ドコモでんきのメリット・デメリット

ついに開始。ドコモでんきのメリット・デメリット

運営会社 ドコモ 電力調達 NTTアノードエナジー
供給エリア 沖縄・離島除く全国 契約条件 特に無し

ドコモでんきの特徴


 2016年から電力自由化に参入していたソフトバンク、auから遅れること6年。2022年3月からサービス提供が始まるのが「ドコモでんき」です。


 ドコモのスマホ契約者がお得になるセット割引や、dカードGOLDとのセット割引を提供しているのが特徴です。他社の料金サービスと比較しながら、メリット・デメリットを分かりやすく解説します。


公式サイト

料金プランとサービスの解説


乗り換えでいくらお得になる?


 乗り換えで、電気料金がどれくらい安くなるのか。
 世帯人数別に、平均的な電気使用量で大手電力会社の標準的なプランである「従量電灯」と比較します。なお、下記の試算には燃料費調整を含めていません。


お得率と年間節約額
1人
20A / 月170kWh
2人
30A / 月348kWh
3人
40A / 月391kWh
4人
50A / 月437kWh
北海道電力エリア
Green
+5.3%
+3231円
0%
-34円
-0.7%
-1018円
-1.2%
-2057円
東北電力エリア
Green
+7.5%
+3730円
+0.9%
+985円
+0.1%
+117円
-0.5%
-797円
東京電力エリア
Green
+7.1%
+3662円
+0.7%
+825円
0%
-48円
-0.6%
-972円
中部電力エリア
Green
+6.9%
+3612円
+0.8%
+899円
+0.1%
+75円
-0.5%
-795円
北陸電力エリア
Green
+8.9%
+3973円
+1.8%
+1684円
+0.9%
+1002円
+0.2%
+281円
関西電力エリア
Green
+8.8%
+3947円
+1.4%
+1370円
+0.6%
+696円
0%
-24円
中国電力エリア
Green
+8.3%
+3876円
+1.1%
+1154円
+0.4%
+460円
-0.2%
-282円
四国電力エリア
Green
+8.0%
+3826円
+1.0%
+1111円
+0.3%
+395円
-0.3%
-370円
九州電力エリア
Green
+8.5%
+3902円
+1.4%
+1420円
+0.6%
+646円
-0.1%
-170円

 非化石証書を利用することで、CO2排出量を実質ゼロとした料金プランです。環境配慮型である分、電気代は「Basic」よりも割高に設定されています。


 大手電力の標準メニューと同額の料金単価で、そこに+月500円。そこから税抜の電気代に対して1〜6%が還元される料金体系です。


お得率と年間節約額
1人
20A / 月170kWh
2人
30A / 月348kWh
3人
40A / 月391kWh
4人
50A / 月437kWh
北海道電力エリア
Basic
-2.7%
-1661円
-2.7%
-3620円
-2.7%
-4210円
-2.7%
-4834円
東北電力エリア
Basic
-2.7%
-1361円
-2.7%
-3008円
-2.7%
-3529円
-2.7%
-4078円
東京電力エリア
Basic
-2.7%
-1402円
-2.7%
-3104円
-2.7%
-3629円
-2.7%
-4183円
中部電力エリア
Basic
-2.7%
-1432円
-2.7%
-3060円
-2.7%
-3554円
-2.7%
-4077円
北陸電力エリア
Basic
-2.7%
-1215円
-2.7%
-2589円
-2.7%
-2998円
-2.7%
-3431円
関西電力エリア
Basic
-2.7%
-1231円
-2.7%
-2777円
-2.7%
-3182円
-2.7%
-3614円
中国電力エリア
Basic
-2.7%
-1274円
-2.7%
-2907円
-2.7%
-3323円
-2.7%
-3769円
四国電力エリア
Basic
-2.7%
-1304円
-2.7%
-2933円
-2.7%
-3362円
-2.7%
-3822円
九州電力エリア
Basic
-2.7%
-1258円
-2.7%
-2747円
-2.7%
-3212円
-2.7%
-3702円

 大手電力の標準メニューと同額の電気料金に、約0.5〜1%のポイント還元が行われることで値引きされる料金体系です。ポイント還元は税抜の電気料金に対して行われます。


 上記の試算には燃料費調整を含めていません。ドコモでんきは燃料費調整の上限を廃止することを発表したため、今後電気代が急上昇し大手電力従量電灯プランよりも電気代が高くなります。燃料費調整を廃止した後の料金イメージは以下の料金一括シミュレーションで確認できます。


 燃料費調整の上限については以下の記事で詳しく解説しています。


公式サイト

解約時の違約金は?


 解約金はありません。また初期費用もありません。


支払い方法は?


