2026年から日本でも電気自動車の本格普及が始まる可能性

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日本でも2026年から電気自動車が普及し始める!


 足元では停滞を見せている電気自動車の普及。ですが2026年から日本でも本格的な普及が開始する可能性が高いと私は予想しています。その理由を解説します。



足元で停滞する電気自動車の普及


ホンダe

2024年に生産終了となったホンダe

 メディアでもさかんに取り上げられている通り、日本や欧米主要国では2024年から電気自動車の販売に減速感が見られます。


 例えば日本での新車販売に占めるEV率は2024年1〜9月に1.62%と、前年同期の2.28%から急減しています。米国では2021年に3.2%、22年に5.8%、23年に7.6%と順調に拡大していたものの、2024年1〜9月期には約8%と伸びが鈍化、トランプ政権は電気自動車優遇策の撤廃を掲げているため2025年はEV率の低下が見込まれています。


 ドイツでも2024年1〜9月期のEV率が13.1%と、前年同期の18.1%から急減。イギリスやフランスでは微増となっているものの、EV率の上昇ペースに陰りが見えていると言われています。


 このような状況ですが、私は2026〜27年ごろから日本でも本格的に電気自動車の普及がスタートすると予想しています。その理由を解説します。


2026年から本格普及が始まる理由


 2026年から日本でも電気自動車の普及が本格化すると思う理由は以下のとおりです。


国産車メーカーが新車を続々投入する


 2025年1月現在、国産車メーカー各社は電気自動車の販売に本腰を入れているとは言い難い状況です。


 ですがこの状況が2026年を境に大きく変わります。国産車メーカー各社の電気自動車の新車販売スケジュールをクルマ雑誌などの情報をもとにまとめます。


発売時期 車種
2025年度 トヨタ ダイハツ スズキ
共同開発商用軽EV
2025年夏? ホンダ N-ONE e:
2025年夏? 三菱 小型SUV
2025年夏? スズキ e VITARA
2025年10月頃 日産リーフ(FMC)
2026年 ホンダ Honda 0 SUV
2026年 ホンダ Honda 0 SALOON
2026年 AFEELA 1
2026年 スバル 新型SUV4車種

 2025年央から2026年にかけて、電気自動車の新車がかつて無かったペースで続々と発売されます。特にソニーとホンダの合弁会社、AFEELAは台数こそ期待できないものの、大きな注目を集めることでしょう。


 日本の自動車販売の9割以上を占める国産車メーカーが電気自動車の選択肢を増やすことで、大幅な販売増加が期待できます。車にこだわりの少ない人は「ディーラーが自宅近くにあるから」「なんとなく期待できるブランドだから」という理由で車を購入します。販売機会の増加は一定程度、販売台数の増加につながるでしょう。


 また、これまで選択肢が少なく、サイズの制約やデザインの好みの問題で電気自動車が選択肢から外されるケースもあったはずです。今後は車種の増加により、幅広いユーザーへの訴求が可能となります。


日産リーフの充電口


ガソリンスタンドの減少


 昨今、ガソリンスタンドが急速に減少しています。資源エネルギー庁の推計によると、2023年度末時点で前年度末から2%減少したとされています。ピークだった94年度末から55%もの減少を見せています。


 私自身も自宅最寄りの給油所が閉店し、給油が以前と比べて大幅に不便になり困っています。以前は車庫を出て高速道路の入口に入るまでの間に給油所があり、そこで給油をしていましたが現在は高速道路の入口までの間に給油所が1軒も無いため、自宅近所で給油する場合は約15分ほど遠回りする必要があり、非常に不便です。


 電気自動車で自宅に充電器があれば、「給油」のために15分も遠回りする必要はありません。ガソリンスタンドが減少し、エンジン車の利便性が損なわれることで電気自動車の利便性が見直される時代がやがて来ると予想しています。


 車の低燃費化、高齢化、人口減少によりガソリンスタンドは今後も減少することが予想されています。どこかのタイミングで「エンジン車より電気自動車の方が便利だ」という時代が訪れるはずです。その転換点が日本全体において2026年になる可能性は低いと思いますが、地域によっては2026年のタイミングで訪れる可能性があり、そのような地域から電気自動車の普及が始まると思います。


ガソリンスタンド


充電インフラの拡充


 ガソリンスタンドが減少していく一方で、電気自動車の充電設備の拡充が進んでいます。ショッピングモールの駐車場のような公共空間だけでなく、新築戸建て住宅では普通充電器を取り付けるのが既に一般的になりつつありますし、2023年以降に竣工したタワーマンションでは機械式駐車場のパレットに専有の充電器が設置されるケースも増えており、プライベートな場所においても充電器の導入が加速しています。


 ガソリンスタンドの減少でエンジン車の利便性が低下していくのと同じように、充電設備が増加していくことで電気自動車の利便性が向上します。充電設備の増加は電気自動車を受け入れる下地となり、国産車メーカーの新車投入などの状況変化と相まって電気自動車を普及させる素地となるはずです。


電力供給への不安も


 電気自動車が増加することで、電力需要が増加します。2025年時点で電気自動車を所有するアーリーアダプターの人の中には「電力需給に余裕がある深夜電力で充電するから問題無い」と主張する人もいますが、普及が進み大衆化していくことで「そうではない」使い方をするユーザーも増えていくでしょう。


 帰宅時間帯はちょうど電力需給のピーク時間帯に当たります。帰宅後すぐに充電を開始するユーザーが増えることで、特に冬期の夕方の電力需給がより逼迫する恐れがあります。


 日本ではこれまで省エネ化や工場の海外流出により電力需要が長期的に減少傾向にありました。しかし2024年に入り、この長期減少の見通しが一転して増加見通しに転換しています。国内に大規模な半導体工場が立地したことと、生成AIを始めとするデータセンター需要が電力需要を押し上げるとされています。


出典:電力広域的運営推進機関 全国及び供給区域ごとの需要想定(2025年度)

出典:電力広域的運営推進機関 全国及び供給区域ごとの需要想定(2025年度)

 2025年1月時点での電力需給の見通しでは2028年頃から需給が厳しくなると予想されています。ちょうど同時期に電気自動車が加速度的に普及を始めたら、何が起こるでしょうか。


 電気自動車は蓄電池としても役立つという意見もありますが、蓄電池として住宅に電気を供給するには「V2H」という高価な設備が必要です。V2Hは足元でも電気自動車ほど普及しておらず、大幅な価格低下か手厚い補助金が無ければ今後も普及する可能性は低いです。したがって電気自動車の普及は電力需給へのマイナス要因となる可能性が高いと言えます。




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