東京ガスとLooopでんき
家庭向けの新電力としては圧倒的に全国1位の契約を獲得する東京ガスと、新規参入ながらも健闘を続けるLooop。この2社の料金、サービス内容を詳しく比較します。
目次
私の利用歴
出来るだけ多くの新電力を実際に使うことを目標としており、頻繁に電力会社を切り替えています。
Looopでんきは2017年6〜11月の6ヶ月間、東京ガスは2018年1〜8月の8ヶ月間それぞれ自宅で利用しました。
契約していた時の感想も交えながら両社を詳しく解説していきます。
東京ガスとLooopでんきの比較
東京ガスとLooopでんき、何が違うのかあらゆる角度から比較していきます。
電気料金プランの比較 どちらが安い?
まずは電気料金を比較します。世帯人数ごとの「平均使用量」で、東京電力の標準メニューである従量電灯Bと料金を比較します。
お得率と年間節約額 | 20A / 月170kWh |
30A / 月348kWh |
40A / 月391kWh |
50A / 月437kWh |
Looopでんき 電気のみの契約 |
+14.4% +7372円 |
+5.8% +6540円 |
+1.7% +2195円 |
-1.4% -2213円 |
Looopでんき ガスとセット契約 |
+10.4% +5332円 |
+2.1% +2364円 |
-1.9% -2496円 |
-4.9% -7457円 |
東京ガス 基本プラン ガスとセット |
-3.5% -1812円 |
-5.8% -6626円 |
-6.5% -8614円 |
-7.0% -10736円 |
東京ガス 基本プラン 電気だけ |
-3.1% -1565円 |
-5.4% -6091円 |
-6.0% -7993円 |
-6.5% -10025円 |
いずれの条件においても、Looopでんきより東京ガスの方が安いです。
なお、Looopでんきは電力の市場取引価格に連動して料金が変動する仕組みを導入しており、料金が高騰するリスクがあります。当サイトの試算には変動を加味していません(事前の予想が出来ないため)


なお、上記の料金シミュレーションでは燃料費調整の上限を考慮していないため、燃料価格の推移によっては試算値よりも高くなる場合や、燃料費調整に上限を設けている大手電力の従量電灯よりも高くなる場合があります。他の料金比較サイトを利用する場合も注意してください。料金一括シミュレーションでは最新月の燃料費調整単価をもとに試算できます。
ガス料金の比較
続いて、ガス料金を比較します。Looopガスは東京ガスと比較していくら安くなるのか、世帯人数別の平均使用量で試算します。
お得率と年間節約額 | 1人 月17m3 |
月31m3 |
月39m3 |
月40m3 |
Looopガス | -1.6% -639円 |
-2.6% -1587円 |
-2.5% -1823円 |
-2.5% -1853円 |
Looopガスは東京ガスと比較して2%前後安くなる料金設定です。
電気・ガスのセット契約での試算
電気・ガスをセット契約でまとめた場合の試算を紹介します。
お得率と年間節約額 | 20A / 月170kWh ガス:17m3 |
30A / 月348kWh ガス:31m3 |
40A / 月391kWh ガス:39m3 |
50A / 月437kWh ガス:40m3 |
Looopでんき | +4693円 | +777円 | -4319円 | -9310円 |
東京ガス | -1812円 | -6626円 | -8614円 | -10736円 |
東京電力の従量電灯B・東京ガスの一般契約プランからそれぞれ乗り換え、セット契約を適用した場合に年間で削減出来る金額の一覧です。
いずれの条件でも東京ガスのセット契約の方がトータルで「安い」と言えます。


サービスの違い
Looopでんき | 東京ガス | |
---|---|---|
初期費用 | 無し | 無し |
解約時の違約金 | 無し | 無し |
見える化 | あり データ更新は1日1回 |
あり データ更新は1日1回 |
付帯サービス | 駆けつけサービス | 無し |
支払い方法 | クレジットカード | クレジットカード、口座振替など |
東京ガスも以前は「駆けつけサービス」を提供していましたが、現行の「基本プラン」には無料付帯しません。
Looopでんきは電気のトラブル発生時に無料で応急対応を行う駆けつけサービスが付いています。使う機会は滅多に無いと思いますが、電気がつかない・コンセントが焦げ臭いといったトラブル発生時に、助かります。普段から電気工事屋さんと付き合いがある人も少ないと思うので、予め決まった連絡先があるだけでもメリットと言えると思います。


環境・エコは?
Looopでんきは再生可能エネルギーが26.3%、「その他」73.7%という電源構成を公表しています(2017年度実績)
対する東京ガスは、95%がLNG火力(天然ガス)、石炭と再エネが1%ずつ、その他3%となっています(2016年度実績)
CO2排出量 | 東京ガス | Looop |
---|---|---|
2020年度 | 364g | 349g |
2019年度 | 364g | 349g |
2018年度 | 398g | 349g |
2017年度 | 371g | 349g |
2016年度 | 382g | 349g |
環境省が公表した、「CO2排出係数」のデータです。1kWhの電気を供給するごとに、どれだけのCO2を排出するのかを表す数値です。
過去3年分のデータでは、Looopでんきの方がCO2排出量が若干少なく、環境負荷が小さいと言えます。ただし、東京ガスも東京電力と比較して排出量が少なく、また新電力会社の中でも環境負荷が小さな電気であると言えます。


特徴をまとめると・・
最後に、2社の特徴をまとめます。
東京ガスの電気
全国の新電力の中で最多300万件の契約件数(2022年4月時点)を獲得しています。自社グループで保有しているLNG火力発電所から約7割の電力を調達し、安定的な電力事業を目指しています。
電気代がLooopでんきよりも安く、また電気ガスのセット契約で見てもLooopより安くなる世帯が多いです。

Looopでんき
新規参入の新電力の中では健闘している注目のエネルギーベンチャー。中部電力から出資を受け、今後の展開にも注目が集まっています。
料金単価を値上げした上、2022年10月から電力の市場取引価格に連動して電気代が変動する仕組みを採用しており、電気代が高騰するリスクのある料金体系となっています。
