5000以上の中から選ぶ「面白い」電気料金プラン
電力小売自由化により、これまでに無かった「面白い」電気料金プランも登場しています。5000以上の電気料金データベースを1人で作り上げ、管理している私が厳選して面白い電気料金プランを紹介します。
目次
特色ある電気料金プラン
特色ある「面白い」電気料金プランを紹介します。
水力発電の電気100%
- 東京電力エナジーパートナー アクアエナジー100
- 北陸電力 アクアECOプラン
上記の料金プランでは、水力発電でつくられた電力を「100%」供給する料金プランです。水力発電は発電時に二酸化炭素を排出しないため、環境負荷が小さな料金メニューとして訴求されています。
また、東電のアクアエナジー100(新規申し込み受付停止中)は、通常の電気料金プランで採用している燃料費調整制度を適用していません。通常の電気料金プランでは、天然ガスや石炭の輸入価格の変動に応じて毎月の電気代が増減しますが、アクアエナジー100ではそのような増減がありません。燃料価格が高騰する局面では割安になるというメリットもあります。
エネファーム発電100%の電気
大阪ガスが提供している「スタイルプランE-SHARE」では、エネファーム(家庭用燃料電池)で発電した電力を100%供給します。
エネファームはガスを化学反応させて熱と電気をつくります。熱はお風呂などのお湯に、電気はエネファームを設置している住宅で使うほか、使い切れない部分は売電される場合があります。その電気を供給するのが「スタイルプランE-SHARE」です。
スタイルプランE-SHAREで供給される電気のCO2排出量は1kWhあたり388g(2023年度計画値、21年度実績値)と、一般的な電力会社が供給している電力よりもやや排出量が少ないです。
毎月一定量まで「タダ」
エスエナジーが始めた「タダ電」は、毎月約150kWh分まで電気代が「タダ」という特徴的な料金体系です。ワンルームや1Kの一人暮らし世帯の平均的な電気使用量は170kWh程度なので、一人暮らし世帯は電気代が大幅に割安になるでしょう。
電気料金の単価自体は一般的な水準の2倍近いため、無料分を超えてくると大手電力標準メニューより大幅に割高になる場合があり、特にファミリー世帯や戸建住宅では注意が必要です。「一定水準まで無料」というのは他に例を見ない特徴的な料金体系と言えます。
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注意点も
芸能人・スポーツチーム応援系
芸能人やスポーツチームを応援する電気料金プランが相次いで登場しています。代表的なものは以下のとおり。
利用することで応援しているスポーツチームの選手強化費用を負担することが出来たり、利用者限定特典のグッズがもらえる、抽選で握手会などに参加できるといった特典が付いているものが多いです。電気代は少し割高に設定されている場合がありますが、そのスポーツチームや芸能人を応援している人にとっては、魅力的に感じると思います。私は最近、乃木坂46にドはまりしていますが、「乃木坂でんき」があったら多少高くても申し込んでしまうと思います。
サービス開始には至っていませんが、EXILEなどが所属する芸能事務所LDHが電気の販売に必要な登録を済ませており、LDHでんきという商標の登録も完了しています。
電気代の「安さ」だけではない選び方も
2016年の電力小売完全自由化以来、電力会社の選び方は電気代の「安さ」にばかり焦点が当たっていると感じます。これはメディアで「電力会社選び」が取り上げられるようになった2016年1月から一貫して変わらない傾向です。
ですが上で挙げたように、必ずしも電気代の「安さ」とは関係の無い部分で価値を訴求している電力会社や、供給する電気に「色」を付けて売ろうとしている電力会社も存在します。そのような努力をしている電力会社にも目を向けていただけると、電力小売自由化がより進展していくと思います。
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