関西電力なっトクでんきとソフトバンクでんきの比較
関西電力のなっトクでんきとソフトバンクでんき、電気代が安いのはどちらなのか。サービス内容の違いも含めて、電力自由化の専門家としてこれまでに多数のメディア取材を受けてきた私が分かりやすく解説します。
目次
関電なっトクでんきとソフトバンクでんきの比較
関電なっトクでんきとソフトバンクでんき、何が違うのかあらゆる角度から比較していきます。
料金プランの比較 どちらが安い?
関電の標準的なプランである「従量電灯A」と比較して、年間いくらお得になるのか。世帯人数ごとの平均使用量で試算した結果を紹介します。
お得率と年間節約額 | 月170kWh |
月348kWh |
月391kWh |
月437kWh |
ソフトバンクでんき おうちでんき従量電灯A |
-3.9% -1740円 |
-2.3% -2309円 |
-2.1% -2464円 |
-2.0% -2629円 |
一人世帯のみ、僅差でソフトバンクでんきが安い結果となりました。ただし、なっトクでんきは関電ガスとのセット契約が必要な料金プランですが、関電ガスはセット契約でガス料金が安くなるため、ソフトバンクでんき+関電ガス(非セット契約)よりも、関電なっトクパックの方が電気・ガス代トータルで安くなります。
2人以上の世帯ではいずれも関電なっトクでんきの方が安い結果となりました。ただしソフトバンクでんきは通信回線1回線ごとに月110円の割引が加算されますが、試算にはいずれも1回線分の割引しか含めていないため、例えば2人世帯でスマホ2回線と光回線の合計3回線をソフトバンクで契約している場合は、関電なっトクでんきよりも安くなるでしょう。
注意点としては、ソフトバンクでんきの通信回線とのセット割引は当初は1回線につき月110円ですが、契約2年目以降は半額に減少するため、長期で契約を継続するとメリットが薄くなります。


なお、上記の料金シミュレーションでは燃料費調整の上限を考慮していないため、燃料価格の推移によっては試算値よりも高くなる場合や、燃料費調整に上限を設けている大手電力の従量電灯よりも高くなる場合があります。他の料金比較サイトを利用する場合も注意してください。料金一括シミュレーションでは最新月の燃料費調整単価をもとに試算できます。
サービスの違い
続いて、2社のサービス内容を比較します。
関電なっトクでんき | ソフトバンクでんき | |
---|---|---|
初期費用 | 無し | 無し |
解約時の違約金 | 無し | いつでも550円 |
見える化 | あり | あり |
付帯サービス | 無し | 駆けつけサービス |
支払い方法 | 口座振替、クレジットカード | 口座振替、クレジットカード |
関電については特にメリットもデメリットも無いと言える内容です。
ソフトバンクでんきについては、解約期間に関係なく解約時に550円の解約手数料が発生します。契約期間や使用条件によっては、かえって損になってしまう場合もあるでしょう。
ソフトバンクでんきのメリットとしては、無料の駆けつけサービスが付いている点です。
「おうちレスキュー」というサービス名で、水回り・鍵・ガラスのトラブルが発生した際に30分以内の作業料金が無料で応急処置をしてくれるというものです。契約から2年間、無料で利用できます。


環境・エコは?
CO2排出量 | 関西電力 | ソフトバンクでんき |
---|---|---|
2020年度 | 318g | 524g |
2019年度 | 334g | 524g |
2018年度 | 418g | 528g |
2017年度 | 418g | 559g |
2016年度 | 493g | 601g |
環境省を通じて公表された、「CO2排出係数」のデータです。1kWhの電気を供給するごとに、どれだけのCO2を排出するのかを表す数値です。
いずれも関電の方がCO2排出量が少なく、環境負荷が小さいと言えます。関電の成績はほかの大手電力会社と比較してもちろん、多くの新電力と比較してもCO2排出量が少ないと言えます。
一方、ソフトバンクでんきは年々数値を改善している点は評価に値しますが、16・17年度の値は新電力としては排出量がやや多いと言えるものでした。19年度以降の数値は、新電力としては「平均的」といえる水準です。


特徴をまとめると・・
最後に、2社の特徴をまとめます。
関電なっトクでんき
基本的にはソフトバンクでんきよりも安い料金で利用できます。電気代、またガス代を節約したい人におすすめです。解約手数料などが無い点や、CO2排出量が少ない点もメリットと言えるでしょう。

ソフトバンクでんき
料金面では関電に譲るものの、無料の駆けつけサービスが付いている点は大きなメリットと言えます。また、ソフトバンクの通信回線を多く契約している場合は、セット割引により関電と同等の料金で利用できる場合もあります。
解約手数料が常時発生してしまう点はデメリットとして指摘しておかねばなりません。
