市場連動型プランは今すぐ解約を。
もしこの記事を読んでいるあなたが、市場連動型の電気料金プランを契約しているならば、今すぐ解約してください。電気代が高額になる恐れがあります。以下、詳しく「今起きていること」を解説します。
目次
2020年末から暴騰を続ける電力の取引価格
市場連動型プランは「卸電力取引所」の取引価格によって電気料金が変動する仕組みですが、その取引価格が2020年末から2021年1月現在、暴騰を続けています。
電気代が大手電力の2倍超になる恐れが
通常、卸電力取引所の取引価格は冷暖房により電力需要が増える夏と冬に高騰します。ですが2020年末からの高騰は、例年を大幅に上回るものとなっています。
2016年〜2020年シーズン(今年)までの年末年始、12月26日から1月6日の、東京エリアの取引価格の推移です。
青い線だけが上方で推移していますが、これが今シーズンの価格です。期間中の「平均価格」を見ると更に分かりやすいです。
年度 | 平均価格 |
---|---|
2020年度 | 38.85円/kWh |
2019年度 | 7.36円/kWh |
2018年度 | 9.95円/kWh |
2017年度 | 9.78円/kWh |
2016年度 | 8.49円/kWh |
一般的な市場連動プランの場合、上記の「取引価格」に、託送料金や各新電力が加算する手数料が加えられるため消費者が支払う電気料金は1kWhあたり50円を超えます(東電など大手電力会社の料金単価は27円程度)
東京電力で40A契約、月300kWhの電力を使うと電気料金は6800円程度(燃料費調整を加算した金額)となりますが、現下の情勢で同じように市場連動型プランで電気を使うと請求額は1.5万円前後と2倍以上になります。
東電/従量電灯B | 6800円 |
---|---|
市場連動型 | 15000円前後 |
高騰の原因は「燃料不足」
取引価格が高騰している原因は、火力発電所の燃料不足です。
春先は新型コロナウイルスの感染拡大により、経済活動が停滞し電力需要が減少しました。それにあわせて電力各社は燃料(主にLNG)の調達を減らしましたが、2020年末から寒波の到来などを理由として電力需要が想定よりも増えています。電気新聞の報道によれば、厳冬だった17年度と比較しても1.1%多く、前年同期比で9.7%も電力需要が増えています。
燃料の在庫が無いため発電することが出来ず、卸電力取引所に出される電力が不足していることが取引価格の高騰を招いています。
価格高騰が春先まで続く恐れも
電気新聞の報道によれば、LNGのスポット市場では、通常「2ヶ月先」に受け渡す商品(LNG)を売り買いしており、追加で調達するよう手配してもすぐに日本にLNGが届くわけではないとのことです。
そのため、この冬いっぱいは燃料不足が解消されず、取引価格の高騰が続く恐れがあります。
市場連動でないプランへの切り替えを推奨します
市場連動型プランを利用することで、春先までに大手電力よりも合計で数万円割高な電気代を支払わなくてはならない可能性があります。直ちに市場連動でないプランへの切り替えを推奨します。
切り替えには日数が掛かる、今すぐ行動を。
電気の切り替えは、検針日をもって行われることが多いです。申込日から検針日までの残り日数によっては、切り替え完了が1ヶ月半以上先になることも珍しくありません。
今すぐ行動することをおすすめします。なお、当サイトでは今回のような事態を想定し、電気料金単価が市場連動型となっているプランを電気料金シミュレーションに掲載していません。
「自然電力」契約者の方へ
「自然電力」を契約している人については、中堅新電力のエルピオでんきが特例として検針日に関係なく最短3営業日前後(スマートメーター設置済みの場合)での切り替えに対応するとのことです。
エルピオは大手電力よりも割安な料金プラン(取引価格高騰の影響も受けない)を提供している点、また短期間で解約しても解約違約金などの発生が無い点でも切り替え先として推奨できるので検討してください。
詳細な申し込み手順などはエルピオでんき公式サイトを参照してください。エルピオの料金プランの特徴などは以下の記事で詳しく解説しています。
市場連動型でないプランはどうすべきか
市場連動型プランでない新電力、大手電力会社の料金メニューに関しては、取引価格の高騰の影響はありません。料金単価が数倍に跳ね上がるようなことはありません。
自分が契約しているプランが市場連動なのか確認する方法は以下の記事で詳しく解説しているので気になる人は参考にしてください。
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