二人暮らしの電気代が安くなる電力会社は?
日本の世帯構成の31.8%を占める二人暮らし世帯。その電気代を安くできる「おすすめの」電力会社を、電力自由化の専門家として多数のメディア取材を受けてきた私が分かりやすく解説します。
目次
2人暮らしにおすすめの電力会社(地域別)
2人暮らし世帯の電気代が安くなる、おすすめの電力会社を地域ごとに紹介します。地域によって安くなる会社が異なるのでお住まいの地域の情報を確認してください(30A契約、月348kWhを2人暮らしの平均使用量として想定)
東北・関東・北陸・四国・九州ではENEOSでんき
上記のエリアでは、ENEOSでんきが安いです。2人暮らし世帯の平均使用量で大手電力の標準メニューと料金を比較します。
地域 | 削減率・年間削減額 30A・月348kWh |
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東北電力エリア | -3.6% -3946円 |
東京電力エリア | -6.4% -7237円 |
北陸電力エリア | -3.6% -3417円 |
四国電力エリア | -4.0% -4334円 |
九州電力エリア | -3.7% -3699円 |
上記は解約違約金が無い契約での試算です。途中解約で1100円の解約金が発生する2年契約にすることで、更に年間800円程度安くなります。
公式サイトではなく電気チョイスから申し込むと3000円分のキャッシュバックがあります。
関西では奈良電力
関西の2人暮らし世帯では、奈良電力が最安水準です。2人世帯の平均使用量で関西電力の標準メニューと料金を比較します。
エリア | 削減率・年間削減額 |
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関西電力エリア | -7.0% -7144円 |
初期費用・解約金が無い料金プランです。「奈良」という社名ですが、奈良県以外でも利用できます。
中部では東邦ガス
中部電力のエリアでは、東邦ガスの「ギフトでんきプラン」が最安水準です。2人世帯の平均使用量で中部電力の標準メニューと料金を比較します。
エリア | 削減率・年間削減額 |
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中部電力エリア | -6.0% -6725円 |
電気料金は中部電力と同じで、毎月2〜8%分のAmazonギフト券が還元される料金体系です。解約違約金・初期費用もありません。電気だけで契約できます。

北海道ではエネワンでんき
北海道電力エリアの2人暮らし世帯では、エネワンでんきの「エネワンLプラン」が最安水準です。2人世帯の平均使用量で北海道電力の標準メニューと料金を比較します。
エネワンでんきは他にもいくつかの料金プランを提供していますが、2人世帯では「エネワンLプラン」が安いです。

中国地方ではテラセルでんき
中国電力のエリアの2人暮らし世帯では、テラセルでんきの「超TERASEL中国A」が最安水準です。2人世帯の平均使用量で大手電力の標準メニューと料金を比較します。
エリア | 削減率・年間削減額 |
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中国電力エリア | -5.6% -5954円 |
初期費用・解約金が無い料金プランです。
沖縄ではマネーフォワード電気
沖縄ではマネーフォワード電気が最安水準です。2人世帯の平均使用量で沖縄電力の標準メニューと料金を比較します。
エリア | 削減率・年間削減額 |
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沖縄電力エリア | -3.0% -3415円 |
解約違約金や初期費用が無い点でもおすすめできます。マネーフォワード電気は家計簿アプリ「マネーフォワード」が提供している新電力サービスです。
オール電化の場合は
オール電化住宅の場合、上で紹介した電力会社に切り替えることで電気代がむしろ高くなってしまうケースが多いです。オール電化住宅では、必ず「オール電化プラン」を契約することをおすすめします。
オール電化プランについては以下の記事で詳しく解説しているので、こちらを参考にしてください。
夜間割引プランってどうなの?
共働きだと気になる夜間割引・深夜割引ですが、基本的にはおすすめしません。その理由を紹介します。
95%の世帯で割高になるという研究結果も
深夜割引の電気料金プランは、深夜の電気代が安くなる代わりに昼間(概ね朝6時〜深夜1時)の料金は通常のプランよりも割高に設定されており、京大の依田先生の研究では95%の世帯で「割高になった」というデータもあります。
共働きの場合は昼間は家を空けており、昼間の電気使用量を少なく抑えることが出来ますが、一方で電気の使用量は帰宅直後に大きく伸びる傾向があります。二人の帰宅時間が夜11時を過ぎるような生活パターンでなければ、深夜割引のメリットを享受することは難しいです。
深夜割引は深夜に電気が「余っている」ことの対策として設けられた仕組みです。原子力発電は発電量の調整が難しいため、原発がさかんに稼働していた時代は深夜に電気が余りやすい状況がありました。
しかし現在は多くの原発が停止し、代わりに需要に応じて発電量を調整出来る火力発電が主力となっているため、以前ほど深夜に電気が余らなくなっており、電力各社も深夜電力プランの深夜帯の料金を続々と引き上げているという状況です。