電気の「使い放題・定額プラン」

電気にも使い放題・定額プランはあるの?


 スマホでは当たり前にある「使い放題・定額」プラン。では、家庭の電気も使い放題のプランは存在するのでしょうか。全国446社の料金プランに目を通している私が解説します。



電気の定額使い放題プランの一覧


 まずは全国の新電力の料金プランの中から、「定額・使い放題」と言えそうなプランを紹介します。


定額を謳ったプランはある


 全国で家庭向けに電気を供給している会社は446社以上にものぼり、中には「定額」や「使い放題」を謳ったプランもあります。


会社名・プラン 内容
HTBエナジー
ママトクコース
毎日一定時間帯の料金が無料
※上限値あり
myでんき
まとめてプラン
毎月一定量まで定額
四国電力
首都圏、関西向け
毎月一定量まで定額
東京電力
プレミアム
毎月一定量まで定額
エルピオでんき
プレミアムA
毎月一定量まで定額
U-POWER 毎月一定量まで定額
スマートでんき 毎月一定量まで定額
中国電力
首都圏向け
毎月一定量まで定額

 「一定量まで定額」などの特色があるプランをまとめました。


どんなプランなの?


 一般的に、電気で「定額」を謳っているプランは例えば毎月300kWhまで定額の料金を設定していて、それを越えると使った量に応じて課金される仕組みになっています。


 例えば、myでんきの「まとめてプラン300」の場合、300kWhまでは一律7214円でそれを越えると1kWhあたり29.12円が発生します。


電気の定額プランのイメージ


 それに対しHTBエナジーのママトクコースは、毎日6〜8時(朝ママトク)もしくは19〜21時(ママトク)の時間帯は「無料」で電気を使えるというプランです。
 ただし、無料になるのは月間使用量の16.6%までという上限があります。


HTBエナジーの公式サイトを見る

定額プランのメリット・デメリット


 こうした定額の電気プランを選ぶメリット・デメリットを紹介します。


かえって割高になる場合も少なくない


 電気の使用量は同じ家庭でも、1年の中で大きく変動します。
 総務省統計によると、年間の平均を100とした場合、11月は82まで減る一方で2月には133まで増えます。


 定額の電気料金プランは月によって「定額」になる量を変更できないため、こうした年間の電気使用量の変動に上手く対応することができません。


 また、定額プランは一般家庭にとっては「やや多い」量まで一定額としていることが多いです。使用量が少なく、定額の量を使い切れない場合は料金が非常に高額になってしまうケースもあるので注意が必要です。


電気の定額プランは割高になる場合も多い


使用量が一定の場合はお得になることも


 一般家庭ではなかなか無いケースですが、年間を通じて毎月ほぼ一定量の電気を使っている人もいるかもしれません。


 定額プランは一定量ピッタリの使用量で使うととてもお得になる体系になっていることが多いです。なのでそのピッタリに上手く合う使用量で電気を使っている場合は、お得に使える可能性もあります。


 詳しくは当サイトの料金シミュレーションで確認してください。多数の「定額プラン」を掲載しています。


イメージする「使い放題」とはちょっと違うのは何故?


 電気の「定額プラン」を見て、「イメージしていたのと違う」と思った人も多いと思います。なぜこのような形になっているのか、電力会社側の事情を説明します。


電気とスマホの違い


 「使い放題」「定額」と言われて多くの人が思い浮かべるのはスマホの料金プランではないでしょうか。


 スマホの通信も電力も、契約者がたくさん使えば使うほどコストが掛かってしまうのは一緒です。しかし、既に存在する設備をユーザーに提供する通信会社と違って、電力サービスはユーザーが使う分だけ新しく電気を作る必要があります。


電気とスマホは性質が異なる


 電気の調達コストは、約8円/kWh程度です(卸電力取引所のスポット価格)
 更にその電気を家庭に届けるためには、9円程度の託送料金(電線に乗せて電気を届ける「送料」)が掛かります。


 地域や季節によっても大きく変動しますが、1kWhの電気を届けるには17円の原価が掛かります。この高い原価を考えると、スマホのような形の「使い放題」プランを作るのは難しいと言えるでしょう。




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