首都直下地震で首都圏が1ヶ月も電力不足に?2025年最新の政府見通しを解説

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首都直下地震で停電が1ヶ月?改定された政府の被害想定を解説


 政府は2025年末、首都圏直下地震の被害想定を見直しました。電力関連の被害想定を詳しく解説します。



首都直下地震で大規模停電が1ヶ月続く


 2025年末に10年ぶりに見直された、政府の首都圏直下地震の見通しを元に解説します。


最大で半数が停電


電力供給力と停電軒数の推移
供給力 停電軒数(万軒)
被災直後 約 2,700 万 kW(48%) 約 1,600 万軒(52%)
被災 1 週間後 約 2,700 万 kW(48%) 約 69 万軒(2%)
被災 1 か月後 約 5,400 万 kW(94%) 約 69 万軒(2%)
ピーク電力需要:約 5,700 万 kW 電灯軒数:約 3,143 万軒

 政府の見通しによると、首都圏直下地震発生直後に東京電力管内で最大5割が停電すると想定されています。


 電力需要が大きい時期を想定した見通しです。発電所が停止することで需要の半分程度しか供給することができなくなるとされています。ピーク電力需要を5700万kWと想定し、地震直後の供給能力は2700万kWにまで低下する見通しです。


 電力ネットワークでは需要と供給を常に一致させる必要があります。バランスが崩れると大規模停電が発生します。地震発生により供給能力が低下した場合、供給能力の低下に合わせて強制的に停電を実施させるなどの処置で対応することになりますが、その対応が間に合わない場合は東京電力管内全域が大規模停電(ブラックアウト)に陥るリスクも政府の報告書では指摘されています。実際に2018年9月の北海道胆振東部地震の直後に北海道全域が停電しています。


約1ヶ月の計画停電実施も


 報告書では、地震後1ヶ月にわたる計画停電(輪番停電)の実施の可能性も指摘されています。


 発電所の復旧には時間を要する場合もあります。2022年3月16日に発生した福島県沖地震(最大震度6強)では福島や茨城、宮城などで大規模な火力発電所が多数停止しました。多くは地震発生から1週間程度で復旧に至ったものの、復旧に半年以上の時間を要した発電所もあります。


 電力需要が多い時期に地震が発生した場合、東京電力管内で1週間以上の計画停電が必要となる可能性は低くないと言えます。また停止した発電所の復旧に時間を要した場合、影響が長期化するリスクも想定されます。


 なお、2011年の東日本大震災発生後に実施された計画停電(輪番停電)では、東京23区は一部地域を除いて計画停電の対象から外されましたが、次回実施する場合は東京23区も対象に含むことを東京電力パワーグリッドが明言しています。


大規模停電が長期化する原因は?


出典:首都直下地震対策検討ワーキンググループ

出典:首都直下地震対策検討ワーキンググループ

 首都圏直下地震が首都圏(東京電力管内)で深刻な電力不足を引き起こす最大の原因は、首都圏直下地震により大きく影響を受ける地域に大規模な火力発電所が点在していることが挙げられます。


 首都圏直下地震では東京湾沿岸を中心に、広い地域が震度6弱以上の揺れに見舞われると想定されています。東京湾沿岸エリアには大規模な火力発電所がいくつも点在しており、地震による大きな揺れの影響を受けるリスクがあります。


大規模停電に備えるには


 大規模停電を想定して、何をすべきか大まかな対策を検討します。


電力供給体制の抜本的な見直しが必要


 家庭レベルでは太陽光発電や蓄電池の設置、モバイルバッテリーなどの確保などの対策を検討していく必要がありますが、国家として首都機能を維持させるために抜抜本的なエネルギー供給体制の見直しが急務と言えます。


 現在の電力供給体制は東京湾沿岸の火力発電所への依存度が高く、そのことが首都圏直下地震による影響を増大させています。首都圏直下地震の影響を受けにくい地域に発電所を増やし、分散させる必要があります。


 例えば新潟県に立地する柏崎刈羽原子力発電所の再稼働もその一つと言えます。6・7号機が再稼働することで約270万kW、更に3〜5号機も再稼働することで合計約600万kWの発電出力となります(1・2号機は廃炉する方針が報道されている) 5700万kWの需要に対し、600万kWの供給能力の上積みが期待できます。


 加えて、内陸での火力発電所の立地も政策として支援していくべきでしょう。栃木県南部にある真岡市に真岡発電所という内陸型の発電所があります。国内初の本格的な内陸型火力発電所とされています。東京ガスからパイプラインで供給される都市ガスを燃料としています。


停まるのは電気だけではない


 停止するのは電力インフラだけではありません。報告書では電力供給の停止により、携帯電話基地局や上下水道、エレベーターの停止など多岐にわたる影響が指摘されています。


 携帯電話基地局についてはバッテリーを内蔵しているため発災直後の停波は3%に留まるものの、発災1日後で51%が停波すると想定されています。水道については浄水場やポンプ場の停止により1400万人の断水、1週間後でも740万人の断水が想定されています。


 地下水の確保や、衛星通信による通信の確保などの準備を進めていくべきです。主要携帯キャリアではスマホから直接、衛星通信を利用できるサービスを開始する見込みです。避難所単位でこのような通信手段を確保しておくのはもちろん、個人レベルでも利用を検討していくべきです。




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