楽天モバイルの衛星通信スペースモバイルのメリット・デメリット

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普段使いのスマホで衛星通信 楽天モバイルの新サービスとは


 普段使っているスマートフォンで衛星通信が出来る「スペースモバイル」という新サービスを楽天モバイルが開始予定です。スペースモバイルとは何か、メリット・デメリットを解説します(記事執筆時点での記者発表情報などを元に解説します)



スペースモバイルとは


衛星


 携帯電話向けの衛星通信サービスとして、楽天モバイルが提供を予定しているものです。


 楽天や英国ボーダフォンなどが出資しているAST SpaceMobile(米国テキサス州)が通信事業者としてサービスを提供する予定です。AST社が低軌道衛星を打ち上げ、衛星を介して市販のスマートフォンで通信が出来るというサービスです。


 日本でのサービス開始は「2026年内」を予定しています。


スペースモバイルのメリット


 スペースモバイルのメリットを整理します。


屋外から圏外が無くなっていく(洋上・山中でも)


 衛星通信サービスは、打ち上げる衛星の数にも左右されますが「空が見える場所」であればどこでもスマホの通信が可能になります。僻地や長距離フェリーの船上など、まだまだ携帯電話の電波が届かないところはたくさんあります(楽天モバイルに限らず) 大手キャリアでも、日本の国土に占める面積カバー率は60%と言われています(KDDI:2023年) そのような場所が今後、圏外でなくなっていくのがスペースモバイルの最大のメリットと言えます。


船


 また、地上の基地局からの電波が届きづらい高層階の窓際でも通信が可能となる可能性があります。私は以前、楽天グループの本社の真上にあるエクセルホテル東急の高層階の部屋に宿泊した際に楽天モバイルが圏外となったことがありますが、こうした高層階でもモバイル通信を利用できるようになる可能性があります。タワーマンションにお住まいの方や、高層ビルのオフィスで仕事をしている方にもメリットがあるかもしれません。


エクセルホテル東急

楽天モバイルが圏外になったエクセルホテル東急

高速通信が可能



 スペースモバイルは実証実験の段階で14Mbpsの通信速度を実現しています。これは一般的な4Gの通信回線よりも「やや遅い」程度の通信速度で、スマホで普段行っている動画の視聴やメールの送受信といった多くの作業に耐えうる通信速度です。


 将来的には120Mbpsを実現することを目標として掲げており、4G回線と同等以上の通信速度を目指しています。


 KDDIがスペースX社と組んで2024年内のサービス開始を目指している衛星通信サービス(専用アンテナ不要)では、サービス開始当初は「SMSの送受信」程度の利用に留まり、高速での通信はできません(音声・データ通信は今後対応予定)


従来のスマホだけで利用できる


 スペースモバイルは特別な機材を必要とせず、既に普及している一般的なスマートフォンのみで通信を行うことが出来ます。


 専用の衛星電話設備を用意したり、あるいはスターリンクのように大きな専用アンテナを設置する必要も無く、機種変更の必要さえも無いのがメリットといえます。


 通常の4G・5Gのモバイル回線とシームレスで通信サービスを利用することが出来ます。


災害時に役立つ


大災害


 地震などの大規模災害が発生した際に、携帯電話の基地局が損傷を受けたり停電によって携帯電話の通信回線が使用不能となることがあります。携帯電話各社は停電時にも基地局を稼働できるよう24時間程度稼働できる蓄電池や発電機を備えて対策していますが、停電が長期化した場合には基地局が続々と停波していく場合があります。


 スペースモバイルは高度730Kmの宇宙空間に浮かぶ衛星を介して通信を行うため、地上で起こる災害の影響を受けません。地震や津波の影響を受けることはありえませんし、停電の影響も受けません。


 2024年1月に起きた能登半島地震ではテレビ放送に必要な中継局の停電により地上波テレビ放送が最大23日間にわたって停止した地域もありました。スペースモバイルのような衛星通信サービスがあれば、このような困難な状況下でも情報収集を行うことが出来る可能性があります。


楽天モバイル公式サイト

スペースモバイルのデメリット


 スペースモバイルにはデメリットもあります。


遅延が大きくなる可能性


 通信速度についてはスマホで使用するには「十分な」水準が期待されていますが、仕組み上どうしても遅延が大きくならざるを得ないと言われています。


 衛星通信サービスは地上にある地上局と人工衛星が通信をし、更に人工衛星から地上のスマートフォンが通信を行います。通常の4G回線と比較して遅延は大きくなるでしょう。


 専用のアンテナを使用するスターリンクでは、遅延は39〜57ms程度と言われています。この程度の遅延であればビデオ会議などにも対応できるでしょう(スペースモバイルについては詳細不明)


モバイル通信より低速


 通信速度は将来的に120Mbpsを目指すとしていますが、現状では14Mbpsと4G回線と比較してやや遅いです。スマホでの日常的な使用には特にストレス無く使える通信速度ではありますが、パソコンをテザリングなどで接続して使用することを想定すると「やや低速」と言えます。


利用には追加料金が掛かる可能性


 楽天の三木谷社長は2024年2月に行われた記者会見の場で、スペースモバイルが使える上位プランを楽天モバイルに用意するのかとの記者からの質問に対し「今考えている。」と答えています。


 楽天モバイルでスペースモバイルの提供が開始された際には、オプション扱いとなる可能性があります。


地下・建物内では通信できない


建物内


 高度730Kmの衛星と通信を行うため、地下や建物内では通信できません。基本的には「空が見える屋外」で利用できるサービスと認識しておくべきです。


 屋内であっても、窓際では通信できる場合もあると思います。例えば長距離フェリーの窓際、山小屋の客室の窓際などが想定できます。


悪天候時の安定性


悪天候


 衛星放送と同様に、大雨や降雪時など悪天候時に影響を受け通信しづらくなる可能性があります。大雨だけでなく、雲が多い日にも通信速度が低下する場合があります。


 既に国内でのサービス提供を開始しているスターリンクにおいても、大雨の時に通信出来なくなったとする利用者の声が聞かれます。衛星通信は天候に弱い部分があると言えます。


楽天モバイル公式サイト



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