実験。カセットコンロは暖房器具になるのか
卓上での調理に便利なカセットコンロは「暖房器具」の代わりになるのか。実際に試した結果と感想を紹介します。
目次
カセットコンロを暖房として使ってみた結果
カセットコンロを実際に暖房器具として使ってみた結果をまとめます。
5畳の部屋は暖かくはなった
結論としては、鉄筋コンクリート5畳の部屋は暖かくなりました。
今回は気温20度と、暖房を使うか微妙な季節の東京で、自宅の5畳の部屋の床にカセットコンロを置き、最大火力で5分ほど使用しました。
1.5mほど離れた椅子に座ってパソコンをしていると、「規模の小さな焚き火」という感じで炎の暖かさが伝わってきますし、また部屋の温度も体感できるほど上がったと感じました。わずか5分でも、部屋が暖かくなったというのが結論です。
恐怖感は大きい
今回5分で使用をやめた最大の理由は、恐怖感です。
今回は周囲に何も無い部屋の隅に安全を確認した上でカセットコンロを設置しましたが、怖いと感じました。部屋で裸火がボーボーと音を立てて燃えている、というのはなかなかの恐怖感があります。
カセットコンロは意外と炎が燃える音と臭いもあるので、その点でも「燃えている感」が恐怖感をかき立てました。
コストはどうか
今回使用した3.5kW(3000kcal/h)カセットコンロは1時間で247gのガスを消費するスペックです。一般的なイワタニのカセットボンベが内容量250gなので、1時間で一本無くなる計算です。
近所のスーパーではイワタニのカセットボンベが3本税込み635円という価格だったので、1本212円。つまり1時間で212円かかる計算です。
私が過去にオイルヒーターの消費電力を計測した際、電気代は1時間で約6円前後という結果だったので、カセットコンロを暖房として使うのはかなりコスパが悪いと言えます。エアコンならオイルヒーターよりも更に省エネです。
そもそも暖房として「使ってはいけない」
そもそもの大前提として、カセットコンロは「暖房器具」ではありません。今回テストに使用した機種も取扱説明書に「調理以外に使用しない」旨の注意が記されていました。
実際に使ってみると裸火が存在することによる恐怖感が大きいですし、暖房器具としての使用には適さないと強く感じたところです。特に地震による停電発生時の利用については、余震によって物が落下し、火災が発生するリスクが極めて大きいので絶対に推奨しません。揺れが大きい場合、何が落ちてくるかは想定できません。天井材さえ落下するリスクがあり、火災に繋がる恐れがあります。
停電している地域のみなさま。今夜、あかり取りの目的で、屋内でロウソクなどの裸火は極力使わないでください。気を付けるから大丈夫は禁物です。避難生活の疲れから注意が行き届かないこともあります。もし手元にあればLED懐中電灯などのご使用を。[消防研究センター]
— 総務省消防庁 (@FDMA_JAPAN) June 18, 2018
昨今は地震発生後の室内でロウソクなど裸火の使用を控えるよう消防庁などがアナウンスしており、カセットコンロを暖房器具として使用することも同様に避けるべきだと言えます。
代替案:カセットボンベで使える暖房器具
代替案として、カセットボンベを燃料として使うカセットヒーターというものがあります。私も災害用に1台購入して備蓄しています。
暖房器具として使用することを目的として作られた製品なので、カセットコンロを使用するよりも安全性が格段に高いです。炎を囲う形でカバーが取り付けられていますし、転倒した際に自動で消化する機能を備えたり、酸素濃度が低くなった時に自動でガスを遮断する機能(いずれもイワタニの「マイ暖」シリーズ」)があります。
カセットボンベがあれば使用できます。電池を含め、電源は一切必要ありません。火力はカセットコンロよりも低い分、カセットボンベは1本で2〜3時間程度もちます。以前自宅で試した際は、木造の1室がほんのりと暖かくなりました。暖房能力は木造〜5畳:コンクリ〜7畳や木造〜3畳:コンクリ〜4畳のものがあります。
- イワタニ CB-CGS-PTB(木造・3畳、コンクリート4畳)
- イワタニ CB-STV-MYD(木造・3畳、コンクリート4畳)
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