女川原発2号機の再稼働で電気代の値下げはあるの?東北電力の公式見解は

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女川原発の再稼働で東北電力の電気代値下げはあるのか


 再稼働が予定されている女川原発の2号機。この再稼働で東北電力は電気代を値下げするのか、電気代への影響を多角的に解説します。



女川原発の再稼働スケジュール


 まずは女川原発の再稼働のスケジュールをおおまかに紹介します(2024年1月8日現在)


スケジュール・現状
1号機 廃炉
2号機 2024年5月再稼働予定
→数ヶ月の延期を発表
3号機 審査未申請

 2号機の再稼働が2024年5月に予定されています。1号機については廃炉済み、3号機については新規制基準への適合性審査への申請をまだ行っていない状況で、再稼働する見通しは立っていません。


 なお、東北電力では女川原発のほかに東通原発の1号機が現在審査中となっています(2号機は建設を「計画中」)


 2024年1月10日追記:東北電力は安全対策の工事の遅れから、女川原発2号機の再稼働の予定を「数ヶ月」延期することを発表しました。


女川原発の再稼働で電気代の値下げはあるの?


 女川原発の再稼働によって電気代の値下げはあるのか。東北電力の動向を解説します。


東北電力の公式見解は


 女川原発の再稼働について、東北電力は決算説明会(2023年5月)の中で以下のように説明しています。


Q3.女川 2 号機の再稼働は、電気料金を値下げする契機にならないという理解で良いか。
A3.今回の規制料金の値上げにあたっては、女川 2 号機の再稼働を織り込んでおり、女川2号機が再稼働したからといって、自由化料金を含め、すぐに値下げを実施することは考えていない。そのような中で、想定以上に収支が改善した場合には、株主さまやお客さま等、ステークホルダーの皆さまへの還元について検討していく必要があると考えている。お客さまからは、女川 2 号機再稼働後の値下げのご要望をいただいているが、当社としては、財務基盤の回復が最優先であると考えており、値下げについてはこれらの状況を見極めながら検討する必要がある旨を説明している。

引用元:2022年度決算説明会における主な質疑応答(東北電力)

 つまり、女川原発2号機が再稼働したからといって電気代は値下げしないということです。


 東北電力では2023年6月に料金の値上げを実施しています。この値上げを行うにあたって、女川原発2号機が「2024年2月」に再稼働することを織り込んで料金算定が行われています。なので値下げしないというよりも、「既に織り込み済み」と表現するのが正確かと思います。


 女川原発2号機の再稼働により、東北電力では差し引きで年間372億円のコスト削減になると試算しており、料金原価を2%押し下げるとしています。このコスト削減効果は既に織り込んだ上で料金を算定しています。


市場連動型プランの電気代は下がる可能性


 女川原発の再稼働により、東北電力の一般的な料金プランの電気料金には直接の影響はありません。ですが新電力の一部(家庭向けを含む)や東北電力の中でも法人向けの高圧電力などで採用されている市場連動型プランについては、電気料金がやや下落する可能性があります。


 女川原発2号機は東日本エリアの中でも規模が大きな発電所です(82.5万kW) この発電所が稼働することで、東北を含む東日本エリアの電力需給がやや緩和する効果が期待でき、結果として電力の取引価格がわずかに下落する可能性があります。


電力取引価格

電力取引価格は電力需給にも左右される

 市場連動型プランは電力取引価格に電気料金が連動するため、女川原発の再稼働により電力取引価格が下落することで、電気料金が「値下がり」する可能性があります。とはいえ数字で見て「目に見える」ほどの効果にはならないでしょう。


 市場連動型プランは電力取引価格が高騰すると電気代が高額になる恐れがあるため、利用は慎重に検討してください。東北電力と比較して「2割安くなるかもしれないが2倍以上になることもある」のが市場連動型プランです。当サイトでは基本的に市場連動型プランの利用を推奨しません。


今後の値下げの可能性は?


 今後の値下げの可能性ですが、可能性として指摘するとすれば青森県にある東通原子力発電所1号機の再稼働が実現するタイミングです。


 東通原子力発電所1号機は現在、新規制基準の適合審査を受けている段階です。審査に合格し、そして地元の同意を経て再稼働すれば東北電力が電気代の値下げを検討する可能性があります。東通原子力発電所の再稼働は現在の料金算定には織り込まれていません(見通しが立っていないため)


 原発の規模も女川原発2号機(82.5万kW)を上回る110万kWと規模が大きいため、再稼働することで電気代の値下げが期待できます。


新電力への切り替えで電気代が安くなる


 割安な新電力に切り替えることで電気代を削減することが出来ます。東北電力管内では以下の電力会社の電気代が安いです(以下、東北電力との料金比較)


シュミレーション条件
お得率と年間節約額
1人
20A / 月170kWh
2人
30A / 月348kWh
3人
40A / 月391kWh
4人
50A / 月437kWh
ミツウロコでんき
従量電灯B公式サイト
+1657円 -3062円 -4342円 -5711円
出光でんき
Sプラン公式サイト
-408円 -2851円 -4089円 -5414円
ミツウロコでんき
シングル応援公式サイト
-228円 -1719円 -2524円 -3385円



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