非化石証書(再エネ指定)って意味あるの?

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非化石証書って、意味あるの? 専門家が解説


 「エコ」な電力メニューで使われることが多い非化石証書。これって意味あるの・・?と疑問を覚える方も多いことでしょう。複雑な制度の仕組みを分かりやすく解説します。



そもそも非化石証書とは


 エコな電力メニューでよく使われている「非化石証書」を簡単に説明します。非化石証書にはいくつか種類があり、本記事ではその中でも「非化石証書(再エネ指定)」を解説します。


 非化石証書は再生可能エネルギーとして発電された電力から、「再エネである」という価値の部分(「環境価値」という)を切り離して売買する仕組みです。


環境価値


 再生可能エネルギーで発電された電力は電気として使える価値と、その電力が「再エネである」という価値を持っています。この「再エネである」という価値の部分だけを売買できるシステムが非化石証書です。


 非化石証書を添付された電力は、火力発電でつくられた電力であっても実質的に再生可能エネルギーとして扱われ、CO2排出量も実質的に「ゼロ」とカウントされます。


 一方、「再エネである」という価値を切り離された元々の電力は再生可能エネルギーとして発電された電力であっても、CO2を排出する電力として扱われ、再生可能エネルギーとしては扱われません。元々は再生可能エネルギーの電力であっても、「再エネである」という価値の部分を切り離された時点で再エネではなくなるため、二重にはカウントされない仕組みです。


 ちなみに、非化石証書(再エネ指定)の価格は1.30円/kWh程度です(2025年の価格水準)


非化石証書付きの電気を使う意味はあるのか


 では、少し高い金額を払って非化石証書付きの電気を使う意味はあるのか、解説します。


自分が使う電気のCO2を削減できる


出典:全国地球温暖化防止活動推進センター

出典:全国地球温暖化防止活動推進センター

 非化石証書付きの電力を使う最大のメリットは「自分が使う電気のCO2を削減できる」点です。


 非化石証書が付いている分、CO2排出量を計算上少なくすることができます。例えば一般家庭から排出されるCO2の約半分が、電気の使用によるものだとされています。非化石証書で実質CO2排出量ゼロの電力を使うことで、生活を一切変えることなくその家庭のCO2排出量を約半減することができます。


 昨今は企業でもサプライチェーン全体で地球温暖化対策を進めていく流れが進んでおり、手っ取り早くCO2排出量を削減する手段として非化石証書が注目されています。


社会全体で再エネが増えるわけではない


 ただし注意点もあります。それは非化石証書付きの電力を使用することで、世の中に再生可能エネルギーが増えるわけではない点です。


 再生可能エネルギーによって発電された電力を購入することで、発電した人が儲かります。再生可能エネルギーで儲かれば、新たに発電所を作る動機になります。この要素を「追加性」といいます。追加性のある再生可能エネルギーを使うと、社会に再生可能エネルギーの電力が増えていくというものです。


 非化石証書(再エネ指定)には追加性が無いと整理されています。なので非化石証書付きの「実質再生可能エネルギー」の電気を使っても、世の中に再生可能エネルギーが新たに増えることはありません。


 分かりやすく言い換えると、自宅で使う電気のCO2排出量はゼロになるが、その分ほかの誰かが使う電気のCO2排出量は増えるという話です。


 非化石証書は固定価格買取制度によって買い取られた再エネと、昔からある大規模な水力発電に由来するものが大きな割合を占めています。固定価格買取制度は国の制度で、再エネ電力を決まった期間・決まった金額で買い取る制度です。そこに由来する非化石証書を買おうが買うまいが、太陽光パネルを所有している人の収益に影響しません。そのため、追加性が無いと整理されています。


再エネ賦課金を抑制する効果はある


再エネ賦課金の推移

再エネ賦課金の推移

 では、非化石証書は全く意味が無いのかと言われると、そうとも言い切れない部分もあります。


 再生可能エネルギーで発電された電力を決まった期間、決まった金額で買い取る「固定価格買取制度」があります。日本で導入されている太陽光や風力発電の多くがこの固定価格買取制度を利用しています。


 固定価格買取制度は再エネの普及を促進するため、再エネ電力を高い値段で買い取ります。買い取った電力は電力市場価格で売却されますが、基本的に売却損が発生します。この売却損を埋めるために、日本では電気を使うユーザーに「再生可能エネルギー発電促進賦課金」(通称「再エネ賦課金」)を負担させています。


 非化石証書がより多く、高値で売れると次年度の再エネ賦課金を抑制する効果が期待できます。


 近年、再エネ賦課金への風当たりが強まっており一部の過激な人たちが「再エネ賦課金廃止」を訴えています。再エネの普及に対して「お金を払ってもいい」と考える人が、非化石証書付きの電力を使うことでこうした批判を緩和する効果が期待できます。




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