オール電化で安い電力会社は?
電気を多く使うオール電化住宅。その高い電気料金を安くできる電力会社を紹介します。なお、乗り換えるとかえって電気代が割高となるプランも少なくないので、注意点もあわせて解説します。
目次
新電力のオール電化プランの一覧
新電力のオール電化プランを紹介します。なお、大手電力会社のオール電化プランは2016年頃を機にがらりと内容が変わっているため、それ以降のプランに対応しているものと、それ以前のものに対応しているものを分けて紹介します。
大手電力の現行オール電化プラン相当
主に2016年以降に契約した、大手電力会社の「現行の」オール電化プランに対応している新電力のプランを紹介します。
会社名 | 供給地域 | 料金水準 (大手と比較して) |
---|---|---|
Looopでんき | 全国 ※離島・沖縄除く |
安い |
出光昭和シェル | 全国 ※離島・沖縄除く |
安い |
JCOMでんき | 全国 | 安い |
イデックスでんき | 九州 | 安い |
熊本電力 | 九州 | 安い |
CDエナジーダイレクト | 関東 | 安い |
九電みらいエナジー | 関東 | 安い |
エルピオでんき | 関東 | 高い |
千葉電力 | 関東 | 高い |
坊っちゃん電力 | 四国 | 高い |
乗り換えることで電気代が明らかに割高となってしまう「オール電化プラン」も少なくありません。新電力の公式サイトでは、大手電力の非オール電化プランを比較対象として「安くなる」と宣伝している例もあり、注意が必要です。
この中ではLooopでんきの「スマートタイム」がおすすめです。他社のオール電化プランを圧倒しています。平均的な世帯で、大手電力と比較して年間1〜3万円の節約になります。他社ではせいぜい数千円程度の削減に留まります。

大手電力の過去のオール電化プラン相当
2016年頃に新規契約受付が終了した、「過去の」オール電化プランに対応しているプランを紹介します。過去のオール電化プランは特に深夜の料金単価が大幅に安く設定されているため、これまでは新電力がそこにアプローチすることが出来ていませんでしたが、2020年に入り徐々に対応プランが増えつつあります。
会社名 | 供給地域 | 料金水準 (大手と比較して) |
---|---|---|
HTBエナジー | 東北・関東・中部・関西 中国・四国・九州 |
安い ※高くなる場合もある |
Looopでんき | 全国 ※離島・沖縄除く |
安い ※高くなる場合もある |
熊本電力 | 九州 | 安い |
大手旅行代理店HIS系のHTBエナジーのオール電化プラン「ぜんぶでんき」は、大手電力の過去のオール電化プランと比較して料金単価が安く設定されています。時間帯の区切りも大手電力に準じているため比較がしやすいです。
なお、このプランは基本料金の決め方が大手電力とは異なるため、使い方によっては大手電力より割高となる場合も無いわけではありませんが基本的には安くなるのでおすすめです。
Looopでんきのオール電化プランは、時間帯の区切りが大手電力とは異なるため、場合によっては割高となるケースもあるため積極的には推奨しませんが、HTBエナジーよりも安くなるケースも少なくありません。
熊本電力のオール電化プランは、九電の「季時別電灯」「時間別電灯」からの切り替えで料金が安くなる料金プランです。年間で数千円〜程度の節約になります。解約違約金が掛からない、また基本料金の決め方も九電と同じで料金比較がしやすいため、九州ではHTBエナジーよりも熊本電力がおすすめです。


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オール電化住宅が電力会社を選ぶ際の注意点
オール電化住宅が電力自由化で電力会社を選ぶ際の注意点をまとめます。
かえって割高になるケースもある
記事前半でも紹介しましたが、オール電化住宅が新電力の「オール電化プラン」に切り替えることで、電気代がかえって割高になるケースがあります。明らかに割高な料金単価が設定されたプランも珍しくありません。
新電力の公式サイトでは、大手電力会社の非オール電化プランと比較して、自社の「オール電化プラン」が安くなると宣伝している例もあります。こうした試算を見る場合は、比較対象が何なのかよく確認する必要があります。
また、主に2016年をもって新規契約を終了した「過去の」オール電化プランは、大手電力会社の現行のオール電化プランと比較して深夜の料金単価が大幅に安いのが特徴です(昼間は逆に現行プランの方が安い)
大手電力の過去のオール電化プランから、大手電力の現行のオール電化プランあるいは新電力の「大手電力現行オール電化プラン相当のプラン」に切り替えると電気代が大幅に高くなるケースが少なくないので注意が必要です。
新規契約受付を終了したプランは、一度解約すると二度と戻れません。特に慎重に検討する必要があります。ただし、上で紹介したように関東や九州では、過去のオール電化プラン相当で「安くなる」新電力のオール電化プランも登場しており、状況が変わりつつあります。
非オール電化プランへの切り替えは非推奨
新電力のオール電化プランはまだ数が少なく、競争が盛り上がっていないと言わざるを得ません。一方、非オール電化の一般住宅向けのプランは当サイトで紹介しているだけでも409社、4258プランあり、競争が非常に激しく行われています。
では、オール電化住宅が非オール電化住宅向けのプランに切り替えた場合どうなるのかというと、電気代がかえって割高になるケースが少なくありません。例えば一般住宅が契約すると東電(従量電灯C:一般住宅用の標準的なプラン)よりも年間13913円安くなるENEOSでんきは、オール電化住宅が契約すると東電のオール電化プラン(スマートライフ)よりも年間18216円も割高です(いずれも10kVA契約、月450kWhで試算)
社名・プラン名 | 電気料金(月) |
---|---|
東京電力「スマートライフ」 (現行のオール電化プラン) |
12697円 |
ENEOSでんき | 13438円 |
ソフトバンクでんき | 14368円 |
東京電力「従量電灯C」 (一般住宅用の標準プラン) |
14598円 |
オール電化プランは、深夜にお湯を沸かすエコキュートや電気温水器を効率よく使うために深夜の電気料金が大幅に安く設定されています(逆に昼間は割高) 深夜に割安な電気が使えなくなるため、一般向けプランでは割高となるケースが多いです。