【電力不足対策】節電プログラム対象の電力会社の一覧

電力不足対策の「節電プログラム」を全解説


 政府が実施予定の「節電プログラム」について、仕組みや実施対象となる電力会社を紹介します。



政府が実施予定の節電プログラムとは


 政府が実施する節電ポイント事業を解説します。


政府が2022年冬に実施予定


政府節電ポイントの目的


 政府が2022年6月に開催した「物価・賃金・生活総合対策本部」の初会合の中で、岸田首相が実施する計画を明らかにした政府の事業です。


 2022年冬に全国(特に東日本)で深刻な電力不足が懸念されていること。また資源価格の高騰により電気代が大幅に値上がり(燃料費調整額の上昇による)していることへの対策として打ち出された政策です。


 具体的には、2022年12月1日から2023年3月31日まで実施されます。参加期限は12月31日です。


仕組みは


 節電プログラムに参加した家庭に2000円相当分のポイント、高圧・特別高圧電力を使う企業に対しては20万円分のポイントを政府が補助します。


 それに加え、節電プログラムに参加した家庭が5%の節電をすることで更に追加で2000円相当のポイントを付与する案も検討されています(2022年8月4日時事通信)


 現在、ほとんどの電力計(電力メーター)は30分単位で使用量を計測できるスマートメーターと呼ばれるデジタル式のメーターに置き換えられており、このスマートメーターで計測したデータをもとに「節電」を判断します。


スマートメーター

スマートメーター

 前年同時期や直近の使用量などのデータから電力使用量の「見通し」を各ユーザーごとに算出し、その使用量を下回った場合に削減量に応じてポイントを付与します。電力会社からの「節電要請」は前々日や前日、あるいは直前(45分前など)に出されるので、ユーザーは通知された時間帯の電気使用量を削減することでポイント付与を得られます。あまり大きな声では言えませんが、前年同期間や節電プログラム実施期間前に電気をたくさん使っておけば「節電」を達成しやすいです。


 こうした取り組みはデマンドレスポンスと呼ばれ、日本国内でも数年前からいくつかの新電力会社などが電力需給が逼迫しやすい夏と冬の時期に契約者を対象に実施しています。


いくらもらえるの?


政府節電ポイントでいくらもらえる?


 政府が実施する節電ポイントによるポイント付与は、平均的な使用量の一般家庭で月数十円相当分と報道されています。1日あたり1円前後になるのではないでしょうか。


 当初の発表では上述の「月数十円相当」とされていましたが、批判を受けて節電プログラムに参加することで2000円相当のポイント付与を補助するという方針が追加で示されました。この部分は実際に節電を行っても行わなくても、節電プログラムに参加表明をするだけで付与されることになるでしょう。電力不足対策にはならないと言えますが、本政策のは物価高騰対策という側面もあるため、高騰する電気代への補助と捉えることが出来ます。


 政府の補助に加えて各電力会社でも独自に節電ポイントを提供する場合があります。例えばソフトバンクでんき契約者に対しSBパワーが2020年夏に実施したデマンドレスポンスの取り組みでは、1世帯あたり平均202円相当のポイントが付与されたと発表されています。政府の節電ポイントはこのような電力会社独自の節電ポイントに上乗せされる形でも付与されます。


 7月15日時点での新着情報として、2022年冬シーズンにおいて1ヶ月あたり前年比5%以上節電した家庭について2000円分のポイントを付与するという報道も出ています。


参加すると「損する」ケースも多い


 節電ポイントプログラムには大きな落とし穴があります。


 現在、燃料の輸入価格が高騰しており、毎月の電気料金に転嫁される燃料費調整が高騰しています。大手電力の標準メニュー(従量電灯)ではこの燃料費調整に上限が設けられていますが、大手電力の新しいプランや多くの新電力はこの上限を設けていません。


