ処理場の排熱は発電以外にも、温水プールに使われたり、東京都品川区の八潮団地では団地の各居室の暖房や給湯にも活用されています。
導入率は3分の1程度
ゴミ処理場でのごみ発電の導入率は3分の1程度に留まります。全国に1100程度あるごみ焼却施設のうち、ごみ発電の導入数は379(平成30年度)となっています。
年々導入数は増加していますが、ごみ発電は一定規模以上の焼却施設でないと採算が取れないことから、大規模な施設への導入が中心となっています。
総発電量は265万世帯相当
環境省の資料によれば、平成30年度のごみ発電での発電量は9553GWh(95.53億kWh)でした。1世帯あたりの電力消費量を月300kWhとすると、年間で265万世帯分の消費電力量を賄える計算です。
ちなみに、市町村別で最も世帯数が多い横浜市(178.3万戸)と、5番目に多い福岡市(79万戸)をあわせると257.3万戸なので、両市の家庭への電力供給をまかなえるほどの量、といえばイメージしやすいでしょうか。
ごみ発電の電力を購入できる主な電力会社の一覧
ごみ発電を含む電源構成を公表している新電力会社を一覧で紹介します。
社名 | 電源構成 | 備考 |
---|---|---|
中海テレビ放送 | 81.5% 2016年度実績(FIT分含む) |
鳥取県西部のみ契約可能 |
浜松新電力 | 39% 2019年度実績(FIT分含む) |
浜松市内のみ契約可能 |
ところざわ未来電力 | 88% 2018年度実績(FIT分含む) |
東電エリアに対応 |
いずれも一般家庭で契約できる電力会社です。
なお、FITとは固定価格買取制度を利用して買い取られた電力を指します。買い取りの原資は国民全体から集められた再エネ賦課金であるため、FIT電気を使うことが発電所の支援あるいはCO2削減に貢献するとは言えない側面があります(計算上、FIT電気はCO2を排出する電力として扱われる)