電源調達調整費を払わない方法

電源調達調整費を払わない方法


 高額な電気料金の請求書を慌てて確認すると記載されている「電源調達調整費」 この電源調達調整費を払わなくて済む方法はあるのか、電力自由化の専門家としてこれまで数々のメディア取材を受けてきた私が分かりやすく解説します。



電源調達調整費とは


 まずは電源調達調整費について解説します。


一部の新電力が採用


 電源調達調整費は一部の少数の新電力が導入している電気料金の調整項目です。


 電力自由化によって参入した新電力会社は、自社で十分な発電所を持たないものがほとんどです。お客さんに届ける電力は発電所を保有している会社(大手電力、鉄鋼メーカーなど)から購入したり、日本卸電力取引所というマーケットから調達するなどしています。


 多くの新電力が調達を頼っている日本卸電力取引所での電力取引価格は高騰することがあります。直近だと2021年1月、また2021年秋ごろから長期間にわたり取引価格の高騰が続いています(下表は東京エリアプライスの月間平均)


(円/kWh 税抜き) 1月 2月 3月 4月 5月 6月
2020年 8.17円 7.59円 7.48円 6.85円 5.75円 5.57円
2021年 66.53円 8.29円 6.70円 7.05円 6.98円 7.02円
2022年 23.95円 23.36円 30.76円 21.65円 19.50円 25.27円

 電力の取引価格が高騰することで、新電力の経営を圧迫しています。調達コストが増大しても、通常の料金プランではそのコストをお客さんに転嫁することが出来ず、赤字となるためです。


 電源調達調整費は主に日本卸電力取引所での電力取引価格の変動をお客さんに転嫁する仕組みで、新電力にとっては「経営の安定化」というメリットがあります。


電気代高騰の原因に 相談も急増


 新電力側には経営の安定化を図れるメリットがある電源調達調整費ですが、増大したコストをお客さんに転嫁する仕組みであるため、コストを転嫁された側は負担が大きくなります。


 2022年上半期の電力取引価格の水準では、電源調達調整費によって電気代が大手電力会社の1.5倍近くになる例もあり、電源調達調整費を導入している料金プランでは特に電気料金の高騰が発生しています。


 国民生活センター、消費者庁、経産省電力・ガス取引監視等委員会でもこのような電源調達調整費を導入している料金プランに関する相談件数が増加していることを注意喚起している状況です。


電源調達調整費を払わない方法は?


 では、電源調達調整費が加算されたことで電気代が高額になった場合、電源調達調整費を払わずに済む方法はあるのか、解説します。


使ってしまった分は払わざるをえない、が・・


 結論から言えば、既に使ってしまった分について届いた請求に関しては、現実的には払わざるをえないといえます。国民生活センター、消費者庁、経産省電力・ガス取引監視等委員会が出した文章の中で、電源調達調整費に関連したアドバイスとして以下のように記載しています。


市場連動型の料金メニューは、電力会社が取引所から電気を仕入れる際の価格に 連動して電気料金が決まるメニューです。取引所の価格に応じて実際に請求される 電気料金も上下するため、安くなる場合も高くなる場合もあります。ある時点から 急に電気料金が上がって驚くことのないよう、契約時には、こうした料金メニュー のメリット・デメリットを把握し納得した上で契約をしましょう。 特に2020年度冬季には、スポット市場価格の高騰を踏まえ、経済産業省は、市場 連動型の料金プランを提供する小売電気事業者に対し、需要家の電気料金負担が激 変しないよう、柔軟な対応を要請しました。これを受け、高騰した電気料金の分割 払い等に対応し、現在も引き続き分割分について請求している事業者もいます。 日頃から、小売電気事業者が提供する電気料金の見通しについての情報や請求内 容の明細等を確認し、どのような内容の請求を受けているのか等について把握して おくことも重要です。請求内容について不明点がある場合には小売電気事業者によ く確認をしましょう。 なお、市場連動型料金メニューについては、需要家の理解促進の観点から、小売 事業者から需要家への説明及び情報提供の在り方について「電力の小売営業に関す る指針」を改定し(2021年11月)、その遵守状況の確認等を行っています。

引用元:契約内容や契約先の事業撤退に伴う対応についての相談が寄せられています(経産省)

 「払わなくてよい」とは書かれていません。


 裁判等で争う選択肢もあると思いますが、弁護士費用など掛かるコストを鑑みると「支払う」ことが最も現実的な解決策となるはずです。


 ただし、電源調達調整費について十分な説明を受けていないにも関わらず高額な請求を受けた場合など、不明な点がある場合は国民生活センターや監督官庁である経産省電力・ガス取引監視等委員会に「相談」することをおすすめします。相談しても解決されない可能性が高いものの、公的な機関に相談を行い、記録として残してもらうことが制度改正や悪質な事業者への処罰に繋がり、今後同様の被害に遭う人を減らすことが出来ます。



今後払わずに済む方法はある


 既に使ってしまった分については「払う」のが現実的な解決策と言えますが、今後支払わずに済む方法はあります。


 電源調達調整費を導入する新電力は2021年秋以降増加しているものの、今のところ少数派といえる状況です。電源調達調整費を導入していない大手電力会社や新電力会社のプランに乗り換えることで、今後電源調達調整費を支払わずに済みます。


 電力取引価格は燃料価格の高騰と、電力需給の逼迫(電力不足)によって起こります。既に報道されているように2022年夏、そして2023年1・2月に深刻な電力不足の発生が懸念されている状況であるため、電源調達調整費を導入している料金プランは少なくとも2023年上半期まで電気代の高騰が続くリスクがあります。


 電源調達調整費を導入している新電力の中には、解約時に解約違約金や解約事務手数料が発生するものもありますが、それらの費用が発生したとしてもすぐに解約(他社に切り替え)を行った方が得になるケースが多いので、今すぐ行動に移すことを強く推奨します。


 なお、当サイトでは電源調達調整費を導入している料金プランについて、料金シミュレーションのコメント欄などに「料金高騰リスクあり」などと記載し、注意喚起を行っています。




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