電気代や消費電力をリアルタイムで確認するには
毎月届く電気代の請求や検針票を見ても、1ヶ月分の電気代や使用量しか分かりませんが、それらを「リアルタイム」で確認する方法が登場しています。詳しいやり方を分かりやすく解説します。
目次
電気代はリアルタイムで確認できる時代になった
自宅の電気代や消費電力量は、リアルタイムで計測することが可能です。具体的な方法を紹介します。
スマートメーターを通じて確認出来る
従来のアナログ式の電力メーターに代わって、国内で導入が進められている「スマートメーター」と呼ばれるデジタル式の電力計があります。
従来のメーターは目視で使用量を確認することが必要でしたが、スマートメーターでは無線通信を使って遠隔で検針(使用量の確認)を行うことが出来るほか、30分単位で使用量を計測することが可能です。
スマートメーターによって、家庭の電気代や消費電力をリアルタイムで確認することが可能となりました。
なお、スマートメーターへの交換は全国で順次進められており、無料です。ただし電力会社に頼めば誰でも交換してもらえるわけではなく、新電力に契約を切り替えた人や、メーターの交換時期が来たもの、あるいはスマートメーターを利用したサービスの利用を申し込んだ人などが対象となります。この記事の以下で紹介する方法を実行する場合は、交換してもらえる可能性が高いと言えます。
スマートメーターは希望をすれば優先的に取り替えてもらえるのですか?
従来のメーターの検定有効期間満了に伴う定期的な取替、新築等にあわせての設置、電力メーター情報発信サービス(Bルートサービス)のご利用申込みをいただいたお客さまへの設置を基本としておりますが、2016年1月からは、電力小売全面自由化(2016年4月開始)に伴い、電気の供給者変更(契約切替)のお申込みをいただいたお客さまへの設置を開始しております。
上記以外で、お客さまが設置をご希望された場合にはお応えしておりませんので、ご了承下さい。引用元:よくある質問(東京電力パワーグリッド)
電力計はスマートメーターに限らず、電力会社(正確には送配電網を管理する会社:関西電力等)の所有物で、新電力に切り替えた場合も関電や中電のスマートメーターで計測が行われます。
追加で専用機器の設置が必要
スマートメーターを設置しただけでは、電気代や消費電力量をリアルタイムで「見る」ことは出来ません。専用の機器の設置が必要です。
代表的なものは「HEMS」と呼ばれるシステムで、大手電機メーカーなどが販売しています。このシステムを導入することで、自宅に設置したモニターやPC、スマホからリアルタイムで消費電力量を確認することが出来ます。ただし設置には工事が必要で、本体価格と合わせると導入費用は10万円前後と高額です。
また、使用量を見るサービスの利用に月額数百円の手数料が掛かる場合もあります。
大手メーカーのHEMSは高額ですが、NextDrive Cube J1という機器は16000円程度で購入でき、またコンセントに挿すだけで設置工事も不要なので手軽に導入出来るでしょう(賃貸住宅でも問題なく導入出来る) 積算の消費電力量のほか、現在の瞬間の消費電力も確認出来ます。5cmほどの小さなキューブです。
いずれも機器を設置した上で、電力会社にスマートメーターの「Bルートサービス」の利用申請を行い、発行されたIDとパスワードを使うことで接続が可能となります。申請は無料です。新電力と契約している場合も、スマートメーターの所有者である大手電力会社の送配電部門に申請してください。
機器ごとの消費電力はワットモニターで計測
家全体の電気代や消費電力量はスマートメーターとHEMSを通じて確認出来ます。それに対して各機器ごとの電気代や消費電力量は「ワットモニター」で計測するのがおすすめです。
リアルタイムの消費電力を計測できる機器で、家電量販店などで数千円程度で購入できます。ワットモニターを利用して様々な電化製品の消費電力を計測した記事を公開しているので、こちらもあわせてご覧ください。
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無料で簡単に出来る方法も
これまで紹介した方法は、いずれも専用の機器の導入が必要となり、費用も掛かります。以下で紹介する方法は「無料で」電力消費量を確認出来る方法です。
新電力の「見える化」サービスを使う
多くの新電力では、ウェブサイト上で自宅の電力消費量を確認できる「見える化」サービスを提供しています。利用にあたっては特に費用などは掛かりません。電力会社を新電力に乗り換えるだけで利用出来るので、工事や難しい設定も一切不要で使えるサービスです。
30分ごとのグラフや表で自宅の電力消費量の推移を確認できます。瞬間の消費電力は確認出来ません。
ただし最短でも数時間は遅れる
ただし、多くの新電力の「見える化」は、データの反映が1日1回まとめて行われます。それではリアルタイムとは言えないでしょう。
また、データが順次更新・反映される新電力についても、更新は「1〜2時間遅れ」となるため、瞬時にデータが反映されるわけではありません。
私がこれまでに利用した新電力10社の中で、データが順次更新されていたものは以下のとおりです。
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