東京電力が2023年春に値上げ

東京電力が2023年に従量電灯を値上げへ


 2023年春に「従量電灯」を値上げする東京電力。値上げに至った背景と、契約者が取るべき対応を電力自由化の専門家としてこれまで多数のメディア取材を受けてきた私が解説します。



2023年春に従量電灯を値上げする東京電力


 2023年に実施される東電の値上げを解説します。


値上げされる理由


燃料


 東京電力が値上げを実施する最大の原因はエネルギー価格の高騰です。


 ロシアによるウクライナ侵攻や円安、新型コロナ禍からの急激な経済活動再開、金融緩和など様々な理由によって日本が輸入しているエネルギーの価格が高騰しています。


 新型コロナの影響でエネルギー価格が安かった2020年春と2022年春を比較すると、原油は4.4倍、石炭は3.5倍、LNGは2.8倍と大幅に高騰しています(日本のドルベースでの輸入価格) それに加え円安も急速に進行したことでエネルギー価格が高騰しています。


 電気料金には燃料価格の変動を転嫁する燃料費調整額という項目があります。ですが東京電力の従量電灯の場合、燃料費調整に上限が設けられており、2022年9月以降は燃料価格の上昇が続いているにもかかわらず燃料費調整の上昇が食い止められています。


東京電力の燃料費調整単価

東京電力の燃料費調整単価

 2022年12月分の燃料費調整単価で一般家庭の平均的な使用量(月300kWh)の場合、この上限の有無によって電気料金に2037円の差が生まれます。この2037円は東電にとっていわば「持ち出し」となっています。


 東京電力グループでで電気の販売を手掛ける東京電力エナジーパートナーは2022年6月末時点で債務超過に陥るなど、経営上非常に厳しい状況に陥っています。


2023年春に値上げされる料金プランの対象は?


 東京電力の発表によると、低圧の料金プランすべてが値上げの対象となり、今後料金改定が行われます。


 経産省の認可が必要な「従量電灯」に加え、スタンダードやプレミアムといった料金プランも見直しの対象となります。


 なお、スタンダードやプレミアムなどいわゆる「自由化向けプラン」と呼ばれる新しい料金プランについても、あわせて値上げが実施される可能性が想定されます。これらのプランでは燃料費調整に上限が無く、既に電気料金が高騰しているため値上げされた場合の値上げ幅は従量電灯と比べて小さなものとなるはずです。


 法人向けの高圧電力についても値上げが発表されています。


いくら値上げされるの?


東京電力従量電灯の値上げ幅は


 現時点でまだ詳細は公表されていませんが、2022年12月分 30A契約・月300kWhという条件で15%前後の値上げ幅になると予想します。


 燃料費調整に上限があるプランと無いプランとでは、料金に約15%程度の差が生じているためこの価格差が値上げ幅の一つの目安となるでしょう。


 ただし、従量電灯の料金改定には経産省の認可が必要となるため値上げ幅が圧縮される可能性があります。また、東電は2023年に柏崎刈羽原子力発電所7号機の再稼働を目指しており、既に発表されている法人向けの高圧電力の値上げでは再稼働を「年間75%」織り込んだ料金改定が行われました。足元でもエネルギー価格の上昇は続いていますが、2022年12月分を基準に考えると値上げ幅は最大で2割程度になるのではないでしょうか(2023年春時点で)


 政府が2023年1〜9月頃にかけて電気代の補助を行うとしているので、2割値上げされたとしてもこの期間は2022年12月分以前の水準と同程度以下の電気料金になるはずです。


いつから値上げされるの?


東京電力従量電灯は2023年春に値上げ


 報道では2023年春とされていますが、従量電灯の値上げには経産大臣の認可が必要です。申請から認可が降りるまでに5ヶ月程度の時間が掛かるため、2022年末までに申請した場合は2023年5月もしくは6月から値上げとなるはずです。


 申請が年明けにずれ込んだ場合は7月になる可能性も考えられますが、おそらく2023年6月までには値上げされるでしょう。


契約者の対処方法


 東電従量電灯の値上げに向けて契約者が取るべき対応をまとめます。


値上げされるまで東電従量電灯を利用継続


 値上げが実施されるまでの間は東電の従量電灯を使い続けることを推奨します。


 現状、東電の従量電灯以外の料金プランには燃料費調整に上限が無いため、電気代が高騰しています。ENEOSでんきソフトバンクでんきauでんき東京ガスなどの多くの新電力も燃料費調整に上限がありません。


 2022年11・12月分の燃料費調整単価で試算すると、燃料費調整に上限が無い全ての料金プランが大多数の一般家庭で東電従量電灯よりも割高になっている状況です。したがって今から燃料費調整に上限が無い新電力の料金プランに切り替えるのは「損」でしかありませんし、もし今契約している料金プランが燃料費調整上限無しのプランなのであれば東電従量電灯への切り替えを推奨します。


新料金発表後に料金比較を


 東電の従量電灯の値上げにあわせて、新電力各社も料金単価を変更(値上げ)する可能性があります。東電の新料金発表から数週間程度で新電力各社の料金プランも出揃うので、そのタイミングで割安な電力会社を探してください。


 当サイトでは各社の料金改定にいち早く対応する予定です。




関連記事

電力自由化とは? 停電のリスクは?
乗り換えでいくら安くなるの? 乗り換えで料金が値上がりするケース
新電力とは?

どうやって契約するの? 乗り換えのメリット・デメリット
乗り換えにかかる初期費用 乗り換えに工事は必要?
賃貸住宅でも乗り換えられるの? 解約する時の違約金は?
安くなる理由 電気の調達は?


地域別 電気料金比較表

電気料金比較シュミレーション

人気の電力会社

電力自由化Q&A