「すすぎ0回」アクロンスマートケアを使った感想
「すずぎ0回」、洗って脱水するだけでOKというアクロンスマートケアを自宅で使ってみた感想、メリットデメリットを解説します(自腹購入商品)
「すずぎ0回」のアクロンスマートケア
ライオンが2023年2月に発売した「おしゃれ着用」洗濯洗剤です。すずぎ不要が最大の特徴の商品です。
界面活性剤の量を減らすことで、すすぎ工程無しでも衣類に残る界面活性剤の量を減らしたとのことです。おしゃれ着用の洗剤で、柔軟成分を配合しているとのことです。
自宅のドラム式洗濯機で使用した感想をふまえて、メリット・デメリットを解説します。
「すずぎ0回」のメリット
まずはメリットから解説します。
汚れも臭いもちゃんと落ちた
すすぎが無ければ汚れや臭いが衣類に汚れや衣類が残るのではないか、と多くの人が不安を覚えると思います。私も不安しか無い状況でした。
2週間以上毎日着て私の体臭が染み付いたズボンと、子供が保育園で5日間使用したお昼寝用タオルをドラム式洗濯機で洗いましたが、ズボンからは私の体臭は完全に消え去っており、お昼寝タオルはもともと目立った汚れが無かったということもあり通常の洗濯と変わらない仕上がりでした。
洗濯が終わり、乾燥機は使用せず浴室に部屋干ししましたが部屋干し臭は全く無く、普段使用しているアタックZEROドラム式専用(すすぎ1〜2回で使用)以上の仕上がりだと感じました。部屋干し臭はアタックZEROの方が強いです。
おしゃれ着用洗剤ということもあり子供の食べ残しなどは今のところ洗っていないため、頑固な汚れへの効果は不明ですがおしゃれ着用洗剤としては全く問題ない仕上がりです。
公式サイトのQ&Aには「アクロン(従来品)ですすぎ1回洗濯時と同等レベルに、汚れはしっかりと落ちます。」とある一方、「バスタオルなど衣料以外の洗濯物は洗えますか?」という質問には「汚れやニオイが気になる場合には、NANOXなどの洗浄力の高い洗剤をお勧めいたします。」と回答されているので、NANOXと比べると洗浄力は低いようです。
洗濯に掛かる時間が2〜3分の1に短縮
すすぎ2回では通常30分以上掛かる洗濯量で洗濯機を回したところ、運転時間は約20分と「3分の2以下」で済みました。ライオンの公式サイトでは運転時間半分とあるので、機種や使用環境によって差が生じると思いますが、1.5Kg前後の衣類をドラム式洗濯機で洗う場合は1回10分程度を節約出来ることになります。
急いでいる時などに良いと思います。
洗濯時間が短いので夜の洗濯に良い
洗濯運転時間が短く済むので、夜遅い時間にどうしても洗濯機を回さなくてはならない状況に良いなと思いました。騒音が出る時間が3分の2以下に短縮出来るため、集合住宅でも使いやすいと思います。
最もうるさくなる脱水運転時の騒音は変わらないものの、すすぎ運転前後に生じる軽い脱水運転が無くなるのでその分、騒音は減ります。
衣類へのダメージが少ない
洗濯時間が3分の2以下になるため、衣類へのダメージが少ないことが公式サイトなどで謳われています。特にドラム式洗濯機では衣類をドラム内で「叩きつけて」汚れを落とすため、衣類の痛みが大きいです。洗濯時間が短くなることで衣類へのダメージが少なくなる、というのは理屈としては通っていると思います。
縦型洗濯機ならトータルで「節約」になる
洗剤代は通常の衣類用洗剤よりも高いです。私が普段利用しているドラッグストアでの販売価格、1回あたりのコストは以下のとおりです。
洗剤名 | 容量 | 本体価格 | 1回使用量 | 1回単価 |
---|---|---|---|---|
アタックZEROドラム式専用 | 580g | 487円 | 10g(衣料2Kg) | 6.30円(1.5Kg分) |
エマール | 500ml | 262円 | 40ml(衣料1.5Kg) | 20.96円 |
アクロンスマートケア | 440ml | 272円 | 30ml(衣料1.5Kg) | 18.55円 |
私が普段使用している「アタックZEROドラム式専用」と比べて、洗剤代は約3倍と高価です。おしゃれ着用洗剤としては、一般的な商品と同等の価格設定のようです。
洗剤代は一般衣類用洗剤と比較して高いものの、水道代と電気代を節約することが出来ます。ライオンの公式サイトにあった縦型洗濯機で衣類1Kgを洗濯した場合の数字を元に節約メリットを計算します。
すすぎ2回 | すすぎ0回 | 節約メリット (私計算) |
|
---|---|---|---|
水量 | 131L | 45L | 27.176円 |
電力消費量 | 18Wh | 10Wh | 0.0003円 |
水道代は東京都で呼び径20o、月15立米を使用する場合を想定して水道・下水道料金を1Lあたり0.316円として計算。電気代は1kWhあたり27円として計算しました。
電気代はすすぎ2回でも1円以下なので誤差の範囲内ですが、水道代は目に見えて大きく節約出来ます。洗剤代はアタックZEROと比較して1回あたり8円高価になるものの、水道代で27円の節約になるので差し引き洗濯1回あたり19円安いことになります(衣類1Kgの場合)
1人暮らしで毎日洗濯する場合、概算で1ヶ月500円以上の節約になる計算です。通常のおしゃれ着用洗剤を比較対象とした場合は800円以上の節約になるはずです。
シワが少なかった
洗濯時間が短いことと、柔軟成分が入っている影響もあるのか普段使用している「アタックZEROドラム式専用」ですすぎ1〜2回で洗濯した場合よりもシワが少なく感じられました。ドラム式洗濯機は乾燥運転まで掛けないと衣類はシワシワ、タオルなどはゴワゴワになりますが、アクロンスマートケアでは乾燥運転を掛けず、そのまま部屋干ししても大丈夫でした。
環境負荷が小さい
節水・節電になるので環境負荷が小さいです。洗剤の使用量自体も、他のおしゃれ着用洗剤と遜色ないです。
1回8Whの節電とした場合、一般的な電力会社の電力(1kWh=1000Whあたり500gのCO2を排出)では4gのCO2削減になります。
「すすぎ0回」のデメリットは?
