- 文:管理人石井 2020年6月15日更新
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低圧電力(動力プラン)の夜間電力プランを解説します
夜間の利用がメインの低圧電力契約(動力プラン)では、深夜電力プランを契約した方が電気料金が安くなると考えられます。では、電力自由化で参入した新電力に動力プランの深夜割引はあるのか300社以上を調査した上で詳しく解説します。
目次
低圧電力(動力プラン)の夜間電力の現状
全国の300以上の新電力会社の料金プランを日々調査している私が、動力プランの夜間電力プランについて解説します。
大手電力が提供
大手電力会社の中には、夜間の料金単価を割り引いた低圧電力プランを提供しているところがあります。
- 九州電力 低圧季時別電力プラン
- 北陸電力 低圧季節別時間帯別電力
- 関西電力 低圧季時別電力
- 中国電力 低圧季節別時間帯別電力
中部電力や四国電力、東北電力、北海道電力などにも同様に夜間の料金単価が安い低圧電力プランを過去に提供していましたが、2016年頃に相次いで新規加入を終了しているという状況です。
新電力会社には該当無し
私は全国300社以上の新電力会社の料金プランをチェックしていますが、その中で時間帯によって料金単価が変わる低圧電力(動力プラン)を提供しているところは見たことが無いです。
そもそも低圧電力(動力プラン)を提供していない新電力も少なくないという状況ですが、低圧電力を提供している新電力についても時間帯によって料金単価が変わるプランというのは見た記憶がありません(情報をお持ちの方がいらっしゃいましたら情報提供をお願いいたします)
夜間電力プランが少ない理由は?
大手電力各社の「低圧電力」の電力量料金がもともと安価に設定されています。
例えば東京電力エナジーパートナーの「低圧電力」と「従量電灯」を比較すると以下のとおり低圧電力の料金単価が安く設定されていることが分かります。
低圧電力(動力) | 従量電灯 | |
---|---|---|
1〜120kWh | 17.37円/kWh(夏) 15.80円/kWh(他) |
19.88円/kWh |
121〜300 | 26.48円/kWh | |
301〜 | 30.57円/kWh |
もともとの料金単価が安いため、新電力会社の料金プランも大手電力会社と同じ料金単価を採用しているところも少なくありません(一方、基本料金を大幅に安くしている新電力が多い)
また、新電力会社の中にはそもそも低圧電力(動力プラン)を提供していないところも多く、市場として盛り上がりに欠ける点も要因として考えられます。
夜間に安い電気料金を設定できるのは、原発や石炭火力発電といった「ベースロード電源」を保有しているからこそ実現出来ることです。原発や石炭火力は1日中、一定の出力を保って発電をするため、夜間に電気が余りやすい状況があり、それを解消するために安い料金プランを提供しているという側面があります。
新電力は原発はもちろん、石炭火力発電を保有しているところも少ないため、こうした「夜間に安い」料金プランの提供が難しいです。
夜間電力でなくとも電気代を削減することは可能
動力プランに深夜割引はありませんが、電気料金プランの切り替えで電気代を削減出来る場合もあります。
基本料金が40%以上安くなるプランも
電力自由化で参入した新電力会社の中には、大手電力会社の「低圧電力」よりも基本料金を40%前後割り引いた料金プランを提供しているところもあります。
そのような料金プランを選ぶことで、低圧電力の電気代を削減することが可能です。例えば小規模マンションのエレベーター用の電力の場合、電気代が10%以上安くなります(3kW、月85kWh 東電エリア) 使用条件によっては電気代全体で数十パーセントの削減になる場合もあります。
電気料金プランの比較は以下の記事で。