電気代を安くしたいならオイルヒーターは捨てろ

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お財布と地球環境に悪いオイルヒーター


 オイルヒーターはお財布と地球環境に悪いと断言できます。実際に自宅で計測したデータを交えながら解説します。



1日8時間使用で1ヶ月数千円以上の電気代


 まずは実際に計測したデータを紹介します。


ミニオイルヒーターでの実測結果


 我が家では以前、一般的なオイルヒーターの半分ほどの大きさの「ミニオイルヒーター」を1シーズン使用しました。アイリスオーヤマ製です。一般的なオイルヒーターの消費電力は1400Wに対し、500Wと消費電力も小さなオイルヒーターでした。


アイリスオーヤマ IOH-505K


 実際にこのオイルヒーターを使用して、消費電力を計測した結果は以下のとおりです(詳しくは以下の関連記事にまとめています)


経過時間 「中」運転 「強」運転
30分 0.1kWh / 2.6円 0.14kWh / 3.6円
60分 0.17kWh / 4.4円 0.23kWh / 6.0円
90分 0.23kWh / 6.0円 0.35kWh / 9.1円
120分 0.3kWh / 7.8円 0.44kWh / 11.4円
150分 0.39kWh / 10.1円 0.53kWh / 13.8円

 最大出力の場合、2時間で11.4円。1時間平均で5.7円なので、8時間使うと45.6円。1ヶ月で1368円の電気代が掛かる結果となりました。


 計測した機種はオイルヒーターとしては小型のものなので、一般的なサイズのオイルヒーターでは1ヶ月に数千円以上の電気代が掛かるでしょう。


 なお、我が家では明らかに電気代が高くなってしまったので、1シーズンだけ使用してハードオフに引き取ってもらいました(買取価格は数百円だった)


誤解されている部分もあるにはある


 オイルヒーターの電気代に関しては、「誤解されている部分」があるのも事実です。


 一般的なサイズのオイルヒーターのカタログ上の消費電力は1300〜1500Wが一般的です。1400Wとして計算すると、1時間あたりの電気代は37.8円。8時間で302円、1ヶ月でなんと9000円という結果になります。


 ですが、実際には毎日8時間使っても1ヶ月の電気代が9000円になることはありません。


 オイルヒーターは使用中ずっとカタログ上の「消費電力」を消費するわけではありません。本体の温度が上昇すると、ヒーターによる加温を停止するため、オンオフを繰り返しながら部屋を暖めます。


消費電力の推移のイメージ図

オイルヒーターの作動イメージ


 私が計測した際は、スイッチ・オンの間の半分以上の時間は消費電力が「ゼロ」でした。機種によってはゼロにならない場合もありますが、使用中常に多くの電力を消費し続けるわけではありません。


オイルヒーターはなぜ電気代が高いのか


 とはいえ、オイルヒーターの電気代が「高い」のは事実です。その原因を解説します。


エアコンと比較して電気代は4倍以上


 電気をそのまま熱に変換するオイルヒーターやハロゲンヒーターと異なり、エアコンは空気を圧縮して、その熱を利用して部屋を暖める「ヒートポンプ」という仕組みを利用しています。


 ヒートポンプは少ないエネルギー投下で、多くのエネルギーを生み出す「魔法」のような仕組みです。


 エアコンのエネルギー効率を示すAPFという指標があります。オイルヒーターやハロゲンヒーターのAPFは「1」相当であるのに対し、家庭用エアコンは4〜5程度(暖房時)となっています。つまり、エアコンはオイルヒーターの4〜5倍効率が良い(=消費電力が少ない)ことになります。


CO2排出量も多い


 エアコンと比べて消費電力が4〜5倍ということは、つまりCO2排出量も4〜5倍大きいことになります。


 例えば私が計測に使用したミニオイルヒーターでは、2時間で0.44kWhの電力を消費しました。日本の一般的な電力会社の電力は1kWhあたり500gのCO2を排出して作られているので、ミニオイルヒーターを1時間使用すると110gのCO2が排出されます。1日8時間、1ヶ月使えば排出量は26.4Kgとなります。


