電気自動車・PHVの電気代を安くしよう
電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)を自宅で充電する時に気になるのが「電気代」です。電力自由化で選べる電力会社の数は全国130社以上。その全てのプランを見ている私が、電動車に「最適な」プランを紹介します。
なお、世間の「通説」とは異なる部分もあるので、その辺りもお楽しみに。
目次
選び方のポイント
まずは電動車がある家庭が電気のプランを選ぶ際のポイントや注意点を紹介します。
夜間お得なプランが最適とは限らない
EVやPHVをお持ちの家庭では、夜間の料金がお得なプランを選ぶ人が多いです。ネットでもそのような話が多いですし、ディーラーでもそのように勧めているところもあります。
確かに、電動車の充電だけを考えると夜間お得なプランを選んで、電気代が安い時間帯に充電するのがお得です。
しかし、多くの家庭では電動車の充電に使う電気よりも、日常生活で使う電気の方が2倍以上多いという事実があります。
国交省の統計によると、自家用車の年間平均走行距離は10575km。1充電(40Kwh)で実質200〜250Km走れる新型の日産リーフ(ZE1型)で試算すると、月に必要な電気の量は141Kwhです。
一方、3人世帯の平均の電気使用量は391KWh(総務省「家計調査」を元に推定) 電気自動車の充電に使う電気の2倍以上の使用量があります。
つまり、電気自動車の充電だけを念頭に「夜間お得=昼間割高」な料金プランを選ぶと、結果として日常生活に使う分の電気代で大きく損をする結果になるというわけです。「うちは夜型だから大丈夫」というご家庭についても、注意が必要です。
充電用のコンセントだけ別系統(メーターが違う)になっている場合は夜間お得なプランを選んで夜間に充電すべきですが、そうでない場合はおすすめしません。
オール電化の場合は要注意
オール電化住宅の場合、オール電化プランでない料金メニューに切り替えることで、電気代がかえって割高となるケースが多いです。したがって、オール電化プランへの切り替えをおすすめします。数は多くはありませんが、新電力が割安な料金プランを提供しています。詳しくは以下の記事で。
なお、オール電化住宅の場合は、深夜帯の料金単価が安いため、安い時間帯に充電することで電気自動車の電気代を抑えることが出来ます。逆に昼間は料金単価がかなり割高なので、昼間に充電すると損です。充電する時間帯を工夫してください。
電気自動車用プランもあるが・・
電気自動車用の電気料金プランや、割引サービスを設定している電力会社もあります(一覧は記事の最後で)
いずれも電気自動車を所有している人に割引の付与や割安な料金プランを提供していますが、元々の電気料金が魅力的ではないため、わざわざ選ぶメリットは薄いと言えます。
電動車に最適なプランは
上で紹介したポイントをふまえて、EVやPHVの充電に「最適」と言えるお得なプランを紹介します。
料金シミュレーションで確認を
各家庭の使用条件によって、最適な料金プランが異なります。以下の料金シミュレーションで試算して確認してください。
当サイトでは電気料金比較サイトとしては最多の451社・5520プランを比較できる料金シミュレーションを提供しています。こちらで最適なプランを探してみてください。
なお、電気自動車をこれから購入する場合は充電器設置後の電気の契約容量・使用量を想定して試算してください。使用量は電気自動車の場合、現状より+月120kWh程度を想定してください(自家用車の平均走行距離:年間1万Kmでの想定)
オール電化住宅では
オール電化住宅では通常の電気料金プラン(非オール電化住宅向け)を契約することで電気代が大幅に高くなるリスクが大きいです。
オール電化住宅では必ずオール電化プランを契約してください。割安な料金プランは以下の記事で紹介しています。
電気自動車向けの電気料金プランの一覧
最後に、電気自動車やPHV向けの電気料金プランや割引を紹介します。上で紹介したプランの方がお得なので、推奨はしません。
会社名 | 特典内容 |
---|---|
東京電力エナジーパートナー | 月300ポイント(2年間) |
東北電力 | プリウスPHVのEVモードで 10Km走行につき4ポイント |
中部電力 | プリウスPHVを 自宅充電1KWhにつき0.5円相当 |
関西電力 | プリウスPHVを登録すると 初回のみ100ポイント |
四国電力 | プリウスPHVのEVモードで 5Km走行につき1ポイント |
出光興産 | 電気代が200円引き(電動車) |
Looopでんき | 通常より1円/kWh引き |
日産大阪販売 | 日産大阪で購入した人向け |
日産でんき |
いずれも指定プランに切り替えた上で、自宅に充電設備を設置していることなどが提供条件となっています。元々の料金がそれほど安くないため、電気自動車向けプランはおすすめしません。
CO2排出量で選ぶという選択肢も
電気料金の安さだけでなく、環境に配慮した電気を選びたいという人もいると思います。
電気自動車は走行中にCO2を排出しないものの、充電する電気をつくるには多くのCO2を排出しており、平均的な電力会社の電気で充電すると「プリウス」とほぼ変わらない排出量となります。
最近は大手電力会社と同等、あるいは安い料金で「CO2排出量ゼロ」を実現している料金メニューも登場しているので、このようなプランを選ぶことで地球温暖化防止に貢献できます。
購入補助金対象のプランも
2021年に環境省の認定を受けた「再エネ100%プラン」を契約することなどを要件として、電気自動車やPHVの購入費用を最大80万円補助する制度が実施されました。
この補助金の支給対象となるプランは以下の記事で紹介します。これから電気自動車やPHVの購入を考えている人は参考にしてください。
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