オイルヒーターの「本当の」電気代を計測した結果

広告

オイルヒーターの電気代を実測


 巷では「オイルヒーターの電気代が高い」という噂が定着していますが、それは事実なのか。今回自腹を切ってオイルヒーターを購入したので、実際に消費電力を計測して得られた結果をもとに詳しく解説していきます!



今回のテストの条件


 まずは今回のテスト条件を紹介します。


使ったオイルヒーター


アイリスオーヤマ IOH-505K


機種名 アイリスオーヤマ
IOH-505K
消費電力 500W
適用床面積 コンクリート:約3.3畳
木造:約2.2畳

 高さ38.5cmと、一般的なオイルヒーターの半分程度の大きさの「ミニオイルヒーター」です。消費電力も一般的なオイルヒーター(1200〜1500W)と比べて半分以下です。


 エアコンを切った木造戸建住宅・6畳部屋で、熱源はオイルヒーターのみという状況で計測を行いました。計測中も横で私がパソコン作業をしていましたが、上にフリースを一枚羽織るだけで過ごせるくらいの温度でした。


サンワサプライのワットモニター


電気代の計測結果


計測結果 電気代は1時間あたり○円


 計測した結果を発表します!


経過時間 「中」運転 「強」運転
30分 0.1kWh / 2.6円 0.14kWh / 3.6円
60分 0.17kWh / 4.4円 0.23kWh / 6.0円
90分 0.23kWh / 6.0円 0.35kWh / 9.1円
120分 0.3kWh / 7.8円 0.44kWh / 11.4円
150分 0.39kWh / 10.1円 0.53kWh / 13.8円

 起動直後の10分程度は500〜510ワット程度の消費電力で推移していましたが、中のオイルが暖まると一旦切れて「消費電力ゼロ」で推移、本体が冷めてくるとまた電源オンという動き方をしていました。


 起動直後を除けば、
 「中」で1時間あたり0.14kWh程度 =3.64円
 「強」では0.2kWh =5.2円


 という結果です。


 強で毎日8時間使うと、1ヶ月の電気代は1248円です。


オイルヒーターの消費電力量の推移


 なお、今回テストしたオイルヒーターはミニタイプのため、標準的なオイルヒーターではこの2倍以上の消費電力・電気代となるでしょう。毎日8時間使った場合、月の電気代は3000円程度になるはずです。


消費電力「500W」は誤解?


 「消費電力500W」であるならば1時間あたりの使用電力量は0.5kWh、電気代にして13円!という結果になるはずですが、そうならなかったのは何故か。


 結果のところでも説明したとおり、オイルヒーターは常に「500W」の電気を使い続けるわけではありません。オンとオフを繰り返しながら温度を保つので、常に500Wの電気を使うわけではないのです。


消費電力の推移のイメージ図

オイルヒーターの作動イメージ


 カタログに記載の「消費電力」は瞬間最大で使う電気の量を示しているので、必ずしも動作中ずっとその量の電気を使い続けるわけではありません。


 これはオイルヒーターに限った話ではなく、例えば有機ELテレビも液晶テレビと比べて「消費電力」では2倍ほどですが、年間消費電力量で見ると1.4倍程度で済みます。
 家電製品を見ると時のありがちな落とし穴です。


エアコンと比較してどうか


 電気を熱に替える際の効率を示す「APF」という単位があります。
 オイルヒーターや電気ストーブのように、電気をそのまま熱に替える暖房器具のAPFは「1」です。


 それに対しエアコンは、APFが4以上が当たり前なので、オイルヒーターと比べて4倍以上効率が良いです。


エアコン


 電気をそのまま熱に替えるオイルヒーターに対し、エアコンは空気(外気)から熱を取り込むヒートポンプという仕組みを取っています。ヒートポンプは少ない電気でより多くの熱を生み出すことが出来ます。