デメリットも指摘できます。
ドラム式洗濯機では「節約」にならない可能性も
縦型洗濯機ではトータルで節約になる可能性が大きい一方、ドラム式洗濯機では一般衣類用洗剤を使用する場合と比べて、節約にならない可能性があります。
アクロンスマートケアはおしゃれ着用洗剤と同等の価格ですが、おしゃれ着用洗剤は一般の衣類用洗剤と比べて1回あたりの単価が約3倍です。一方、すすぎ0回とすることで水道代を削減することが出来ますが、ドラム式洗濯機は縦型洗濯機と比較して水の使用量が大幅に少ないため、ドラム式洗濯機では節水のメリットが小さくなります。
水の使用量を計測することが出来ないため難しいところですが、我が家のドラム式では11Kg分の衣料の洗濯1回で61Lの水を使用することになっています。仮にすずぎ0回で水量を半減できた場合の節約メリットは1回9.64円です(衣類11Kgの場合)
洗濯量1.5Kgの場合の節水量が不明のため計算できませんが、洗濯量7Kgの場合で概算すると以下のような結果となります。
洗濯量 | 洗剤代 | 水道代 |
---|---|---|
1.5Kg | 12.25円↑ | ? |
7Kg | 105円↑ | 9.64円↓ |
7Kgを洗濯する場合、洗剤代がアタックZEROドラム式と比べて1回あたり約100円高、一方すずぎ0回になることによる水道代の節約メリットは約10円と、差し引きで90円の損失となります。ちなみに、アタックでもすすぎは1回に減らすことが出来るので、節水によるメリットは更に小さくすることが出来ます。
ドラム式洗濯機においても、通常のおしゃれ着用洗剤と比較すれば節約になると言えます(洗剤代同等、水道代分で節約)が、おしゃれ着用洗剤を使う必要が無い場面で、節約を目的としてドラム式でアクロンスマートケアを使用するメリットは無いと考えられます。
すずぎ0回を設定するのが面倒
一般的な洗濯機では最短の操作経路ではすすぎ0回にはならないので、すすぎ0回で洗濯するにはボタン操作が必要となります。我が家のドラム式洗濯機の場合、通常の洗濯であればボタン操作は2回で済みますが、すすぎ0回で起動するには5回のボタン操作が必要です。面倒です。
残り香がやや強め
普段使用しているアタックZEROドラム式専用や、おしゃれ着用洗剤として使用しているエマールと比べて、アクロンスマートケアは残り香がやや強く感じられます。
柔軟剤を使用した時ほどではないものの、それに近い残り香があるので香りが苦手な方には使いづらいと思います。
洗剤の使用量が多い→詰替が面倒
おしゃれ着用洗剤全般に言えることですが、1回あたりの洗剤の使用量が多いため詰め替えや買い足しサイクルが短い点は煩わしいと言えます。
アタックZEROと比べて1回あたりの使用量は約3倍にのぼります。3倍の速さで減っていくと考えると、アタックZEROですら詰め替えと買い足しが面倒に感じているので億劫です。もっとも、おしゃれ着用洗剤なので使用頻度・量自体は少なくなると思いますが、それでも面倒なものは面倒です。
一部機種では使いづらい(自動投入など)
一部機種では「すずぎ0回」の設定が出来ない場合があるようです。すすぎ0回に設定出来ないのであればアクロンスマートケアをあえて使うメリットは無いに等しいです。
また、洗剤の自動投入機能がある洗濯機もありますが、おしゃれ着用洗剤の自動投入に対応していないものが多いので、アクロンスマートケアも自動投入出来ない場合があります。
おしゃれ着用洗剤としてお得・便利
結論としては、おしゃれ着用洗剤としては従来のものと比べてお得、そして便利でかつ洗剤としてしっかりと使えるものです。
一方、日常の洗濯用としてアタックなどの代わりに使うにはコストの面(特にドラム式の場合)と洗浄力がやや劣る可能性がある点をふまえると、代替しづらいと思います。深刻な水不足が起きない限りはおしゃれ着専用として使い続けようと思います。
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