 杉の木1本の年間のCO2吸収量は14Kg(出典:林野庁)なので、1シーズン4ヶ月とすると杉の木が7本以上必要になる計算です。


 もっとも、エアコンを使用しても電力を消費し、CO2が発生しますが、先にも紹介したようにオイルヒーターと比較して4〜5分の1のエネルギー消費で済むため、CO2排出量を大幅に削減することが出来ます。


電気代を安くする具体的な方法


 電気代を安くするには何をすればいいのか、具体的な方法を紹介します。


部屋全体を暖めるならエアコン一択


4.4kWのマルチエアコン室内機

エアコンは「エコ」

 部屋全体を暖めるのであれば、エアコンを使用するのが「圧倒的に」効率が良いです。同じ暖かさを得るのに使う電力は数倍以上の差があり、その分エアコンの方が圧倒的に電気代が安いです。


 エアコンも電気代が高いイメージがありますが、オイルヒーターを使うくらいならエアコンの設定温度を何度か上げた方が安く済みます。


ひざ掛け+ミニホットカーペットで暖まる


 エアコンだけでは寒い、という場合は補助的な「暖房」の使用がおすすめです。私が活用しているのは「ひざ掛け+ミニホットカーペット」です。


ホットカーペット

45cm角のミニホットカーペット

 ミニホットカーペットは座布団ほどの大きさのホットカーペットで、椅子に座った状態で足元を暖めるのにちょうどいいサイズです。私も在宅ワークの時に常用していますが、足元がポカポカと暖まって快適です。


 電気代も実測で1時間0.31円(弱)〜0.58円(強)と、オイルヒーターあるいはエアコンと比較して圧倒的に安いので気兼ねなく使えます。強だと熱いので弱で1日中使っていますが、8時間使っても2.48円、1ヶ月で74円と経済的・エコです。


割安な電力会社に乗り換える


 割安な電力会社に乗り換えることで、電気代の削減が可能です。地域や使用量によって異なりますが、一人暮らしの場合は大手電力より3〜6%、2人以上の世帯では5〜15%程度の削減が可能です。


 初期費用や工事は必要ありません。停電のリスクはどの電力会社と契約しても同じです。


 当サイトでは電気料金比較サイトとしては最多の449社の料金プランを比較できます(メディア掲載多数:産経新聞、週刊アスキー、女性自身ほか)


乾燥が気になる場合は


 エアコンの電気代が安いとはいえ、乾燥が気になる人もいると思います。対処法を紹介します。


ガス・石油ファンヒーターがおすすめ


石油ファンヒーター


 ガスファンヒーターや石油ファンヒーターは、使用しても部屋が乾燥しづらい暖房器具です。


 ガス(都市ガス、プロパンガス)や石油は、燃焼すると二酸化炭素に加えて水が発生します。この水分が部屋を加湿するため、「加湿器がいらない」という声も多いです。一晩使うと窓が結露します。


 エアコンはダイキン製の一部機種を除き、加湿が出来ません。加湿せずに温度を上げると、空気中の水分量が変わらなくても湿度は低下してしまうため、エアコンは「乾燥する」と感じやすいです。


 ガスファンヒーターであれば給油の手間もいらないので、便利です。


 燃料代はオイルヒーターの電気代と比較して「圧倒的に」安いです。


賃貸の場合は「仕方ない」


 賃貸住宅の場合、「石油ストーブ使用不可」という物件も多いですし、またガスファンヒーターを使うのに必要なガス栓が室内に無い場合も多いでしょう。賃貸住宅ではガス・石油ストーブは使いづらいと言えます。


 その場合はオイルヒーターを選ぶしかないと言えますが、そうでない場合は出来る限りオイルヒーターの使用は避けた方が良いと思います。


 ちなみに、オイルヒーターは賃貸住宅でも問題なく使用できます。




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