住んで分かった 戸建て住宅が抱えるデメリット
今年春にマンションから新築の戸建てに引っ越した私。戸建てで暮らすのは7年ぶり2回目ですが、「マンションの方が良かったな・・」と感じることが多々あるので、普段ヒシヒシと感じる戸建て住宅のデメリットを紹介します。
目次
我が家の状況
本題に入る前に、簡単に我が家の状況を紹介します。
今年3月までマンション(1990年築)で暮らしていたのですが、再開発のため退去して今の戸建て(新築)に引っ越しました。親のお金で建てた家で、毎月相場と変わらない賃料を支払っていますが、ハウスメーカー選びから細かな仕様の決定まで、全て自分たちで納得して建てた「はずの」家です。10年くらいで退去してまた別の人に貸す予定なので、変なこだわりは出していませんが。
そんな我が家が毎日感じている戸建て住宅への不満を紹介していきます。
どうしても段差ができる
平屋でない限り、戸建て住宅には階段などの段差が出来ます。マンションであれば最近の建物はエレベーターが付いていますし、家の中の段差も少ないでしょうが、戸建てではそうはいきません。
バリアフリーの観点から問題が
マンションの玄関の「ほんの数センチ」の段差程度なら、車椅子も介助があれば簡単に出入りできます。しかし戸建ての場合は、玄関に入るにも階段1段分の段差があることが多いので、健康な私でも靴を履く・脱ぐの動作に不便を感じています。
また、階段は更に深刻です。
もし足をケガして歩けなくなったら、2階にある寝室までどうやって辿り着けばいいんだろう・・ と不安を感じます。また、新しい家なので階段は決して急ではないものの、つまずきそうになったことが既に何度かあります。危ないです。
ロボット掃除機を使いづらい
我が家ではロボット掃除機を導入していますが、残念ながらロボット掃除機は階段を昇り降りできません。なので本体を手で持ち運んで手動で移動させる必要があります。
最近のマンションであれば、家の中にほとんど段差が無いので、スイッチを一度押せば家中の掃除が完了するはずです。しかし戸建てではそうはいきません。面倒です。
ゴミ出しが面倒
戸建てに引っ越して一番面倒だと感じたのは、ゴミ出しです。
一人暮らしの頃もあわせて、これまで暮らしてきたマンションは建物内にゴミ捨て場があり、24時間いつでも好きな時にゴミを出すことが出来ました。スーパーのレジ袋にゴミが溜まったら、下に持っていくだけでゴミ出しが完了します(管理人さんに感謝です)
しかし戸建てではそうはいきません。
可燃物の回収は週2回。「ゴミの日」までゴミを家の中に保管しておく必要がある時点で嫌になりますが、朝8時までにゴミを家の前に置かなくてはなりません(戸別回収の地域です) しかもカラスにゴミを荒らされることも・・ 面倒です。
また、家の周囲の掃き掃除も非常に面倒ですし、雪国では雪かきの手間もありますね。仕事で札幌に居たことがありますが、同世代の道産子は「マンションは雪かきが無いから楽」と言っていました。
断熱性が低い
高気密を売りにしたハウスメーカーで家を建て、断熱材も発泡ウレタン。窓もLow-Eガラスにアルミ樹脂複合サッシで、営業マンいわく「うちの家は冬も暖かいですよ!」と聞いていたのに、全くそんなことはありませんでした。
夏暑く冬寒い
以前住んでいたマンションは1990年築ということで、ガラスも単板、サッシはアルミなので窓際は今の戸建てより寒かったです。しかし、家の中全体は明らかに今の戸建ての方が寒い!
