楽天でんきとENEOSでんきを比較
電力自由化の専門家として多数のメディア取材を受けてきた私が、実際に両社とも自宅で利用した感想をふまえて楽天でんきとENEOSでんきを詳しく比較します。
目次
私の利用歴
出来るだけ多くの新電力を自分で実際に使うことを目標にしており、頻繁に電力会社を切り替えています。
ENEOSでんきは電力自由化スタート直後の2016年4月から約1年、楽天でんきは2018年12月から4ヶ月間それぞれ自宅で利用しました。
利用していた際の感想を交えながら、両社を詳しく比較します。
楽天でんきとENEOSでんきの比較
楽天でんきとENEOSでんき、何が違うのかあらゆる角度から比較していきます。
料金プランの比較 どちらが安い?
まずは料金プランを、世帯人数ごとの「平均使用量」で地域別に比較します。
楽天でんきが2022年6月から大幅な値上げを行ったため、どの地域・どの条件でもENEOSでんきの方が安いです。楽天でんきは一般家庭の平均的な使用量で大手電力の標準メニューよりも割高な料金設定となっており、現在契約中の人は注意が必要です。


なお、2社とも燃料費調整に上限が無いため、燃料価格の推移によっては大手電力の従量電灯よりも電気代が高くなる場合があります。上記の試算には燃料費調整の上限を含めていません。
サービスの違い
続いて、ENEOSと楽天のサービス内容を実際に両社とも利用した際の感想を交えながら解説します。
ENEOS | 楽天 | |
---|---|---|
駆けつけサービス | あり | 無し |
支払方法 | 口座振替・クレジットカード | クレジットカード |
ENEOSでんきでは、電気が点かない、コンセントが使えないといった電気のトラブルに無料で対処してくれる「駆けつけサービス」があります。部品代などは実費ですが、出張費や30分程度までの作業費が無料です。また、電球交換も年3回まで無料でやってくれるので高齢者世帯にもおすすめです(電球代は実費)
また、両社ともウェブのマイページから自宅の電気使用量を確認できる「見える化」サービスも提供しています。1日1回まとめてデータが反映される新電力が多いですが、ENEOSでんき・楽天でんきともに数時間遅れでデータがどんどん反映されていたので、使い勝手は良かったです。
顧客対応については、両社とも特に問題は無いというか新電力の中では良い方だと感じます。特にENEOSのコールセンターはよく教育されていて、他の新電力のサポートがしどろもどろになるような質問にもスパッと答えてくれるので好印象です。


環境・エコは?
CO2排出量 | ENEOSでんき | 楽天でんき |
---|---|---|
2020年度 | 472g | 534g |
2019年度 | 494g | 534g |
2018年度 | 494g | 512g |
2017年度 | 509g | 589g |
2016年度 | 459g | 591g |
環境省を通じて公表された、「CO2排出係数」のデータです。1kWhの電気を供給するごとに、どれだけのCO2を排出するのかを表す数値です。
過去数年のデータでは、いずれもENEOSでんきのCO2排出量が少ない結果となっています。楽天でんきと比較して環境負荷が小さいと評価できます。
2社とも、新電力としては平均的なCO2排出量です。

特徴をまとめると・・
最後に、2社の特徴をまとめます。
ENEOSでんき
楽天でんきよりも電気代が明らかに安いです。大手電力よりもしっかりとお得になる料金体系です。
また、無料で使える「駆けつけサービス」などの付帯サービスや、環境負荷が楽天でんきより小さいこともメリットと言えるでしょう。口座振替での支払いにも対応しています。

楽天でんき
2022年6月に大幅な値上げを実施したため、一般家庭ではENEOSでんきはおろか大手電力の標準メニューよりも割高な料金プランとなっており、現在は契約するメリットが無いサービスと結論づけることができます。
