東京ガスと熊本電力の比較
新電力として関東で圧倒的なシェアをほこる東京ガスと、安い電気料金を武器に密かな人気を集める熊本電力。実際に2社とも契約した経験を持つ私が、この2社の電気料金やサービス内容を詳しく比較します。
目次
私の利用歴
出来るだけ多くの新電力を自分で実際に使うことを目標にしており、頻繁に電力会社を切り替えています。
東京ガスは2018年1月から8ヶ月間にわたり自宅で、熊本電力は家族の士業事務所で2019年2月から利用しています。実際に利用してみて感じた感想を交えながら詳しく比較していきます。
東京ガスと熊本電力の比較
東京ガスと熊本電力、何が違うのかあらゆる角度から比較していきます。
料金プランの比較 どちらが安い?
まずは料金プランを、世帯人数ごとの「平均使用量」で地域別に比較します。各地の大手電力会社の「従量電灯」と比較して、年間いくら安くなるのかを世帯人数ごとの平均使用量で試算しました。
お得率と年間節約額 | 20A / 月170kWh |
30A / 月348kWh |
40A / 月391kWh |
50A / 月437kWh |
東京ガス ずっとも電気1/セット |
20A契約不可 | -7.8% -8896円 |
-8.5% -11331円 |
-9.1% -13880円 |
東京ガス ずっとも電気1S ガスとセット |
-3.3% -1682円 |
-5.6% -6340円 |
-6.2% -8269円 |
-6.7% -10328円 |
熊本電力 | 40A以上で契約可 | 40A以上で契約可 | -13.0% -17257円 |
-14.1% -21653円 |
熊本電力は40A以上でないと契約できないため、一人暮らしや二人暮らしの世帯では選択肢としては選びづらい反面、40A以上では東京ガスよりも安いのはもちろん、関東エリアの新電力としては「最安クラス」の低料金です。
東京ガスについては一人暮らし・二人暮らし世帯でお得です。熊本電力との比較だけでなく、他の新電力と比較しても上位のお得な料金プランと言えます。
「1S」は使用量が少ない世帯向けのプランで、一人暮らしや共働きの二人暮らし世帯ではこちらの方が安いです。


サービスの違い
東京ガス | 熊本電力 | |
---|---|---|
初期費用 | 無し | 無し |
解約時の違約金 | 無し | 無し |
見える化 | あり データ更新は1日1回 |
あり データ更新は数時間遅れ |
付帯サービス | 駆けつけサービス ずっとも電気1のみ |
無し |
支払い方法 | クレジットカード 口座振替 |
クレジットカード |
熊本電力は新電力としては最低限の内容です。
顧客対応についても、熊本電力はこれまでに何度も不満を感じる対応をされており、「安かろう悪かろう」が否めないですが、電気代が安いので仕方ないでしょう。東京ガスはコールセンターが混雑していて数分待たされることがあるという不満はありますが、ガス最大手なので対応はしっかりしています。
東京ガスの「ずっとも電気1」には駆けつけサービスが付きます(1Sは対象外)
水回り、カギ、ガラスのトラブルが発生した際に、無料で自宅まで駆けつけて修理などをしてくれるサービスです。部品代などは別途発生しますが、もしもの時に役立つでしょう。
更に付け加えると、東京ガスはガスと電気をセット契約にすることで、これまで通り無料で紙の検針票を受け取ることができます。熊本電力はウェブのマイページから自分で印刷する必要があります。


環境・エコは?
CO2排出量 | 東京ガス | 熊本電力 |
---|---|---|
2020年度 | 364g | 499g |
2019年度 | 364g | 0g |
2018年度 | 398g | 472g |
2017年度 | 371g | 656g |
2016年度 | 382g | 656g |
環境省を通じて公表された、「CO2排出係数」のデータです。1kWhの電気を供給するごとに、どれだけのCO2を排出するのかを表す数値です。
熊本電力は排出権を利用することで19年度のCO2排出量ゼロを達成しましたが、経営陣が変わったせいか20年度では再び、電力会社としては「平均的」なCO2を排出しています。
一方、東京ガスは新電力としてはCO2排出量が少ないといえる優秀な成績をキープしており、東京電力(1kWhあたり441g-20年度実績)と比較しても排出量が約20%少ないです。


特徴をまとめると・・
最後に、2社の特徴をまとめます。
東京ガス
一人暮らし・二人暮らし世帯におすすめです。熊本電力との比較だけでなく、ガスとのセット契約では関東の新電力の中でも上位のお得な料金プランです。
ガス最大手ということで顧客対応の点や、環境負荷の面、あるいは付帯サービスの面で熊本電力よりも優れていると評価できます。

熊本電力
圧倒的に安い料金を武器に注目を集めている新電力です。使用量が多い場合、関東で最安クラスの料金プランです。
料金は安い反面、顧客対応などサービス面では東京ガスに見劣りしますが「電力業界のLCC(格安航空会社)」と捉えれば納得できるのではないでしょうか。CO2ゼロというメリットもあります。
