東京電力と東京ガスの比較
お互いに顧客を激しく奪い合う東京電力と東京ガス。その両社の主要な料金メニューである「スタンダードS」と「ずっとも電気1・1S」はどちらの方が安いのか、また付帯サービスの違いも交えながら分かりやすく比較します。
東京電力と東京ガスの比較
東京電力と東京ガス、何が違うのかあらゆる角度から比較していきます。
料金プランの比較 どちらが安い?
東京電力の標準的なプランである「従量電灯B」と比較して、年間いくらお得になるのか。世帯人数ごとの平均使用量で試算した結果を紹介します。
お得率と年間節約額 | 20A / 月170kWh |
30A / 月348kWh |
40A / 月391kWh |
50A / 月437kWh |
東京電力 スタンダードS |
-0.5% -243円 |
-0.5% -555円 |
-0.5% -643円 |
-0.5% -735円 |
東京ガス ずっとも電気1 ガスとセット |
20A契約不可 | -7.8% -8896円 |
-8.5% -11331円 |
-9.1% -13880円 |
東京ガス ずっとも電気1S ガスとセット |
-3.3% -1682円 |
-5.6% -6340円 |
-6.2% -8269円 |
-6.7% -10328円 |
結果は一目瞭然で、東京ガスの「ずっとも電気」の方が東電よりも明らかに安いです。一人暮らしでは「ずっとも電気1S」、2人以上の世帯では「ずっとも電気1」が安いです。
なお、東電も東電のガスとセット契約にすることで、別途月102円・年1224円のセット割引が適用されます。ですがこの割引を含んでも、東京ガスの方が安いです。
なお、上記の料金シミュレーションでは燃料費調整の上限を考慮していないため、燃料価格の推移によっては試算値よりも高くなる場合や、燃料費調整に上限を設けている大手電力の従量電灯よりも高くなる場合があります。他の料金比較サイトを利用する場合も注意してください。料金一括シミュレーションでは最新月の燃料費調整単価をもとに試算できます。
サービスの違い
続いてサービスの差を比較します。
東京電力 | 東京ガス | |
---|---|---|
初期費用 | 無し | 無し |
解約時の違約金 | 無し | 無し |
付帯サービス | 駆けつけサービス | ずっとも電気1のみ 駆けつけサービス クラシルの有料機能利用 |
支払い方法 | 口座振替、クレジットカード | 口座振替、クレジットカード |
東電、東京ガスのずっとも電気1には駆けつけサービスが無料で付いています(東京ガスのずっとも電気1Sには付かない)
水回り、ガラス、玄関鍵などのトラブルが発生した際に、無料で応急対応をしてくれるというものです。対応範囲に若干の差があります。
東電 | 東京ガス | |
---|---|---|
対応範囲 | 電気設備 水回り 鍵 窓ガラス |
- 水回り 鍵 窓ガラス |
作業時間 | 特に上限は無し | 30分以内まで無料 |
対象 | スタンダードS などの契約者 |
ずっとも電気1と ガスのセット契約者 |
東電の方がより充実した内容となっています。
利用する機会は滅多に無いかもしれませんが、あると便利なサービスです。一度でも利用する機会があれば、自分で業者を手配するよりも1回あたり1万円単位で「お得」です。
環境・エコは?
環境負荷を比較します。
CO2排出量 | 東京電力 | 東京ガス |
---|---|---|
2019年度 | 455g | 364g |
2018年度 | 455g | 398g |
2017年度 | 462g | 371g |
2016年度 | 474g | 382g |
環境省を通じて公表された、「CO2排出係数」のデータです。1kWhの電気を供給するごとに、どれだけのCO2を排出するのかを表す数値です。
一貫して東京ガスの方がCO2排出量が少ないです。2021年1月に公表された19年度実績では、差は20%です。
東京ガスは自社運営の高効率なLNG火力発電所から中心に電力を調達しています。
特徴をまとめると・・
最後に、2社の特徴をまとめます。
東京電力
駆けつけサービスに魅力を感じる場合は、選択肢となるでしょう。電気料金自体はセット割引を考慮しても東京ガスと比較して大幅に割高と言えます。
なお、「スタンダードS」は従来からあった標準的なメニューである「従量電灯B」と同じ料金単価で、ポイント還元の0.5%分お得になるという料金体系の新メニューです。
東京ガス
電気料金が東電のスタンダードSと比較して大幅に安いです。東電と比較すると「駆けつけサービス」の内容は若干劣るものの、新電力の中では充実した内容のサービスを提供しています。
また、CO2排出量が東電と比べて20%程度少ない点でもメリットがあります。国内の主要な大手電力・新電力の中でもCO2排出量が少ないと言える水準です。
