【2025年版】電気自動車のCO2排出量を計算してみた
最新のデータに基づき、電気自動車のCO2排出量をハイブリッド車やガソリン車と比較します。
目次
前提条件
比較する上で前提条件を整理します。各メーカーが発表した電費・燃費のデータを引用します。
| 車種名 | 電費・燃費 |
|---|---|
| 電気自動車 日産サクラ |
124Wh/Km |
| 電気自動車 スバル ソルテラ |
121Wh/Km |
| ハイブリッド車 トヨタヤリス HYBRID X 2WD |
36.0Km/L(WLTC) |
| ガソリン車 トヨタヤリス X 2WD |
20.2Km/L(WLTC) |
| ディーゼル車 マツダCX-3 XD 2WD |
23.2Km/L(WLTC) |
いずれもカタログスペックなので実燃費・実電費はこれより悪くなるでしょう。
燃料種別のCO2排出量は以下のとおりです(環境省資料より)
| 燃料種 | CO2排出量 |
|---|---|
| ガソリン | 2.322Kg-co2/L |
| 軽油 | 2.619Kg-co2/L |
動力別のCO2排出量比較
比較した結果を発表します。
標準的な条件での比較
電気自動車の充電に使用する電力のCO2排出係数を0.423Kg-co2/kWh(2023年度、国内実績:出典 環境省)とした場合の計算結果です。
走行時のCO2排出量を比較すると、電気自動車(サクラ)はガソリン車(ヤリス)の約半分、またハイブリッド車(ヤリス)と比較してもCO2排出量が少ないと言えます。
電気自動車でヤリス級が無いため車格がバラバラとなってしまいましたが、サクラよりもSUVのソルテラの方がカタログ値の電費が良かったりします。
電力のCO2排出係数を変えてみると・・
電気自動車は充電に使用する電力のCO2排出係数によって、1Km走行あたりのCO2排出量が大きく変動します。電力のCO2排出係数は電力会社、あるいは国によって大きく異なります。
| 地域・電力会社 | 排出係数 (g-CO2/kWh) |
|---|---|
| 日本平均 | 432 |
| 北海道電力 | 532 |
| 東北電力 | 385 |
| 東京電力エナジーパートナー | 408 |
| 中部電力ミライズ | 393 |
| 北陸電力 | 481 |
| 関西電力 | 401 |
| 中国電力 | 511 |
| 四国電力 | 454 |
| 九州電力 | 402 |
| 沖縄電力 | 638 |
| フランス | 60 |
| イタリア | 170 |
| ドイツ | 350 |
| アメリカ | 350 |
| 中国 | 650 |
| インド | 730 |
諸外国の平均値と日本の大手電力10社の数値を比較しました(日本の数値は2023年度実績、諸外国は2022年の発電端) 上記の値と見比べながら、以下のグラフをご覧ください。
欧米主要各国の平均値では、ハイブリッド車やガソリン車よりも電気自動車の方が有利であることが分かります。一方で電力の低炭素化が進んでいない国では電気自動車よりもハイブリッド車の方が排出量が少ないと言えます。
電気自動車のCO2排出量に関する課題
電気自動車のCO2排出量に関しての課題を整理します。
製造・廃棄時のCO2排出量が大きい
電気自動車は製造・廃棄時に発生するCO2排出量が、ガソリン車やハイブリッド車と比べて大幅に大きいとされています。特にバッテリーの製造時のCO2排出が課題となっています。製造・廃棄時のCO2排出量まで含めた「ライフサイクル」全体では電気自動車よりハイブリッド車の方がCO2排出量が少ないとする意見が日本の自動車業界では主流です。
この点に関しては工場のカーボンニュートラル化を進めていくことが鍵となります。トヨタ自動車では2035年までにすべての工場でカーボンニュートラル化達成を目標としており、実現すれば電気自動車がライフサイクル全体で見ても有利となるでしょう。
一層の排出量削減には電力の低炭素化が必須

電気自動車のCO2排出量が「多い」か「少ない」かは、充電に使用する電力のCO2排出量に依存するところが大きいです。
原子力発電や再生可能エネルギーの導入が進む欧州主要各国においては、自動車の脱炭素化を進めていく上でEV化が現時点で明白に「正解」といえますが、その他の国においては現時点でハイブリッド車の方がCO2排出量が少なく済む国も数多く存在します。日本国内においても、北海道電力や沖縄電力のエリアではハイブリッド車の方が排出量が少ないと言えます。
電力インフラというものは数ヶ月数年単位で大きな方向転換が出来るものではありません。「脱炭素」を真剣に考えるのであれば、その時点において各地域の特性に最も適した解決策を取りつつ、電力供給の脱炭素化を進めていくことが求められます。残念ながら、日本は先進国の中でかなり出遅れてしまっているのが実情です。
ガソリン車の燃費とカンタンに比較できる計算機
電気自動車の電費をCO2排出量でガソリン車の燃費にカンタンに換算できる計算機を開発しました。ブラウザ上でカンタンに操作できるので、ぜひ使ってみてください。
関連記事
電気料金プランの比較表
電力自由化のプランを簡単に比較できます 452社掲載- 電気自動車関連
ガソリン車のCO2排出量は1Kmあたり何Kgなのか
燃費別に排出量を一覧表にまとめました
電気自動車の充電に掛かる電気代は?
ガソリン車とコストを比較します
固定価格買取が終わった太陽光発電の救世主が電気自動車・PHVである理由
電動車を導入するメリットを紹介
電気自動車が普及するメリットを考えてみる
社会的なメリットを考えてみました
電気自動車補助金対象の再エネ100%の電力会社の一覧
料金シミュレーションとあわせて紹介
月極駐車場に電気自動車の充電設備の導入が進まない理由
月極駐車場への導入が難しい理由を整理します
電気自動車が停電対策になるという「誤解」
過大な期待は禁物
電気自動車の急速充電が普及しづらい根本的理由
実はEV側の問題ではありません
電気自動車は日本でも普及するの?
各メーカーの計画から読み解く
アイサイト搭載車で2万Km走って感じたメリット・デメリット
使ってみた感想
実査計測!ハイブリッド車の燃費はどれくらい?
ハイブリッド車の実燃費の計測結果
2026年から日本でも電気自動車の本格普及が始まる可能性
電力需給への悪影響も
自宅充電できない電気自動車の走行コストはガソリン車並に大きい
外出先充電は高い



電気自動車の電費をCO2排出量でガソリン車の燃費にカンタン換算計算機