一人暮らしのオール電化住宅で安くなる電力会社は
一人暮らしのオール電化住宅でも、電力会社を切り替えることで電気代が安くなる場合があります。安い電気料金プランや、選ぶ際の注意点を分かりやすく解説します。
目次
注意!乗り換えで大幅に割高になるケースも
まずはオール電化住宅で電力会社を選ぶ際の注意点を紹介します。
非オール電化プランへの切り替えはNG
「オール電化住宅」で、オール電化用の料金プランを利用できる場合は、オール電化用のプランを使った方が電気代が圧倒的に安くなります。
オール電化住宅が「安い新電力」の非オール電化プランを利用した場合、大手電力会社のオール電化プランと比較して年間で1万円2万円と大幅に割高になるケースが多いです。オール電化は夜間に電気を使ってまとめてお湯を沸かしてタンクに貯めておく給湯システム(エコキュートや電気温水器)をキーとしているので、夜間の料金単価がうんと安いオール電化プランを選ばないと割高になります。
なお、「ガスコンロが無い=オール電化」と勘違いしている例がよくありますが、給湯などでガスを使っている場合は「オール」電化住宅ではありませんし、オール電化プランは使えません。その場合は以下の記事を参考にしてください。
オール電化プランでも割高になるケースも
電力自由化で参入した新電力の中には「オール電化プラン」を謳ったプランを提供しているところが少なくありませんが、中には大手電力会社のオール電化プランと比較して明らかに割高になるものも珍しくないです。
公式サイトに「安くなる」と書いてあっても、比較対象が大手電力の「非」オール電化プランとなっている例が目立ちます(詐欺に近いのでは、と思います) 契約する際は、大手電力会社のオール電化用プランと比較して安くなる電力会社を選びましょう。
一人暮らしのオール電化で安い料金プランは?
以上の注意点をふまえて、ちゃんと安くなるオール電化プランを紹介します。
関東ではCDエナジー
東京電力エリアのオール電化住宅では、CDエナジーのオール電化プラン「スマートでんき」がおすすめです。
基本料金単価、電力量料金単価ともに東電のオール電化プラン(スマートライフS・L)と同額で、ポイント還元の1%分、電気代が安くなります。燃料費調整も東電のスマートライフと同額の設定です。
初期費用や解約違約金もありません。CDエナジーは大阪ガスと中部電力が共同で設立した新電力会社です。
初期費用・解約金なし
東北・中部・中国・九州では出光でんき
大手電力会社のオール電化プランと比較して、基本料金が安く設定された「オール電化プラン」を提供しています。電力量料金(使用量に応じて課金される部分)は大手電力と同額なので、安くなると言えます。
ただし北海道・北陸・関西・四国電力の4エリアでは、大手電力のオール電化プランで「割引」が適用されるケースがあり、その割引が出光には無いため大手電力の方が安いケースがあります。割引の適用状況に注意してください。北海道・北陸・関西・四国電力ではないエリアでは特に問題は無いです。
ガソリンスタンドでの給油がリッター2円割引になる特典もあるのでマイカーを持っている場合は更にお得です。解約時の違約金もありません。
2024年11月30日までにウェブから申込むと、2025年3月分の電気代が最大3000円引きになるキャンペーンを実施しています。当サイトの試算にはこの値引きは含めていません。
25年3月までに解約すると割引を受けられない点と、当月の電気代が3000円を下回る場合は割引額が3000円に満たない場合がある(繰越はできない)点に注意してください。
北海道・北陸・関西・四国では大手電力が無難
こちらの4地域では新電力のオール電化プランが大手電力各社のオール電化プランより高くなるケースが多いです。したがって大手電力各社のオール電化プランの利用を推奨します。
料金単価の比較では大手電力各社のオール電化プランよりも出光でんきなどのオール電化プランの方が安いですが、大手電力各社のオール電化プランには独自の「割引」が適用され電気代の値引きが入ります。こうした値引きが新電力のオール電化プランには基本的に無いため、新電力の方が割高になりがちです。
割引の適用条件によっては、出光でんきのオール電化プランがこれらの地域でもお得に利用出来るケースがあります。気になる方は慎重に検討してください。大手電力各社では以下の割引が適用される場合があります。
- 北海道電力 暖房融雪割引額
- 北陸電力 節電割引額
- 関西電力 電化割引
- 四国電力 IH割、エコキュート割、でんか割
選択肢が無い沖縄・離島
2024年現在、全国の「離島」と沖縄県では割安なオール電化プランを提供している新電力が登場していません。沖縄電力、あるいは各地域の大手電力会社との契約を継続することをおすすめします。
沖縄に関しては、非オール電化プランを提供する新電力が少しずつ増えている状況であるため今後オール電化プランが提供される可能性はゼロではありませんが、全国の離島(送電線が本土と接続していない地域)に関してはそもそも対応している新電力が皆無という状況です。
更に電気代を安くするなら
電力会社を切り替えるのとあわせておすすめしたい電気代の節約方法を紹介します。
契約アンペアを下げる
地域によっては節約効果が無い場合もありますが、契約アンペアを10A or 1kVA下げると毎月の電気代の基本料金が数百円安くなります。
注意点としては、一部地域では契約アンペアに関係無く基本料金が一定額というところもあるので、その場合は変えても意味がありません。また、下げすぎるとブレーカーが落ちて不便を強いられます。変更に費用は掛かりませんが、1年に1回程度しか変えてもらえないので注意してください。うるさい大家や管理会社でなければ許可も特に必要無いです。アンペアを大きくする場合は建物の設備の都合で出来ない場合もありますが、下げるのは簡単です。
これまでに一度もブレーカーが落ちたことない人は、とりあえず10Aもしくは1KVaだけ契約アンペアを小さくしてみましょう。使用量が多くなりがちな冬を越すことができたら、契約アンペアを下げても大丈夫です。
電気の使い方を見直そう
オール電化プランは、「深夜」の電気料金の単価がとても安いという特徴があります。なので電気は出来るだけ深夜に使った方がお得です(安い時間帯はプランによって異なる)
例えば東京電力のスマートライフプランの場合、朝6時〜翌午前1時は35.96円/kWhに対し、深夜帯は28.06円と2割以上安いです。
例えばスマホやノートパソコン、充電式掃除機のようにバッテリーを使っているものは、夜寝る前にまとめて充電器にセットするとお得に充電できます。
また、賃貸の古いオール電化住宅によくあるのがIHではなく電熱線が発熱する「電熱器(電気コンロ)」です。これは恐ろしく効率が悪く、電気代がとても高いです。
電気コンロが設置されている家に住んでいる場合は、お湯を沸かす際は電気ケトルを使った方が電気代は遥かに安く、またお湯を沸かすのに掛かる時間も圧倒的に短く済みます。