オール電化に非対応の新電力会社が多い意外な理由

オール電化に対応していない新電力が多い理由とは


 電力自由化では各家庭が自由に電力会社を選んで乗り換えが出来るようになりました。しかし乗り換えの受け皿となる新電力では、オール電化住宅に対応していないところが目立ちます。その理由を分かりやすく解説します。



大手新電力は軒並みオール電化に非対応


 まずはオール電化に対応していない新電力が「多い」と言える現状を簡単に紹介します。


 2019年5月の低圧電力販売実績で上位20社の新電力を見てみると、内17社にはオール電化プランがありません。オール電化プランを用意している3社はいずれもジェイコムの系列(地域によって販売会社が別れている)となっています。


 また、唯一対応しているジェイコムに関しても、オール電化プランを追加したのは2018年4月なので、電力自由化への参入から2年遅れての投入です。


オール電化に対応していない新電力が多い理由


 なぜオール電化に対応している新電力会社が少ないのか。その理由を具体的に解説します。


ベースロード電源を持っていない


 オール電化プランは夜間の電気料金の単価を安く、昼間を高く設定しています。これは「夜間に電気が余っている」状況があり、その余っている電気を使ってもらうことを促すための料金体系です。


 天然ガスや石油の火力発電は需要に応じて発電量を調節することが容易で、需要が少ない時間帯は発電量を絞ることが可能です。それに対し原子力発電や石炭火力、水力発電などのベースロード電源は一定の発電量を保って発電し続けるのが一般的であるため、そうした発電所を抱えている大手電力会社は夜間に電気が余りやすくなります。


石炭

オール電化プランにはベースロード電源が必要

 一方、新電力はベースロード電源の発電所を持っていないため、夜間に電気を安く調達することが出来ません。それが新電力にオール電化プランが無い大きな原因となっています。


 新電力はそもそも発電所を持っていないか、持っているところでもベースロード電源ではないLNG火力発電が多いです。冒頭で紹介したジェイコム電力は、関連会社で石炭火力発電所を抱えており、そこから電気を安定的に調達することでオール電化プランを実現しました。


原発

原発を持つ新電力は存在しない

マーケットが小さい


 新電力がオール電化プランの投入に消極的な理由としては、マーケットの大きさという点もあります。


 日本では約1割の世帯がオール電化を利用しています。オール電化プランはその1割の世帯に対してのみ、需要のある「商品」です。一般のプランと比べると必要としてくれるお客さんの数が少ない点も、オール電化プランの拡充の妨げとなっているのではないでしょうか。


 オール電化プランを提供している新電力によると、オール電化プランの申し込みは全体から見て非常に少ないとの声も聞かれます。


シェアが大きい新電力はガス会社が多い


 シェアが大きい新電力には「ガス会社」が多い点も原因として指摘できます。上位20社のうち、4社が大手都市ガス。更に3社がプロパンガスを手掛けています。また、大手都市ガスの出資比率が大きい1社も含めると、20社中8社が「ガス関連」の会社となります。


IHコンロ

ガス会社はオール電化ユーザーとの接点が無い

 ガス会社にとってオール電化が「商売敵」である点は指摘するまでもありません。ですが、注目すべき点は販売面の問題です。


 シェア上位の新電力はいずれも、通信やガスなど既存のサービスのお客さんに対して「電気」を提案して契約を伸ばしています。しかしガス会社の場合、オール電化のお客さんとの接点が無いため、営業を掛けることが出来ません。オール電化プランを用意しても、必要としてくれるお客さんに届けることが出来ないというわけです。


参入企業が無いわけではない


 参入企業は少ないものの、オール電化プランを提供している新電力も無いわけではありません。大手電力よりも割高になる新電力もあるので注意が必要ですが、乗り換えることで電気代が安くなる新電力もあります。


 以下の記事で詳しく解説しているので、オール電化プランの乗り換えを検討してみてください。




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