「一部市場連動型プラン」とは

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一部市場連動型プランとは


 一部の電力会社は「一部市場連動型」と呼ばれる特殊な電気料金プランを提供しています。どのようなものなのか、メリット・デメリットや注意点を紹介した上で、同プランを提供している電力会社を一覧で紹介します。



一部市場連動型プランとは


 まずはどのような料金プランなのか、概要を紹介します。


市場取引価格を一部反映する料金体系


電力の取引価格の1日の変動

電力の取引価格の1日の変動(2018年2月9日)

 多くの新電力は日本卸電力取引所というマーケットで調達した電力を顧客に供給しています。このマーケットでは、30分単位で指定の時間帯の「電力」が商品として取引が行われています。


 この取引価格に連動して、顧客が支払う電気料金が変動する料金プランを市場連動型プランと呼びます。一部の少数の新電力が採用しているプランです。


市場連動型プランとの違いは


 一般に「市場連動型プラン」というと、卸電力取引所の30分ごとの取引価格に応じて、30分ごとに刻一刻と電気料金が変動するものが該当します。一部市場連動型との違いは以下のとおりです(すべてが当てはまるわけではない)


市場連動型 一部市場連動型 一般的なプラン
基本料金 予め固定 予め固定 予め固定
電力量料金 30分単位で変動 予め固定 予め固定
調整単価 - 取引価格に応じて
月ごとに変動
燃料輸入価格に応じて
月ごとに変動

 一部市場連動型プランは、市場連動型プランとは異なり30分ごとに料金が変動しません。その代わり、取引価格に応じて月ごとに変わる「調整単価」が存在し、その取引価格と使用量に応じて電気料金が変動します。


 大手電力や一般的な新電力の料金プランにも「燃料費調整単価」という毎月変わる単価がありますが、これは燃料の輸入価格(「貿易統計」による)に応じて変動します。なお、一部市場連動型プランの中には燃料費調整単価による調整をあわせて行うものもあります。


一部市場連動型プランにはリスクとメリットがある


 一部市場連動型プランには、一般的な電気料金プランには無いリスクとデメリットがあります。


取引価格が高騰すると電気代が高額になる


 電力の取引価格は「高騰」することがあります。一般的な料金プランでは、取引価格が高騰しても電気料金には反映されませんが、一部市場連動型プランは電気料金に影響を与えます。


(調達単価−追加請求基準値)×使用電力量(kWh)×100%

 これはある新電力が提供している一部市場連動型プランの、市場連動部分の料金の計算方法です。通常の取引価格は平均8円前後ですが、高騰が長期間続いて100円になったとすると、調整単価は85円/kWhとなります(追加請求基準値を15円とする) 月300kWhの電力を使用する一般家庭では、1ヶ月に25500円の追加負担となります。それに加えて電気料金(基本料金+電力量料金)も別途8千円程度掛かります。


 取引価格の推移によっては、電気代が大手電力会社の数倍に膨れ上がるリスクがある、というのが一部市場連動型の最大のデメリットであり、リスクといえます。


2020年12月25日〜21年1月7日の取引価格(東京エリア)

高騰している2020年12月25日〜21年1月7日の取引価格(東京エリア)

取引価格が下がれば料金が安くなる場合も


 リスクがある一方、メリットとなる場合もあります。取引価格が安くなることで、電気代を割引く一部市場連動型プランもあります。ある一部市場連動型プランの割引額の計算方法を紹介します。


(還元基準値−調達単価)×使用電力量(kWh)×100%

 「調達単価」が「還元基準値」を下回った場合に、割引が行われます。ただし、還元基準値が比較的高めに設定されている場合は、割引が行われる頻度はかなり少なくなります。


 なお、全ての一部市場連動型プランが上記のような計算をするわけではありません。また、「調達価格」が取引価格の単純平均、加重平均ではない場合もあり、内容はプランによって異なります。


基本的にはデメリットの方が大きい


 取引価格は電気の使用量が増える季節(冷暖房需要が多い夏・冬)に高くなります。電気を多く使う季節に割引になる可能性は低く、一方で多く使う時期に高くなる可能性が大きいとも言えます。


卸電力取引所の取引価格のイメージ

卸電力取引所の取引価格のイメージ

 また、取引価格の平均は8円前後、下限は0.01円であるのに対し、1日ごとの平均が100円を連日超えて取引されたことも過去にあります(2021年1月) ダウンサイドよりもアップサイドの方が遥かに大きいため、「価格高騰」の発生頻度をどう見積もるのかにもよりますがメリットよりもデメリットの方が大きくなると言えるでしょう。


 ただし、一部市場連動型プランの中には調達価格の変動を数ヶ月遅れて反映するプランもあり、その場合は取引価格の推移を見て解約することもでき、デメリットを回避することが出来ます。


一部市場連動型の電気料金プランの一覧


 一部市場連動型プランを提供している新電力を一覧で紹介します。





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