 部屋を同じように暖めようとすると、オイルヒーターはエアコンの4倍の電気代が掛かるというのが結論です。


オイルヒーターの電気代を安くする方法


 オイルヒーターの特性をふまえて、電気代を削減する方法をアドバイスします。


こまめに消さない


 オイルヒーターが最も電気を消費するのは、起動してから中のオイルが暖まるまでの時間です。


オイルヒーターは付けっぱなしが効率良い


 したがって、短時間にオンオフを繰り返すことでかえって消費電力量が増えてしまいます。私が購入した機種のイメージだと、20〜30分ほど席を外すくらいなら、付けっぱなしの方がよさそうです。


 暖まるまでに時間も掛かるので、付けっぱなしにするのがおすすめです。


電力会社を乗り換えると電気代が5〜20%安くなる


 電力会社を変えるだけで電気代を5〜20%程度削減できるので、オイルヒーターの電気代もその分安くなります。


 平均的な世帯で、年間1〜2万円程度の節約になります。
 手続きはWEBで5分程度あれば完了します。手数料なども掛かりません。賃貸でも問題ありません。当サイトの電気料金シミュレーションで検索してみてください。


他の暖房器具と併用する


 オイルヒーターはどうしても部屋全体を暖めるまでに時間が掛かります。また、電気代もエアコンと比べると構造的にどうしても高くなります。


 そこでおすすめなのが、他の暖房器具と併用するという使い方です。
 エアコンや石油ファンヒーターなど、即暖性が高い暖房器具と併用すれば部屋がすぐに暖まりますし、オイルヒーターの設定温度を下げられるので節約になるでしょう。


オイルヒーターはエアコンと併用がおすすめ


 私はいつもエアコンとオイルヒーターを併用しています。
 オイルヒーターだけ使いたいという場合は、エアコンやオイルヒーターで部屋全体が暖まったらオフにし、後からオイルヒーターのみの利用に切り替えるとよいです。


 エアコンは「ヒートポンプ」といって、室外機で屋外の空気から「熱」を集め、それをもとに部屋を暖める仕組みをとっています。これは非常に効率が良い仕組みなので、部屋全体を暖めるという目的ではこれに勝る効率を持つ暖房器具は存在しません。
 エアコンを上手く活用することをおすすめします。


オイルヒーターを使った感想


 オイルヒーターを使ったことが無い人も多いと思いますし、私自身も今回が初めてだったので、使ってみた感想を紹介します。


無音で使えるのは良い


 エアコンやファンヒーターなどとは異なり、ほぼ無音で使えます。少なくとも動作中は「完全無音」です。


オイルヒーターは無音


 私が買った機種が安物だったせいか、温度が上がりすぎた時に自動で電源が一旦切れる際に「カチッ」という小さな音が聞こえるのですが、それ以外は全く音がしません。


 エアコンの音ですら不快に感じてしまう繊細な私にはぴったりです。


部屋が乾燥しない


 私はエアコンを使いつつ、足元にミニオイルヒーターを置いて暖を取っていますが、オイルヒーターを使うようになってからは部屋の乾燥が緩和されたように感じます。


 以前から加湿器を使っていますが、それでもエアコンを使うと乾燥を感じていました。が、オイルヒーターを使ってからは部屋の空気に潤いを感じます。オイルヒーターがあるおかげで、エアコンの風量が弱くなり、乾燥が抑えられているのだと思います。


暖まるまでに時間が掛かる


 電源をオンにしてから本体が暖かくなるまでに10分近く、さらにその周囲から部屋全体が暖かくなるまでにはそれ以上の時間が掛かります。


 即暖性という点では、エアコンや石油ファンヒーターなどの方が圧倒的に高いです。オイルヒーターは数時間以上連続で使うようなシーンでの利用におすすめです。


 トイレや脱衣場のように短時間使う場所には「ハロゲンヒーター」や「セラミックヒーター」が最適です。本体価格もオイルヒーターより安く、コンパクトです。


ハロゲンヒーター

短時間の利用ならハロゲンヒーターなどがおすすめ

ふるさと納税でオイルヒーターがもらえる


 ふるさと納税の返礼品としてオイルヒーターを提供している自治体があります。ふるさと納税サイト「ふるなび」や「楽天ふるさと納税」ではタイミングによっては掲載されているので、チェックしてみてください。




関連記事

地域別 電気料金比較表

電気料金比較シュミレーション

電力自由化Q&A

項目別おすすめ

人気の電力会社