柏崎刈羽原発の再稼働は新潟、東北電力エリアにも影響がある
2026年1月に13年ぶりに再稼働した東京電力の柏崎刈羽原子力発電所。原発がある地元には恩恵が無いとの声もありますが、実はそんなことはありません。数字を示しながら詳しく解説します。
目次
新潟にあるのに東京電力の柏崎刈羽原発
柏崎刈羽原発が再稼働しても地元の新潟県や東北電力エリアには恩恵が無い、との声があります。
発電された電力は東電エリアへ

柏崎刈羽原発は新潟県柏崎市と刈羽町にまたがって立地する国内最大の原子力発電所です。発電所を運営しているのは東京電力ホールディングスですが、東北電力エリアである新潟県に立地しています。
発電された電力は原則として東京電力エリアに送電されている(1号機は東北電力と共同開発している関係で出力の50%が東北電力へ送電されるが廃炉が予定されている)ことから、再稼働しても地元の電気代に対する恩恵が無いとの声が聞かれます。それは事実か、数字を交えて解説します。
柏崎刈羽原発の再稼働が東北電力エリアに与える影響
柏崎刈羽原発の再稼働が新潟県、東北電力エリアに与える影響を解説します。
間接的に電気代が下がる可能性
結論から述べると、柏崎刈羽原発でつくられた電力が東京電力管内に供給されているとしても、間接的に東北電力エリアの電気代を押し下げる効果があると言えます。
なぜそう言えるのか、詳しく解説します。
東電と東北電力エリアは電力価格が連動している
電力を取引する卸電力取引所というマーケットがあります。卸電力取引所では大手電力の供給エリアごとに「電気」が日々取引されています。
卸電力取引所での電力取引価格は、東京電力エリアと東北電力エリアがかなり強い相関性を持って値動きしています。分かりやすくすると「値動きが同じ感じ」ということです。
上のグラフは2026年1月19日の1日の電力取引価格の推移です。東京電力エリア、東北電力エリア、参考までに中部電力エリアを描画しています。
常に必ずそうなるわけではありませんが、この日は1日を通して東京電力エリアと東北電力エリアの電力取引は24時間を通じて全く同じでした。ここまで同一の値動きをする日も珍しいですが、東京電力エリアと東北電力エリアは値動きが似ていることが多いです。
続いて、上のグラフは2025年の月間平均のエリア別の電力取引価格の推移です。電力取引価格は主にLNGの輸入価格と電力需給で変動するため、全国的に似たような値動きになりやすいですが東京電力エリアと東北電力エリアはより強く相関しています。相関係数は以下のとおり。
| 地域 | 相関 | |
|---|---|---|
|
東北
|
0.924 | |
|
中部
|
0.885 | |
|
関西
|
0.835 |
相関係数は「1」に近づくほど、AとBが連動して動いていることを示します。東北電力エリアは月間平均値で見ても、東京エリアと近い値動きをしていることが分かります。
東電・東北電力エリアが連動している理由
では、どうして東京エリアと東北エリアは電力取引価格の連動性が強いのか。
東北電力エリアと東京電力エリアの間には、連系線といって地域間で電力を融通する送電線が整備されています。この容量が「極太」なので2地域間で双方向に電力を融通しやすい背景があります。
一方、同じく隣接している東京エリアと中部エリアでは電力取引価格の相関性はやや低くなります。これは東京・中部間の連系設備が「小さい」ことが背景にあります。同じく連系線の容量が大きい中国・四国・関西は相関性が強く、電力取引価格の価格推移が似ています。
普段は取引価格が連動して動いている地域でも、連系線がメンテナンスにより停止すると異なる値動きになります。連系線が電力取引価格の変動に大きく作用していることがこのことからも分かります。
結論:再稼働は新潟にも間接的な影響がある
したがって、柏崎刈羽原発が再稼働することで東京エリアの電力取引価格が下がり、その影響は東北エリアにも及ぶと言えます。
電力取引価格の下落は市場連動型プランを利用しているユーザーの電気料金に直接的な影響を与えます。また、市場連動型ではない一般的な料金プランを利用しているユーザーにもその影響は及びます。料金改定時に電力取引価格が考慮されるため、電力取引価格の水準が押し下げられることで電気代が安くなる一因となります。
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