新型コロナで大規模停電が発生する危険性は

新型コロナが拡大しても電気は使えるのか


 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、一瞬頭をよぎるのが「停電」のリスクです。現時点で判明している情報をもとに解説します。



海外の現状は


 4月頭の時点でイタリアやスペイン、アメリカでは新型コロナウイルスの爆発的な感染が拡大しており、都市封鎖などが行なわれているところもあります。


 そうした中でも新型コロナウイルスの感染拡大による大規模停電は報告されておらず、電力供給は継続しています。


可能性はゼロではないが低い


 感染拡大による大規模停電の発生の可能性は「ゼロ」とは言い切れないものの、可能性としては低いと言えます。その理由を解説します。


電力供給は自粛や封鎖の対象ではない


 前提として、国内・海外においても電力供給は自粛や封鎖の対象とはなりません。緊急事態宣言のような状況に陥っても、電力供給は継続して行なわれます。緊急性が低い工事の一部が延期される動きも既に国内で出ていますが、電気は滞りなく供給されます。


電力会社側でも対策を進めている


 東京電力と中部電力の火力発電部門などを統合して設立されたJERAは国内の約半数の火力発電所を保有する発電会社です。同社の経営企画本部長は日経エネルギーNextの取材に対し、以下のように答えています。


新型コロナウイルスの発生が確認された直後から、運転員をどう守るのか、運転員やその家族に感染者が出たとしても、発電所の運転に支障が出ないよう体制を整えています。
(中略)
発電所の中央制御室はクリーン化しています。運転員は出勤時に体温を測るなど、体調のチェックをしなければ中央制御室には入室できません。運転員は、通勤時に公共交通機関を使わず、自家用車で通勤するよう指示しています。

 また、運転員以外は一切、中央制御室に入ることができないようにしています。例えば、東京電力グループと中部電力の本店や支社の従業員が発電所を訪れても、中央制御室には入れません。

 中央制御室は何としても守らねばなりません。ウイルスが入り込まないよう、万全の体制を整えています。

引用元:新型コロナでLNG暴落、発電所運転員が感染すれば停電も(日経クロステック)

 電力各社では自家用車での通勤を推奨したり、現場作業員を班ごとに分けることで異なる班の人同士が交錯するのを避ける取り組みなどが進められています。集団感染や隔離による待機の発生による人手不足を避けるための工夫です。


 大手電力・ガス会社では過去に「新型インフルエンザ等対策業務計画」を策定しています。従業員の最大40%が欠勤することを想定した計画で、今回の新型コロナウイルスに対してもこの計画をもとに対応が進められています。


需要のピーク季節でないことも幸い


 対策を強化しても、感染が爆発的に広がってしまうことでいくつかの発電所が「停止」する事態が発生する恐れが全く無いとは言い切れませんし、停止する想定で物事を進めることはリスク管理の上で必要なことです。


月別最大電力需要(2018年度 出典:東京電力)

月によって電力需要は大きく変動する

 ですが感染拡大が進む現在は、電力需要が1年の中でも最も少ない時期にあたります。東京電力の資料によると、電力需要が年間で最も大きい7月の1日最大の電力需要は5653万kWであるのに対し、最も少ない4月は3638万kWでした(2018年度)


 発電所は年間の最大需要にあわせて用意されているため、計算上は3割以上の発電所が稼働停止に追い込まれたとしても、春先の電力需要を満たせることになります。また、1日の中でも電力需要は大きく増減するため、3割以上の発電所が仮に停止する事態となったとしても、電力不足が一日中続くわけではありません。


 気候が穏やかで冷暖房の需要が少ない時期であることが幸いしていると言えます。更に経済活動の停滞により電力需要も落ち込んでおり、供給には大きな余裕があります。


日頃から停電に備えることは必要


 現在のところ新型コロナウイルスによる停電を恐れる必要は無いと言えますが、停電は事故や災害によって発生する場合もあり、日頃から最低限の対策を準備しておくべきです。


 繰り返しになりますが、現在のところ大規模停電のような事態が発生するような状況には無く、電気が止まることを想定して買い出しに走る方がリスクは高いと言えます。


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