電力自由化で人気を集める新電力に共通する特徴は?

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電力自由化で人気の新電力に共通する点は?


 電力小売の完全自由化から早くも2年。家庭向けに全国で100社以上が参入して激しい競争が繰り広げられています。では、消費者はどのような会社を選んでいるのでしょうか。経産省の統計や当サイト独自のデータを交えながら、「選ばれている」会社の共通点を紹介します。



そもそも人気なのはどこ?


 電力自由化で人気を集めている新電力については、経産省が発表した低圧電力の販売量シェアのデータが参考になります。実際に販売した電気の量を集計したものです。



 2017年4月時点の集計値です。


人気を集める新電力の特徴


 では本題に入りましょう。電力自由化で契約数を伸ばしている新電力には、どのような特徴があるのか。その共通点を紹介します。


営業力でゴリ押し


 シェア上位10社は、いずれも従来から多くの顧客と何らかの接点を持っていた企業です。


 例えば大東エナジーは全国の「大東建託」の賃貸物件の入居者、エネワンでんきはプロパンガスで80万世帯・宅配水で12万世帯の顧客を抱えています。


 こうした企業は電力自由化への参入とあわせて、既存の顧客にむけて新電力サービスを猛烈に売り込みました。
 例えばauでんきの場合は、auショップにスマホの契約のために訪れたお客さんにauでんきを説明したり、東京ガスならガスの開栓作業の帰り際に「電気も始めたのでお願いします」とチラシを置いていくといった営業活動を行いました。


営業力が契約獲得に重要


 上位10社を見ると、料金に競争力があるのは数社に限られます。多くの会社は比較サイトなどで料金を比較されると、選択肢にすら入らないようなところばかりです。


 その点からも、「営業力の強さ」が契約数獲得にとても重要な要素であることが分かります。


大企業ならではの安心感


 上位10社は既存の顧客を多く抱えていることとも関連しますが、多くの人がその名を知る「大企業」ばかりです。


 電力自由化では、切り替えにあたって「電気の安定供給」や「顧客対応」といった点に不安を感じ、切り替えをためらう人が多くいます。電力・ガス取引監視等委員会が実施したアンケート調査でも、切り替えを行わない理由として28.6%が「なんとなく不安」というのを挙げています。


 実際にはどの新電力と契約しても、停電が増えたり電気の質が変わるということは「無い」ような形で制度が組まれているわけですが、そう言われても不安を感じるのは仕方の無いことでしょう。


大企業という安心感は必要


 私自身も、電力自由化スタート当初は「なんとなく安心」という理由から、最安の会社ではなくENEOSでんきを選んだ経験がありますが、大企業ならちゃんと供給してくれるだろうという安心感も、契約を伸ばす上で必要な要素の一つになっていると言えそうです。


 その逆を言うと、名前も聞いたことが無いような会社は「なんとなく不安」ということで、料金が安くても契約をためらってしまう消費者が多いようです。まあ実際、顧客対応に難のある会社も無くはないので、その選択は必ずしも間違ってはいないですが。


わかりやすい料金プラン + 低料金


 トップ10には入っていませんが、冒頭で引用した経産省出典の資料ではLooopでんきが11位にランクインしています。


 この会社は創業が2011年のエネルギーベンチャーで、大企業でも無ければ既存の顧客もいない段階からスタートして6万件を越える契約を獲得しています。上位10社と比べると「異色」の存在と言えるでしょう。


 Looopでんきは特徴的な料金プランを武器に契約を伸ばしています。


looopでんきの料金プラン


 「基本料金が0円」で、一律単価の電力量料金が加算されるというわかりやすいプランを採用しています。他のほとんどの新電力は、これまでの大手電力会社のプランを踏襲して「基本料金+3段階で変わる電力量料金単価」という構成です。
 それに加え、当サイトのような比較サイトのシミュレーションで「上位」に入る低料金を実現しています。


 この分かりやすく、安いプランが消費者に「うける」と気づいた数社の競合企業が、Looopでんきに「そっくりな」プランを発表し、追随する動きを見せています。




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