関西電力なっトクでんきと大阪ガスの比較
お互いに激しく顧客を奪い合う関電と大ガス。この2社の料金プランを、電力自由化の専門家としてこれまでに多数のメディア取材を受けてきた私が分かりやすく解説します。
目次
関電なっトクでんきと大阪ガスの比較
関電なっトクでんきと大阪ガス、何が違うのかあらゆる角度から比較していきます。
料金プランの比較 どちらが安い?
関電の標準的なプランである「従量電灯A」と比較して、年間いくらお得になるのか。世帯人数ごとの平均使用量で試算した結果を紹介します(なお、下記の試算に燃料費調整は含んでいません)
お得率と年間節約額 | 月170kWh |
月348kWh |
月391kWh |
月437kWh |
関西電力 なっトクでんき |
-4.4% -1986円 |
-5.4% -5449円 |
-5.2% -6028円 |
-5.0% -6648円 |
大阪ガス ガスとのセット割 |
-2.6% -1158円 |
-4.5% -4610円 |
-4.4% -5122円 |
-4.2% -5602円 |
大阪ガス スタイルプランd |
-1.0% -428円 |
-4.6% -4663円 |
-4.6% -5341円 |
-4.6% -6066円 |
大阪ガスの電気は関西電力の標準メニューよりも割安な料金設定です。「スタイルプランd」は電気だけで契約できるプランで、毎月の電気料金に応じてdポイントが還元されることで値引きになる料金体系です。


なお、上記の料金シミュレーションでは燃料費調整の上限を考慮していないため、燃料価格の推移によっては試算値よりも高くなる場合や、燃料費調整に上限を設けている大手電力の従量電灯よりも高くなる場合があります。他の料金比較サイトを利用する場合も注意してください。料金一括シミュレーションでは最新月の燃料費調整単価をもとに試算できます。
サービスの違い
続いて、両者のサービス内容を比較します。
関電なっトクでんき | 大阪ガス | |
---|---|---|
初期費用 | 無し | 無し |
解約時の違約金 | 無し | Amazonプランなどは違約金あり |
見える化 | あり | あり |
付帯サービス | 無し | 無し |
支払い方法 | 口座振替、クレジットカード | 口座振替、クレジットカード |
両者とも特に駆けつけサービスのような付帯サービスを提供していません。
しいて違いをあげると、大ガスは電気・ガスをセット契約にした場合、これまでどおり紙の検針が毎月ポストに届くので、紙で請求額等を確認したい人にはメリットと言えます(関電、大ガスともウェブで詳細に確認できます)


環境・エコは?
CO2排出量 | 関西電力 | 大阪ガス |
---|---|---|
2020年度 | 318g | 495g |
2019年度 | 334g | 403g |
2018年度 | 418g | 403g |
2017年度 | 418g | 389g |
2016年度 | 493g | 385g |
環境省を通じて公表された、「CO2排出係数」のデータです。1kWhの電気を供給するごとに、どれだけのCO2を排出するのかを表す数値です。
2018年度までは大ガスの方がCO2排出量が少ない成績でしたが、19年度に一気に関電が逆転しています。原発の再稼働による効果が大きいです。
大ガスは18年度以前は優秀な値でしたが、年々数値を悪化させています。自社運営の高効率なLNG火力発電で電力を賄っていましたが、契約件数の増加に発電所の増設が追いついていないため、数値が悪化しているとみられます。


特徴をまとめると・・
最後に、2社の特徴をまとめます。
関電なっトクでんき
燃料費調整に上限が無いため、燃料価格が高騰した場合に関電の従量電灯A(こちらは上限がある)よりも高くなる場合があります。2022年夏現在、従量電灯Aより大幅に高くなっています。

大阪ガス
関電のなっトクでんきと同様に燃料費調整に上限が無いため、2022年現在は関電の従量電灯Aよりも電気代が大幅に高くなります。