燃料費調整単価
2023年1月分
電気代の差
月300kWh
上限あり 上限無し
北海道電力エリア 3.66円/kWh 9.91円/kWh 6.25円/kWh 1875円
東北電力エリア 3.47円/kWh 13.41円/kWh 9.94円/kWh 2982円
東京電力エリア 5.13円/kWh 12.99円/kWh 7.86円/kWh 2358円
中部電力エリア 5.36円/kWh 12.30円/kWh 6.94円/kWh 2082円
北陸電力エリア 1.77円/kWh 9.90円/kWh 8.13円/kWh 2439円
関西電力エリア 2.24円/kWh 10.91円/kWh 8.67円/kWh 2601円
中国電力エリア 3.19円/kWh 15.02円/kWh 11.83円/kWh 3549円
四国電力エリア 2.55円/kWh 11.60円/kWh 9.05円/kWh 2715円
九州電力エリア 1.94円/kWh 8.17円/kWh 6.23円/kWh 1869円
沖縄電力エリア 3.98円/kWh 18.49円/kWh 14.51円/kWh 4353円

 大手電力は新しいプラン(燃料費調整に上限が無い)のみ節電ポイントの対象としている場合もあります。2000円分のポイントが付与されても、燃料費調整で損するケースもあるので注意してください。新電力に関しても同様に、燃料費調整に上限が無いプランは大手電力従量電灯より割高になっているケースが少なくありません。


 燃料費調整に上限が無い料金メニューを契約している場合は、節電ポイントを貰うよりも大手電力従量電灯に切り替えることをまず優先してください。大手電力従量電灯は2023年4月に相次いで値上げが予定されていますが、それまでは割安に使うことが出来ます。現在の燃料費調整の水準では、燃料費調整に上限が無い全ての料金プランが大多数の一般家庭において、大手電力従量電灯よりも大幅に割高になっています。


大手電力従量電灯の対応状況


 大手電力の「従量電灯」の政府節電プログラムへの対応状況をまとめます。


電力会社 対応 備考
北海道電力 対応 ほくでんエネモールへの登録必要
東北電力 対応 よりそうeねっとへの登録必要
東京電力 対応 くらしTEPCO webへの登録必要
中部電力 対応 NACHARGE、カテエネへの登録必要
北陸電力 対応 ほくリンクへの登録必要
関西電力 対応 はぴeみる電への登録必要
中国電力 対応 申請フォームから登録
四国電力 対応 よんでんコンシェルジュへの登録必要
九州電力 対応 九電Web明細サービスへの登録必要
沖縄電力 対応 おきでんmore-Eへの登録必要

 Webの会員サイトへ登録した上で、節電プログラムへの参加申請を行うことで参加出来ます。参加申し込みは2022年12月31日までです。


政府節電プログラム対象の電力会社の一覧・料金比較


 政府節電プログラム対象であることが資源エネルギー庁から発表された電力会社の料金を比較できます(大手電力従量電灯との料金比較)


計算方法の詳細




注意
料金一括シミュレーションは2022年12月分の燃料費調整単価による試算値です(再エネ賦課金を含まず) 電源調達調整費を含む料金プラン(「料金高騰リスクあり」と注記)については電源調達調整費を含んでいないため、試算値より大幅に割高になるリスクがあります。また、燃料費調整に上限を設けていないプランは今後の燃料価格の推移によっては割高になるリスクがあります。


独自の節電ポイントがある電力会社の一覧


 独自の節電ポイントを提供する、提供予定の電力会社を一覧で紹介します(各社発表に基づく、2022年夏実施予定)


電力会社・サービス名 備考
大手電力
東京電力エナジーパートナー 1kWh節電で5節電ポイント
自由化向けプランが対象
中部電力ミライズ 1kWh節電で10ポイント
NACHARGEという取り組み
ポイントプラン、
おとくプランなどが対象
九州電力 九電ecoアプリ利用者が対象
新電力
ソフトバンクでんき エコ電気アプリ
エネワンでんき yOURに参加 関東4都県が対象
ENEOSでんき yOURに参加 関東4都県が対象
東急でんき yOURに参加 関東4都県が対象
小田急でんき 関東エリア
東京ガス
大阪ガス

 「yOUR」はソフトバンク系のSBエナジーが各社と組んで提供する節電プラットフォームです。電力需給が逼迫する時間帯(LINE公式アカウントで通知される)に指定のスポットに行きチェックインすることでPayPayポイントがもらえるという取り組みです。


 過去にシン・エナジーLooopでんき東京ガスHTBエナジーなども節電ポイントのような取り組みを実施したことがあります。


 新電力への切り替えには通常、1ヶ月程度の時間を要します。政府節電ポイントの付与を受けたい場合は、申込期限まで少なくとも1ヶ月以上あることを確認した上で電力会社を切り替える手続きを行うことをおすすめします。




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