エアコン不要の避暑地に行けば二酸化炭素排出量を削減できるのか計算してみた

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エアコン不要の避暑地への避難は地球温暖化対策になるのか


　近年続く異常な酷暑。東京都心などではエアコン無しの生活が考えられない日が続いていますが、そんな中でもエアコン不要で暮らせる避暑地が存在します。避暑地に「避難」しエアコンを使わない生活を送ることで二酸化炭素排出量を削減できるのか、計算しました。



前提条件


　まずは計算の前提条件を設定します。



　渋谷のスクランブル交差点から、軽井沢駅（長野県軽井沢町）までの移動を設定しました。参考までに2024年7月30日の予想最高気温を整理します。


地点 最高気温
東京 37度
軽井沢町 30度

　正直、軽井沢駅周辺でエアコン無しで「快適」に過ごせるかと言われると若干怪しい部分があり、より標高が高く気温が低い北軽井沢や草津を目的地として設定するか悩みどころですが、計算が面倒になるので軽井沢駅を目的地として設定します。軽井沢駅周辺は東京ほどではありませんが、暑いです。


真夏でも涼しい旧軽井沢

真夏でも涼しい旧軽井沢

　車の燃費に関しては、車1はスバル・レヴォーグの長距離移動時の平均的な燃費を、車2はカローラツーリングハイブリッド（ハイブリッド車）の長距離移動時の平均的な燃費を設定しています。


カローラツーリングハイブリッド




計算結果


　計算結果は以下のとおり。


車で移動した場合


　車で移動した場合の排出量と、エアコンを使わないことで削減できる二酸化炭素排出量を比較します。


排出量
車1 往復排出量
スバル レヴォーグ		 62.5Kg
車2 往復排出量
カローラツーリングハイブリッド		 36.9Kg
エアコン無し削減量 1.3Kg/日

　レヴォーグで移動した場合は48日間、カローラツーリングハイブリッドで移動した場合は約28日滞在しないと、エアコンを使わないことで削減できる排出量分を往復時に発生する排出量が下回り、排出量超過となります。


　都内では徒歩圏内にスーパーなどがありますが、軽井沢では基本的に車移動となるため、日常生活の中で車を使わない人が避暑地で車移動をすることで排出量が増える部分もあります。


カローラツーリングハイブリッドの燃費

カローラツーリングハイブリッドの燃費

　CO2排出量ゼロの電気で充電した電気自動車で移動することで、移動時の排出量をゼロとすることができますが、その場合自宅のエアコン使用による排出量もゼロなので削減効果はプラスマイナスでゼロになります。


鉄道で移動した場合


軽井沢駅


　鉄道で移動した場合の排出量はどうか、Yahoo!路線のスマホアプリ上に表示されるCO2排出量の目安をもとに比較します。


排出量
鉄道移動 往復排出量
渋谷〜大宮:在来線
大宮〜軽井沢:新幹線		 6.0Kg/人
エアコン無し削減量 1.3Kg/日

　計算上、4.6日滞在しエアコンを使わず生活すれば移動時に発生する二酸化炭素排出量を、エアコンを使わず生活することで削減できる排出量が上回る結果となりました。


　しかし、これは1人で移動する場合の計算結果なので例えば2人で移動する場合は9.2日、4人では18.5日滞在しないと削減量超過とならないことになります（エアコンによる排出量を一定とした場合）　リタイア済みのシニアの方や、完全テレワークで長期滞在できる方には良いかもしれません。


結論


　結論としては、東京都心で暮らしている人が二酸化炭素排出量を削減する目的で軽井沢に出かけても、排出量削減効果は無くむしろ排出量を増やしてしまう結果となる可能性が大きいです。


　とはいえ避暑地は東京都心のような暑さは無く、日陰や屋内ではエアコン無しで過ごすことが出来るので、体への負担などを考えると「避暑」という概念は悪いものではないと思います。




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