マンションの時は暖房を消しても20分くらいは暖かい状態が持続しました。しかし今の戸建ては10分もしないうちに寒くなります。夏もなぜか夕方になるとエアコンを付けていても暑くなります(高気密は熱を溜め込みやすいとか)
また、エアコンが入っていないトイレや脱衣場、廊下などは本当に寒いです。マンションはトイレで寒いと感じたことは無かったので、全然違います。
光熱費が大幅に高くなる
断熱性が低ければ、その分光熱費も高くなります。
部屋の延床面積・間取りは以前とほぼ変わらず、生活パターンも食洗機を導入して電力消費が若干増えた程度しか変化が無いものの、光熱費は格段に高くなっています。
マンションで暮らしていた昨年12月の電気代は9388円(412.1kWh/30A)でしたが、今年は今のペースでいくと17000円(668kWh/40A)になってしまいます。東京ガスの電気でこの値段なので、東電なら19000円オーバーです。
しかも、リビングにガス式の床暖房も設置しているため、ガス代も大幅に値上がりしています。昨年12月のガス代の請求が5294円(39m3)に対し今年12月は7684円(61m3)に上昇しています。
若干の生活スタイルの変更を差し引いても、冬の光熱費は月1万円近い差になりそうです。
遮音性が低い
コンクリートは音を跳ね返すため、外の音が家の中に伝わりにくいです。しかし木造や軽量鉄骨ではそうはいきません。
道路に面しているということもあり、外で話している人の声が聞こえてきます。さすがに会話の内容までは分かりませんが、ご近所の誰の声なのかは判別が付きます。
戸建てでも、コンクリート板で覆われているヘーベルハウスなら幾分マシだそうです。
招かれざる客が多い
戸建てにはオートロックがありませんし、居留守も使いづらいため「招かれざる客」の来訪頻度が格段に増えます。
マンションに居た頃は、年に2回程度エホバの証人が来る程度でしたが、戸建てに引っ越してからは他の新興宗教や、シロアリ駆除やら、宅配牛乳やら色々来るようになりました。体感では2〜3倍くらい違います(ちなみに、住んでいる地域は以前と一緒です)
近所付き合いが意外と面倒
私が引っ越して来たのは、我が家が周囲一帯の土地を所有する古い住宅密集地。ご近所さんは我が家の店子さんですが、だからこそなのかもしれませんが、ご近所付き合いが面倒です。
戸建てはご近所同士の権利と権利がぶつかり合います。マンションだと同じ建物に住む「共同体」という意識が少なからずあると思いますが、戸建ては「我が城」なので容赦無いです。
家の補修のため、1時間ほど家の前の私道(完全に我が家の持ち分)に大工の車を止めておいたら交番に駆け込む隣人(団塊世代のおじいさん)とか、本当に勘弁してほしいです。自分自身は子供家族の馬鹿デカいアメ車を無断で路駐するくせに・・
まあご近所の質というのはマンションでも戸建てでも、運次第というところが大きいかもしれませんが、古い住宅密集地に新しく入っていくのはおすすめしません。
設備面で劣る
戸建て住宅でもお金を掛けてこだわれば、マンションよりも設備を充実させることも可能でしょう。しかし、お金を掛けても絶対に敵わない部分もあります。
共用設備
大規模マンションでは当たり前にあるエントランス(家に挙げたくない来訪者の対応に便利)、ライブラリールームやタワーマンションにあるような展望ラウンジなどは戸建てには絶対に無い設備です。
また、最近になって戸建て用の宅配BOXも普及が進みつつありますが、マンションでは既に当たり前の共用設備でしょう。ちなみに、戸建ての宅配BOXは小さなものでも5万円以上はします。
そもそも戸建てでは「共用設備」というものが基本的には成立しないので、共用設備で劣るのは当然です。
家の中の設備
家の中の設備については、お金を掛ければマンションよりも充実させることが可能です。その辺りの自由度は戸建ての方が高いです。
とはいえ、ディスポーザーのように戸建てには設置しづらい(コストが高い、地域によっては制度上の制約が厳しい場合も)設備もあります。
戸建てのメリットも紹介します
私はマンションデベロッパーの回し者では無いので、戸建てに住んでみてマンションより優れていると感じた点も紹介します。
子供が騒いでも気にならない
遮音性は低いですが、窓を閉めていれば泣き喚かれても近所迷惑になりづらいです。隣家の壁に触れるくらいの密集地で暮らしていますが、隣家の方から「あら、赤ちゃんがいたのね。」と入居して数ヶ月後に言われたこともあります。
また、マンションだと階下への音にも配慮が必要ですが、戸建てではその必要が全くありません。子供が一日中椅子を引きずり続けても大丈夫(フローリングは大丈夫じゃない)
収納を多く取れる
屋根裏部屋や階段下収納、床下収納は戸建てならではの収納スペースです。同じ床面積でも、戸建ての方が収納をより多く取れます(屋根裏部屋は床面積にカウントしないのが一般的)
賃料や購入価格が安く済む場合が多い
面積や駅までの距離などの諸条件が一緒の場合、賃料の坪単価に1割程度の差があることが多いようです。我が家は戸建ての他、アパートやマンションも保有していますが、賃料の計算式の坪単価が1割程度違います。
安い値段で広い家に住める点はメリットと言えるでしょう。
庭を作れる 土地があれば。
マンションではせいぜいベランダに鉢植えを並べるくらいしか出来ませんが、戸建てで土地があれば庭を作ることができます。
家庭菜園で野菜を育てたり、木を植えて季節を感じたり、芝生を敷いて子供と遊んだりできるのは戸建ての特権です。手入れは大変だけど。
まとめ 子育て世帯には戸建てもアリ
小さな子どもがいる世帯については、戸建てには大きなメリットがあると思います。上で紹介したメリット以外にも、マンションのベランダから転落して死亡する事故のことを考えても、低いところに住んだ方が安心でしょう。
ただ、子どもがある程度大きくなったら、戸建てはメリットよりデメリットの方が圧倒的に大きいのではないでしょうか。地域や個人の嗜好にもよると思いますが。
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