電気料金比較サイトからの申し込みを伸ばすには

電気料金比較サイトで契約を伸ばすには?


 電気料金比較サイトからの申し込み数を伸ばすにはどうすればいいのか。最近、電力自由化に参入を検討している企業の方からの問い合わせを頂く機会がぽつぽつとあったので、新電力関係者の皆さんに向けて記事を書きます。



電気料金比較サイトで人気を集めるためにやるべきこと


 私が2014年から電気料金比較サイトを運営してきた中で、これをやれば申し込みが増える、というものを紹介します(そんなの知ってる、そう簡単に言わないでよ、という声も聞こえてきそうですが・・)


電気料金の安さで勝負する


 電気料金比較サイトを利用するユーザーは電気料金の安さを求めるため、当然電気代が安い方が申込数が増えます。この「安さ」というのは、上位2割に入ればいいとかそのような生半可な安さではありません。中途半端な安さでは申込数は増えません。


 あらゆる条件をカバーする必要は無く、何か特定の条件に絞って「安くなる」ように料金プランを設計することで、料金比較で上位に登場し、申込数の増加が期待できます。


 ある一つの地域で、「2人暮らし」の平均的な使用量でのみ最安水準となる料金プランを料金シミュレーションに掲載したところ、当サイトを見て申し込む人がいるとわざわざお礼のメールをくださった新電力もありました(どの程度の申し込みがあるのかは存じ上げませんが)
 一つの条件に絞って、一点突破というのも戦略の一つだと思います。


キャッシュバックの金額を積み増す


 当サイトでは料金シミュレーションの結果にキャッシュバックを含めていませんが、エネチェンジや価格コムなどでは、キャッシュバック額を含めた「節約金額」をもとに料金シミュレーションの結果を表示しています。


 必ずしも電気代に競争力が無い電力会社についても、キャッシュバック金額を増やすことでシミュレーション画面の上位に表示され、申込数が増えるでしょう。


 当サイトでは料金シミュレーションにキャッシュバックは含めていませんが、キャッシュバックが数千円でも提供されていると、申込数が増える傾向が見られます。逆に、キャッシュバックが無い、同水準の料金プランの新電力の申込数が明らかに減少するため、キャッシュバックの効果は一定以上のものがあると感じます。


 また、「○月○日まで」と期限を区切ることも効果的です。あまり実施期間を長くしてしまうと、効果が薄れる印象があります。


解約違約金を無くす


 とある新電力2社は、当サイトで掲載している電力会社の中でもいくつかの条件で「最安」あるいは「最安水準」となる、競争力がある料金プランを提示していますが、残念ながら当サイトでの申込数は伸び悩んでいます。


 料金が安いのになぜ申し込まれないのか、というのは私も不思議に思っていた時期がありましたが、この2社に共通するのは解約違約金を設定している点です。


 2社とも解約条件は新電力としてごくごく平均的なものですが、解約違約金が設定されていることで、ユーザーが他社に逃げてしまっていると感じます。解約違約金を無くすことができれば、2社とも月の申込数は現状の0〜5件から、少なくとも30件以上には増えると思います。


 電気料金比較サイトでは「解約違約金無し」が当たり前となっているため、解約違約金を設定することで不利になります。


効果が薄い施策


 一方で、実施してもユーザーに響かないと感じる施策もあります。


ポイント還元


 多くの新電力が実施していますが、当サイトを含め多くの電気料金比較サイトではポイント還元も含めた金額で試算が行われるため、ポイント還元を組み込むのであれば最初から電気料金を安くした方が良いのではないか、と思います。


 また、ポイントの使い勝手が悪い場合は申込数を大きく下げる要因にもなります。ある新電力では、還元するポイントを変更したところ申込数が3割程度増加しました(以前のポイントは、非常に使い勝手が悪いものだった)


駆けつけサービス


 紹介してもしなくても、ユーザーの反応は変わりません。「使う人がほぼいない」ため廃止する新電力もあります。


 ただし、高齢者世帯などに対しては訴求力のある付加サービスとなる可能性はあるかもしれません。電気料金比較サイトを見に来る人にはアピールポイントとはなりづらいという話です。


再エネ・環境配慮


 当サイトではCO2排出係数を積極的に掲載したり、環境関連のコンテンツにも力をいれていますが、残念ながら「エコな電力」を求めるユーザーは現状では極めて少ないと感じます。


 昨今、CO2フリーメニューを追加する新電力が増えていますが、申込はほぼ発生しておらず、需要が存在していないと感じます。


 ただし、CO2排出係数の値が「きわめて悪い」(具体的には0.700Kg-co2/kWh以上)ある新電力について、そのことを記事に記載したところ、申込数が80%以上減少した例があります(その後も排出係数が改善されず、申込数も低迷したまま)


 環境負荷が「大きい」場合は、さすがにユーザーも離れるようですが、環境負荷が「小さい」ことは、現状ではユーザー(一般消費者)に響かないと感じます。エコ関連はSNS等で声が大きな人たちが積極的に情報発信しているため、実態よりも市場が大きく見えてしまいがちです。


バナー広告などの出稿


 PR記事やバナー広告を掲載している電気料金比較サイトもあります。


 私も以前、いくつかの新電力から依頼されて電気料金比較表の上などにバナー広告を掲載したことがありましたが、そのバナーを通じた申し込みは皆無でした。


 認知度を高める目的であれば、ユーザーの目に触れる点で「効果」はあるのだと思いますが、電気料金が安くない新電力がバナー広告を掲載しても、そこから申し込みが発生することは期待出来ません。


対面営業が強いという事実も


 私が行った試算では、スイッチング全体にしめる電気料金比較サイト(当サイト以外も含む)のシェアは、わずか3%程度です。例えて言うなら、電気料金比較サイトは大通りから一本入った「裏道」で、そこを通る通行人は少ないと言えます。


 販売電力量上位の新電力の多くは、ガス会社や携帯電話会社あるいは訪問販売で顧客と直接対面している企業です。顧客獲得に掛かるコストはそれなりに掛かると思いますが、必ずしも電気料金に強みが無くとも顧客を獲得出来るため、中長期的にはこちらの方が持続可能性が高いのではないか、とも思います。


 電気料金比較サイトでの集客にこだわるのではなく、不動産仲介業者などの代理店の開拓を行うことも一つの有効な戦略といえるでしょう。




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