マルチエアコンを実際に使って感じたメリット・デメリット7選

広告

実際に使って分かったマルチエアコンの利点・欠点


 我が家では4ヶ月前にマルチエアコンを導入し、既に冷房・暖房シーズンを経験したのでそのメリット・デメリットをまとめます。導入を検討している人の参考になれば幸いです。



そもそもマルチエアコンとは何か


 そもそもマルチエアコンとは何か、簡単に解説します。


1台の室外機を複数の室内機で共有する


マルチエアコンのイメージ図

マルチエアコンのイメージ図

 エアコンは壁や天井に取り付けられる室内機と、屋外に置かれる室外機によって構成されます。家庭用エアコンの場合、室内機1台に対して室外機1台の「ペア」が一般的です。


 それに対してマルチエアコンは、1台の室外機を2台以上の室内機で共有します。


我が家でも2組・室内機4台導入しました


マルチエアコンの室外機2台

マルチエアコンの室外機2台

 ダイキン製のマルチエアコンを2組、室内機4台導入しました。2.2kW×2台と、2.2kWと4.0kWの組み合わせです。


 新築マンションに入居した際に導入しました。マンションの仕様上、マルチエアコンしか導入できない状況であったため、マルチエアコンを導入した次第です(ベランダが狭く、エアコンの配管も最初からマルチ用に用意されていた)


 機種はダイキンのPAC-40RVと、C22RTCXV・C40VTSXVWです。冷房・暖房とも使用した経験をふまえて使い勝手を紹介します。


マルチエアコンのメリット


 まずはマルチエアコンがペアエアコンに勝っている点をまとめます。


室外機スペースを圧倒的に狭くできる


 ペアエアコンの場合、ベランダに室外機を4台並べる必要がありますが、マルチエアコンを導入したことで2台で済みました。マルチエアコンの室外機はペアエアコンの室外機よりも一回り大きいものの、室外機に取られるスペースは大幅に小さくすることが出来ます。


 我が家のようにベランダが狭い場合など、室外機の設置スペースに制約がある場合はマルチエアコンは「救世主」とも言えるでしょう。十分なスペースがある場合でも、室外機に取られるスペースを節約出来るのは多くの場合利点となるはずです。


マルチエアコンの室外機

若干大きいマルチエアコンの室外機

起動が早い


 マルチエアコンはスイッチオンからの起動が早いです。これまでペアエアコンの住宅でしか暮らしたことがありませんでしたが、いずれもスイッチオンから暖房の温風が吹き出し始めるまでに2〜3分以上掛かっていたと思います。


 一方、マルチエアコンでは我が家のダイキンC22RTCXVの場合、スイッチオンから79秒後(記事執筆時の実測、他の室内機はオフの状態)には吹出口から温風が吹き出します。一般的なペアエアコンと比べて起動が圧倒的に早いと感じます。冷房も同様に早いです。


4.4kWのマルチエアコン室内機

4.4kWのマルチエアコン室内機

配管が少なく、外観が良くなる


 戸建ての場合、エアコンの室内機と室外機の位置関係によっては外壁に沿って長い距離を配管が這うことになります。1本ならまだしも、それが何本もあると見た目が美しいとは言い難いです。壁の中に配管を通す遮蔽配管もありますが、施工費用が高くなったりトラブル発生時の対処のハードルが上がるなどのデメリットもあります。


 マルチエアコンは室外機の数が減るため、ペアエアコンと比べると配管をすっきりとさせることが可能である場合が多いです。また、屋外に並ぶ室外機の台数も減るため、建物の外観の面でメリットがあると言えます。


床暖房などとの組み合わせも可能


 マルチエアコンの室外機は、エアコン室内機だけでなく床暖房やパネルヒーターとも接続が可能です。


 エアコンは空気を圧縮することで熱を生み出すヒートポンプという仕組みを利用しています。電気をそのまま熱に変える他の暖房器具(オイルヒーターやハロゲンヒーターなど)と比べて効率は数倍以上、つまり電気代や消費電力、CO2排出量も数分の1以下とエコです。マルチエアコンの室外機を利用した床暖房やパネルヒーターは消費電力が少ないエコな暖房器具と言えます。


マルチエアコンのデメリット


 使用している分には特にペアエアコンとの違いを意識することはありませんが、導入する際にデメリットを感じました。


本体価格が高い


 2.2kW×2台、2.2kW+4.0kWの合計4台で、工事費含めて63.8万円の費用が掛かりました(2段架台や4台分の室内用配管化粧カバー等も含めた値段)


 自動清掃などが付いていない、ベーシックな機種を大手家電量販店フランチャイズの街の電気屋さんに取り付けてもらいました。他の施工業者では同じ機種・構成で85万円の見積もりを提示してきた業者もあります。


 同等の機能のペアエアコンを4台取り付ける場合、諸々含めても50万円前後で可能ではないでしょうか。マルチエアコンは大幅に高いと言えます。


選べる機種の選択肢が少ない


 必ずしもポピュラーな商品ではないため、室内機・室外機ともに選択肢が幅広くあるわけではありません。例えば私はダイキンの加湿できるエアコン(うるさら)を検討したいと考えたのですが、そもそもマルチエアコンでは加湿機能があるものを選べないということで断念しました。


 また、数社の大手家電量販店に問い合わせたところ「マルチはダイキンしか取り扱っていない」と言われました。ダイキン以外のメーカーでもマルチエアコンを製造しているところはありますが、購入する店舗によってはダイキンしか選べないケースが少なくないです。


2.0kWのマルチエアコン室内機

2.0kWのマルチエアコン室内機

故障すると一括買い替えが必要


 室外機が故障した場合、その室外機に接続している室内機はいずれも利用出来なくなります。室外機を交換する場合、室内機もまとめて交換する必要が出てくる場合もあります。室内機・室外機が1対1のペアエアコンと比べると、故障時のリスクが大きいと言えます。


マルチエアコンは良いのか、悪いのか


 導入から使用まで含めて、結論をまとめます。


狭小住宅ならおすすめ


 ベランダが狭い等、室外機の設置スペースが限られている我が家のようなケースでは、マルチエアコンはおすすめです。


 例えばペアエアコンの一般的な室外機(幅66cm奥行き26.6cm)1台の面積は0.18平米です。70平米で8000万円のマンションで考えた場合、室外機1台を置くスペースに205714円掛かる計算です。4台置けば82.3万円分のスペースが取られますし、2段架台を2つ(2段重ねを2組)置いても0.8平米なので91.4万円分です。


 一方、同じく室内機4台をマルチエアコンで2段架台にすれば、45.7万円分のスペースで済みます。室外機を4台並べた場合と比べて36.6万円の節約になります。マルチエアコンの方がエアコンの費用は高いですが、スペースまでコストの勘定に入れると「お得」です。


 もっとも、スペースに制約が無く「スペースに掛かるコスト」を計算する必要が無い場合は、マルチエアコンはデメリットの方が大きいのではないか、と思います。


見積もり




関連記事

電力自由化とは? 停電のリスクは?
乗り換えでいくら安くなるの? 乗り換えで料金が値上がりするケース
新電力とは?

どうやって契約するの? 乗り換えのメリット・デメリット
乗り換えにかかる初期費用 乗り換えに工事は必要?
賃貸住宅でも乗り換えられるの? 解約する時の違約金は?
安くなる理由 電気の調達は?


地域別 電気料金比較表

電気料金比較シュミレーション

電力自由化Q&A

項目別おすすめ

人気の電力会社