スマート契約(実量制)とは

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「スマート契約」の電気のプランって何なの?


 電力会社を選ぶ際、あまり多くはありませんが「スマート契約」という形態のプランがあります。こうしたスマート契約のプランの特徴やメリット・デメリットや、賢く使うコツを紹介します。



スマート契約(実量制)とは


 まずはスマート契約とは一体どんなものなのか、分かりやすく説明します。


基本料金の決まり方が違う


 スマート契約が従来のプランと何が違うのかというと、基本料金の決まり方が違います。


 これまで家庭用の電気のプランは、電気をどのように使おうが毎月決まった基本料金が発生します。これをブレーカー契約やアンペア契約といいます。


 それに対しスマート契約では、電気の使い方に応じて基本料金が「変動」します。


スマート契約は最大使用量を見る


 過去1年間の電気の使用量を見て、最も電気をたくさん使った時の使用量を元に基本料金が決まります。


 現在普及が進む「スマートメーター」と呼ばれる次世代型の電気メーターは、各家庭の電気使用量を30分ごとに把握することが可能です。この30分ごとの電気の使用量を見て、その最大値を元に基本料金を計算します。


 例えば2月12日の18:30〜19:00に5kWの電気を使ってそれが「過去最高」だった場合、その5kWという使用量を元に基本料金が決まります。


よくある誤解


 アンペア契約では電気を瞬間的に「同時に」たくさん使うとブレーカーが落ちました。


 一方、スマート契約は瞬間的にどれだけ使おうが、基本料金には影響がありません。


 大事なのは「30分間で」どれだけ使ったのか、という点です。ブレーカーが落ちるくらいたくさんの電気を、30分間ずっと使い続けてしまうと基本料金が上がる可能性があります。


30Aのブレーカー


スマート契約のメリットは?


 では、ややこしい感があるスマート契約にはどんなメリットがあるのか。解説します。


使い方次第で基本料金が安くなる


 同時に多くの電気を使わなければ、基本料金が安くなり結果として電気料金の節約に繋がる場合もあります。


 「賢く」使うことで節約が可能になるのが「スマート」契約です。


ブレーカーが落ちにくくなる


ブレーカーが落ちて停電


 従来のアンペア契約では「瞬間的に」電気をたくさん使うとブレーカーが落ち、停電します。


 それに対しスマート契約では、契約したアンペア数による制約は無くなります。したがってこれまでよりもブレーカーは「落ちにくく」なります。


 ただし、安全上の理由から上限があるため、ブレーカーが全く落ちなくなるというわけではありません。


スマート契約のデメリット


 続いて、スマート契約のデメリットを紹介します。


基本料金が逆に高くなるリスクも


 最大のデメリットは、使い方次第で基本料金がかえって高くなるリスクがある点です。


 特に複数人で同居している場合は、各人がそれぞれ部屋で家電製品を使うと、それが基本料金に跳ね返ってくるリスクがあります。


料金の試算が難しい


 例えば東京電力エナジーパートナーでは、スマート契約する際の目安を以下のように紹介しています。


現在の契約A スマート契約推計値
30A 2kW
40A 3kW
50A 3kW
60A 4kW

 これはあくまでも理論値です。各家庭の環境によっては前後する場合もあるので、契約する前に基本料金を推定するのが難しいです。


 LooopでんきHTBエナジーと契約すると、ウェブ上で自宅の電気使用量の推移を30分ごとのグラフで確認することができます。


Looopでんきの見える化のグラフ


 スマート契約を検討する場合は、一旦そうした「見える化」サービスがある新電力を1年間利用し、自宅の電気の使用状況をちゃんと把握することをおすすめします。


 特に使用量が伸びがちな真夏と真冬は要チェックです。


ストレスになる可能性がある


 ブレーカー契約であれば、どんな使い方をしても基本料金が変わることはありませんでした。何も考えずに電気を使える、という点ではストレスフリーです(もちろん、使いすぎるとブレーカーが落ちますが)


 スマート契約では、ユーザー自身が「賢く」電気を使うことが重要になります。これまでのように自由に電気を使うことが出来ず、窮屈さや不便さを感じる可能性もあります。


賢く利用するコツ


 最後に、スマート契約を「賢く」利用するのに役立つ情報を紹介します。


注意すべき季節・時間帯は


 スマート契約を利用している家庭で一番注意が必要な季節・時間帯が2つあります。


 一つ目は「真夏」の「お昼過ぎ」です。暑いのでエアコンをフル稼働させる家庭が多いと思います。日本全体で見ても電力消費のピークの一つがこのタイミングです。


 もう一つは「真冬」の「夕方〜夜」です。電気を使った暖房器具(エアコンやヒーターなど)を利用している家庭は注意してください。真夏と並んで電力消費量のピークとなっています。


 とりわけ気をつけたいのは、帰宅直後です。暑い/寒い部屋に帰ってきて、まずエアコンのスイッチを入れる人が多いと思いますが、エアコンは起動してから部屋の温度が安定するまで時間が最もたくさん電気を消費するためです。


特にエアコンの起動直後は要注意


家電の使い方を工夫しよう


 スマート契約で大事なのは、電気を同じ時間帯にたくさん使わないことです。


 例えば我が家では食洗機やドラム式洗濯機を使っていますが、これらの家電の使用を家族が寝静まっている間にずらすのも一つの手です。


 少なくとも、帰宅直後のエアコンがフル稼働のタイミングで家事を片付けるとか、あるいは家族で外から帰ってきて一斉にそれぞれの部屋でエアコンを付けるというのは避けましょう。


 また、エアコンは1日中「つけっぱなし」の方が消費電力量を抑えられるケースもあります。「見える化」で確認しながら、ベストな使い方を探してみてください。


役に立つグッズ


 帰宅直後に家事をやるな、と言われても難しいケースも多いと思います。


 そんな時は、外出先からでも自宅のエアコンをオン/オフにできるNature Remoという「スマートリモコン」を使いましょう。外出先からスマホでエアコンなどの家電の操作が可能になるので、これを使って帰宅1時間〜30分前くらいにエアコンを起動してください。


Nature Remo


 家に着く頃には部屋の温度が安定し、エアコンがフル稼働ではなくなっているので、使用量の分散が可能になります(おまけに部屋も快適)


 Nature Remoから赤外線を発射できるので、エアコンが最新式でなくても操作できます。




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