オール電化の活用が家庭のCO2排出量を減らせる可能性
「オール電化」を活用することで、家庭のCO2排出量を減らすことが出来る可能性があります。そのように言える理由を、分かりやすく解説します。
目次
CO2排出量の削減がしやすいオール電化住宅
オール電化がCO2排出量削減に貢献出来ると言える理由を解説します。
ガスより排出量削減がしやすい電気
ガス(都市ガス・プロパンガス)は天然ガスなどを原料としており、燃焼することでCO2が発生します。排出権でCO2排出を相殺する形で「CO2フリー」を達成した都市ガスの販売も既に行われていますが、ガス自体の排出量をゼロとすることは困難と言えます。
それに対し家庭で使われる電力は、再生可能エネルギーや原子力発電を利用することで、排出権などを利用せずとも排出量を削減することが可能です。その点で、CO2排出量の削減余地が大きく、削減がしやすいと言えます。
家庭の排出量の13.1%が「ガス」
温室効果ガスインベントリオフィスの資料によれば、家庭のCO2排出量の13.1%はガス(都市ガス+プロパンガス)に由来するものだと言われています。オール電化住宅ではガスを使わないため、この分の排出量がゼロとなります。
反面、電力の使用量はガスを使う家庭と比べて大きくなりますが、CO2排出量が少ない、あるいは排出量ゼロの電力を使用することで、オール電化住宅の方がよりCO2排出量を大きく削減出来る可能性があると言えます。
VPPへの取り組みにも参加しやすい
家庭で排出するCO2排出を削減できることに加え、社会全体でのCO2排出量を削減することにも貢献できる可能性があります。
VPP(仮想発電所)とは
既に日本国内でも一部で取り組みが始まっている「VPP」(仮想発電所)と呼ばれる仕組みがあります。VPPとは、電力の需給を制御することで、電力を効率的に使うことを目指す仕組みです。
昨今、九州などでは太陽光発電が「増えすぎた」ことで、せっかく太陽光発電でつくられた電力を捨ててしまう「出力制御」という措置が春や秋に頻繁に実施されています。需要に対して供給量が多すぎるため、停電を防ぐために必要な措置です。
VPPを活用することで、太陽光発電の電力が余るタイミングでVPPと連携した機器に指令を送り、電力の需要を増やすことで電力を「吸収」するといったことが可能となります。逆に、電力が不足するタイミングで蓄電池などに貯めた電力を放電してもらうといったことも可能です。
オール電化住宅の給湯器はVPPに組み込みやすい
オール電化住宅では、エコキュートや電気温水器といった「電気でお湯を沸かす」給湯器が設置されています。これらの機器はVPPでの活用が期待されています。
例えば太陽光発電の発電量が多く、出力制御が実施されてしまうタイミングでエコキュートや電気温水器でお湯を沸かしてもらうことで、電力の需要を増やすことができ、出力制御の実施を減らすことが出来る可能性があります。
エコキュートや電気温水器は沸かしたお湯を大きなタンクに貯めておく仕組みであるため、沸かしたお湯は後で給湯に有効活用されます。
既に中部電力などがエコキュートを活用したVPPのような取り組みを実用化しており、対応機器が少ないため活用が拡がっているとは言い難いものの、実用化されている段階にあります。
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