 回線契約者は通信料金と一緒に、回線契約が無い人はカード払いのみ対応しています。


公式サイト

ドコモでんきの評価


 


ポイント還元の仕組みには注意が必要


 ドコモでんきはdポイントによるポイント還元が最大の特徴と言えますが、そこには注意すべき点があります。


ドコモでんき
Green
ドコモでんき
Basic
回線契約者 dカードGOLD会員 6% 1%
dカードGOLD無し 3%
回線契約無し 1% 0.5%

 2023年春以降は上記のポイント還元率が適用されます。


 他の新電力でも電気代に対してポイント還元を行っている会社は少なくありませんが、税込みの電気料金に対してポイント還元を行っているものが多いです。それに対しドコモでんきでは、税抜の電気料金に対してポイント還元が行われるため、税込ベースで見るとポイント還元はやや低下します。


 料金を比較する際に注意が必要なポイントです。


公式サイト

燃料費調整の上限廃止 大手電力より高くなる


 これまでドコモでんきは大手電力従量電灯と同様に燃料費調整に上限を設けていました。ですがその上限を廃止することを2022年9月30日に発表しました。


燃料費調整単価
2023年3月分
電気代の差
月300kWh
上限あり 上限無し
北海道電力エリア 3.66円/kWh 9.69円/kWh 6.03円/kWh 1809円
東北電力エリア 3.47円/kWh 12.99円/kWh 9.52円/kWh 2856円
東京電力エリア 5.13円/kWh 11.69円/kWh 6.56円/kWh 1968円
中部電力エリア 5.36円/kWh 11.28円/kWh 5.92円/kWh 1776円
北陸電力エリア 1.77円/kWh 10.13円/kWh 8.36円/kWh 2508円
関西電力エリア 2.24円/kWh 10.54円/kWh 8.30円/kWh 2490円
中国電力エリア 3.19円/kWh 14.99円/kWh 11.80円/kWh 3540円
四国電力エリア 2.55円/kWh 11.74円/kWh 9.19円/kWh 2757円
九州電力エリア 1.94円/kWh 8.22円/kWh 6.28円/kWh 1884円
沖縄電力エリア 3.98円/kWh 18.87円/kWh 14.89円/kWh 4467円

 2023年3月分の燃料費調整の水準では、全国のすべての地域のほとんどの契約者でドコモでんきは大手電力従量電灯よりも電気代が高くなります。今回の値上げについては以下の記事で詳しく解説しています。


環境面・エコ


 ドコモでんきはNTTグループの新電力であるNTTアノードエナジーが供給を行います。電源構成などは公表していないため、詳細は不明です。ドコモでんきGreenについては、非化石証書という仕組みを利用することでCO2排出量を実質ゼロとします。


公式サイト

BasicとGreen、どちらを選ぶべきか


 実は条件によってはBasicよりもGreenの方が安くなる場合もあります。どちらを選ぶべきか、簡単な判断基準をお示しします。


ドコモ回線契約中
dカードGOLD無し
Basic
ドコモ回線契約中
dカードGOLDアリ
1人暮らしはBasic
2人以上世帯ならGreen
ドコモ回線無し あえて言えばBasic

 ドコモ回線契約中・dカードGOLD会員の場合、BasicよりもGreenの方が安くなるケースがあります。一人暮らしの使用量ではBasicの方が断然安いですが、2人以上の世帯ではGreenの方が安くなる可能性が大きいです。


 いずれの条件とも、当サイトの電気料金一括シミュレーションで確認出来るのでご自宅の使用量を入力して確認してみてください。dカードGOLDは年会費が11000円掛かるので、わざわざ新たに申し込むメリットは小さいです。


政府節電プログラム対象(2000円分)


 「節電プログラム」に参加することで2000円分のポイントが付与される政策が2022年冬に実施されます。ドコモでんきの公式サイト上ではまだ正式にアナウンスされていませんが、資源エネルギー庁のサイト上では既にNTTドコモが「採択事業者一覧」として掲載されています。ドコモ公式サイトのQ&A でも「今冬に向けて、同ポイントプログラムへの対応を準備中です」と説明されており、ドコモでんきも対象に含まれる見通しです。


 節電プログラムは参加するだけでもポイントがもらえる政策なので、冬までにこの政策の対象の料金プランに切り替えておくとお得です。


新規申込受付け停止


 ドコモでんきは2022年11月8日から新規申込受付けを停止しています。


 停止の理由として、世界的なエネルギー価格高騰により電力調達の先行きが不透明になったため、と説明しています。2022年下半期現在の日本国内の電力取引価格は、燃料価格の高騰により高止まりが続いており、ドコモでんきのように電気を販売している会社にとって「原価割れ」となりうる状況です。


 この状況は当面の間続くことが予想されており、ドコモでんきに限らずほぼ全ての大手電力会社・新電力会社が苦境に陥っています。2023年春には大手電力各社の値上げと新電力の追随値上げがあるので、そのタイミングでドコモでんきも値上げをした上で新規受付を再開するかもしれませんが受付開始は「未定」となっています。


公式サイト

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