Looopでんきと親指でんきの比較
一般家庭向けの料金プランは「同額」というLooopでんきと親指でんき。電力自由化の専門家として多数のメディアの取材を受けてきた私が、実際に2社とも利用した感想も交えながら分かりやすく比較します。
目次
私の利用歴
出来るだけ多くの新電力を自分で実際に使うことを目標にしており、頻繁に電力会社を切り替えています。
Looopでんきは2017年5月から7ヶ月間、親指でんきは2018年11月に1ヶ月間、それぞれ自宅で利用しました。契約した際の感想をふまえて、この2社のサービスを詳しく比較していきます。
Looopでんきと親指でんきの比較
Looopでんきと親指でんき、何が違うのかあらゆる角度から比較していきます。
料金プランの比較 どちらが安い?
まずは料金プランを、世帯人数ごとの「平均使用量」で地域別に比較します。各地の大手電力会社の「従量電灯」と比較して、年間いくら安くなるのかを世帯人数ごとの平均使用量で試算しました。
以前はいずれの地域でもLooopでんき「おうちプラン」と親指でんき「いいねプラン」は同額の料金設定でしたが、2022年6月にLooopでんきが値上げ、また2022年8月に親指でんきも値上げを行ったため現在は地域によっては料金差が生じています。
なお、Looopでんきは電力の市場取引価格に連動して料金が変動する仕組みを導入しており、料金が高騰するリスクがあります。当サイトの試算には変動を加味していません(事前の予想が出来ないため) 親指でんきについても燃料費調整に上限が無いため、燃料価格の推移によっては大手電力の従量電灯よりも電気代が高くなるリスクがあります。


サービスの違い
Looopでんき | 親指でんき | |
---|---|---|
初期費用 | 無し | 無し |
解約時の違約金 | 無し | 無し |
見える化 | あり データ更新は1日ごと |
あり データ更新は数時間ごと |
付帯サービス | 関東のみ かけつけサービス |
無し |
支払い方法 | クレジットカード | クレジットカード 口座振替 |
料金は同じですが、サービス面では上記のような差があります。
自宅の電気使用量をネットで確認できる「見える化」は、親指でんきでは数時間ごとにデータがどんどん反映されていましたが、Looopでは一日一回まとめての反映で、親指でんきの方が使い勝手は格段に良かったです。
また、親指でんきは口座振替にも対応しており、口座振替で電気代を支払いたい人におすすめです。
反面、顧客対応に関しては親指でんきよりもLooopでんきの方が「良い」と評価します。
不満に感じた点は申込み体験記に詳しく記載していますが、Looopの方が対応のクオリティは高いです。


環境・エコは?
親指でんきは電源構成を不開示、Looopでんきは23.4%をFIT電気(再生可能エネルギー)、2.6%を水力、その他74%と大雑把な情報を開示しています。
CO2排出量 | Looopでんき | 親指でんき |
---|---|---|
2020年度 | 349g | 535g |
2019年度 | 349g | 505g |
2018年度 | 349g | 555g |
2017年度 | 349g | 555g |
2016年度 | 349g | データ無し |
環境省を通じて公表された、「CO2排出係数」のデータです。1kWhの電気を供給するごとに、どれだけのCO2を排出するのかを表す数値です。
新電力としてはCO2排出量が少ないLooopでんきに対し、親指でんきは「平均的〜やや多い」という評価です。CO2排出量の部分に関しては、Looopでんきの方が優れていると言えます。


特徴をまとめると・・
最後に、2社の特徴をまとめます。
Looopでんき
中部電力が出資する新電力大手です。サービス内容では親指でんきに譲る部分もありますが、新電力としてはしっかりとした顧客対応をしてくれます。
また、CO2排出量では親指でんきとの比較のみならず、大手電力会社や他の新電力と比較しても「低排出」と言えるので、環境負荷の面で強みがあります。
2022年6月に値上げを実施しました。当サイトの料金シミュレーションは値上げ後の料金単価で計算しています。
2022年10月から電力の市場取引価格に連動して電気代が変動する仕組みを採用しており、電気代が高騰するリスクのある料金体系となっています。

親指でんき
省エネのコンサルティングなどを手掛ける会社が提供しています。
以前はLooopでんきと「同額」(いいねプラン)の料金設定でしたが、Looopが値上げ更に親指でんきも値上げをしたため現在は異なる料金単価となっています。地域によって親指でんきの方が安い場合も、逆に高い場合もあります。
「見える化」の使い勝手ではLooopに勝る一方、顧客対応では若干「粗い」面もあります。電気代を口座振替で払いたい人には貴重な選択肢です(Looopに限らずカードのみという新電力は少なくない)
