契約すると「寄付」が出来る電気料金プラン
電力自由化で登場した新電力会社の中には、電気料金の一定額を毎月「寄付」することで社会貢献できることを謳ったプランを増やす動きがあります。そうした料金プランを選ぶメリット・デメリットや、実際に契約できるプランを一覧で紹介します。
目次
電気を契約すると「寄付」ができる料金プランとは
まずはどのような仕組みなのか、メリット・デメリットの面から解説します。
毎月一定額を自動で寄付できる仕組み
「寄付ができる」電気料金プランは、支払った電気料金の中から一定額をNPO団体などに寄付できるというものです。
例えば1万円の電気代を支払った場合、その内の4%を新電力会社を通じてNPO団体などに「400円」寄付するといった形で寄付が行われます。
一度契約すれば、電気を使い続ける限りずっと半自動的に寄付を継続することが出来ます。何か活動を支援したい活動や団体に定期的に寄付をするのはハードルが高いと感じてしまいがちですが、電気の契約を切り替えるだけで継続的な寄付が出来ます。
なお、新電力会社に切り替えても停電が増えるといったことは一切ありません。手元に電気の「検針票」(請求書)があれば、契約手続きはネットで5分あれば完了します。その点でもリスクは無いと言えます。
料金は大手電力と「同等」が多い
「寄付」が出来る料金プランは、大手電力会社の標準的なプランである「従量電灯プラン」と同じ料金単価に設定されているものが多いです。つまり、支払う電気代もこれまでと同額か同等と言えます。
電気代の節約メリットが無い点はデメリットと言えますが、これまでと同じ負担で寄付が出来る点はメリットと言えるでしょう。また、自分で寄付をする場合と比べても「負担感」が小さいと思います。
寄付金控除の対象になる場合も
寄付が出来る電気料金プランの中には、寄付した金額を確定申告することで寄付金控除を受けられる場合もあります。寄付金控除の対象となれば税負担が軽くなります。
電気料金が同額でも、寄付金控除を使えば実質大手電力会社よりもトータルで「お得」になる場合もあります。個人だけでなく、法人の場合も一部損金に算入できる場合もあるので、節税のメリットがあります。
オール電化プランからの切り替えは注意
寄付が出来る電気料金プランとしては、今のところ「オール電化用」のプランはありません。
オール電化用のプランはオール電化住宅に最適な料金体系(深夜の料金が安い)となっているので、オール電化住宅が通常のプランに切り替えることで電気代が大幅に高くなる恐れがあります。注意してください。月に5千円以上割高になるケースもあり、それならば自分で寄付した方が遥かにメリットがあります。
社会貢献型料金プランの一覧
寄付が出来る電気料金プランを紹介します。
HTBエナジー MUSUBIプラン
HTBエナジーの「MUSUBI」プランは、電気料金の4.5%をNPO団体に寄付できる料金プランです。
寄付先は子供の人身売買撲滅に向けて活動している団体や、子供たちに学ぶ場を提供することを目指している団体などがあります。寄付額は寄付金控除の対象になるとしています。
電気代の支払いはクレジットカード払いの口座振替に対応しています。電気料金本体部分は各地域の大手電力標準プランと同水準ですが、卸電力取引所の電力取引価格の変動を転嫁する「電源調達調整費」によって電気代が高額になる場合もあるので注意してください。

どうぶつでんき
「どうぶつでんき」はひまわりでんきが始めた社会貢献型の電気料金プランです。
毎月の電気代から100円を公益社団法人日本動物福祉協会に寄付するとしています。寄付されたお金は「不幸な動物を助ける・つくらないための活動」に役立てられます。具体的には、保護動物の里親探しや、不妊去勢手術の推進などの活動を行っています。

テラ・ルネッサンスでんき
地雷除去や元子ども兵復帰支援などを行っている認定NPO法人テラ・ルネッサンスの電力です。契約することで電気代の2%が同NPOに還元されます。電力供給はhappy energy株式会社
電気料金は一人暮らしなど使用量が少ない場合は大手電力標準メニューより割高(関西は一人暮らしでも割安)、2人世帯の平均使用量では大手電力より数%割安な水準。

エネルギーファンディング
エネラボが提供している寄付金付き電力サービスです。寄付額に応じて電気代が変わります。
寄付額 | 電気代 |
---|---|
100円 | 大手電力より 5%安 |
電気代の3% | 大手電力より 2%安 |
電気代の5% | 大手電力と 同等 |
寄付先は動物愛護、子供、環境保護など100団体以上と多彩。寄附金控除の対象ではありません。