アクアエナジー100を卒業した理由
2022年から3年近くにわたり、自宅で利用し続けてきた「アクアエナジー100」を2025年3月をもって解約しました。その経緯を説明します。
目次
アクアエナジー100を契約した理由
私は2022年7月から25年3月まで約3年ちかく東京電力エナジーパートナーのアクアエナジー100を利用しました。利用していた経緯は以下のとおりです。
燃料費調整額が無く爆安だった
当時はコロナ禍からの経済活動の再開、ロシアによるウクライナ侵攻を受けエネルギー価格が異常な高騰を見せていました。その影響で燃料費調整額が大手電力各社が設定した「上限」に達し、少なくない新電力が値上げや新規申込みの受け付けを停止するなど混乱が生じていました。
2017年にリリースされた当時のアクアエナジー100は、水力発電100%という付加価値があるため電気代は東電の従量電灯Bより大幅に割高でした。当時の記憶では一般家庭の平均的な使用条件で年間1〜2万円程度割高な水準であったと記憶しています。
しかしアクアエナジー100には燃料費調整額が無いことで、燃料価格がみるみる上昇していく過程で一般的な料金メニューとの間で逆転現象が発生しました。
上記は2023年6月時点での東電従量電灯Bとの料金比較(30A/300kWh)ですが、再エネ100%という付加価値がありながらも標準メニューよりも電気代が大幅に安く、新電力各社の料金メニューと比較しても安いといえる状況にありました。こうした背景からアクアエナジー100を契約しました。
再エネ100%で環境負荷が小さい
アクアエナジー100は水力発電100%の電気を供給するため、供給する電気は「CO2フリー」の電気です。大規模水力発電が主な調達先であるため追加性(その再エネを買うことで、社会に新たに再エネが増えるかという観点)は認められないものの、環境負荷が小さいということも利用を開始した理由の一つでした。
アクアエナジー100を解約した理由
そんなアクアエナジー100を2025年3月をもって解約し、他社に切り替えた理由は以下のとおりです。
料金メリットが縮小した
燃料価格が一時期と比較して下落したことでアクアエナジー100の料金メリットが縮小していました。私の自宅の使用条件では2025年3月現在も東電標準メニューと比較して「やや安い」水準を維持しているものの、割安な新電力各社の料金メニューと比較すると月500円前後の水準で「割高」となっていました。
実はこの状況は今に始まったものではなく、2023年秋には既により割安な料金プランがいくつも存在する状況でしたが、アクアエナジー100は再エネ100%でなんとなく電気を使うことに対する罪悪感が少ないことや、次の章で説明する背景から利用をダラダラと継続した次第です。
燃料価格の低下トレンドが続くと予想
2023年秋には既により安い選択肢が存在していたにもかかわらずアクアエナジーの利用を継続した背景として、燃料価格の見通しが不透明であった点が挙げられます。
アクアエナジー100は2022年から新規申込みの受け付けを停止しており、一度解約すると再契約が出来ません。そこで燃料価格の動向を検討する必要があるわけですが、2023・24年時点ではまだ燃料価格の先高観が根強くありました。加えて為替相場の動向は深刻で、2022年秋から24年夏にかけてドル円のレートは1ドル140円台から161円へと急速な円安が進行していました。「1ドル180円」という見通しも囁かれていた状況下でアクアエナジー100を解約することはリスクが大きいと判断し、利用を継続しました。
ですが現在は一転して為替レートは円高方向の見通しが根強く、加えて中国経済の減速感などから原油や天然ガスの先安感も根強く、今後1〜2年はエネルギー価格は下落トレンドあるいは横ばいで推移すると判断したところです。
2022年のエネルギーの異常な高騰を機にエネルギーのサプライチェーンに対する投資が活発に行われた一方、中国経済の減速などから需要が思うように増えず、余剰感を伝えるニュースにふれる機会も増えてきています(例:中国の石炭余り深刻化、輸入規制再開の可能性 ブルームバーグ 2025年3月4日、世界のLNG需要、ズレる長期見通し 投資不足招く懸念 日本経済新聞 2024年10月18日)
何か突発的な地政学イベントでエネルギー価格が跳ね上がるリスクは否定できないものの、他社の割安な料金プランと比較した際にアクアエナジー100から他社に切り替えた方がメリットが大きいと判断したところです。
なお、アクアエナジー100に戻ることは出来ませんが、オクトパスエナジーが提供するシンプルオクトパスは燃料費調整が無い料金体系なので、雲行きが怪しくなった場合はこちらに逃げ込もうと思います。
切り替え先は?
アクアエナジー100からの切り替え先としてTERASELでんきの超TERASEL東京Bを選びました。最近当サイトからも申し込みが増えているのでレビューしたいと思ったこと、また市場連動型ではない、かつ運営元が信頼できる新電力の中では我が家の条件で「最安水準」ということで選びました。
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