住んでみて感じるタワマンの住心地を正直にお話します
現在タワマンで暮らしている私が、タワマンの「住心地」を正直に、感じたまま紹介していきます。
私の現在の状況
財閥系デベロッパーのタワーマンションの低層階で暮らしています。立地は都内(湾岸ではない)の駅チカです。購入したわけではないので、この記事では住心地にフォーカスしてメリット・デメリットを挙げていきたいと思います。
ちなみに、これまでに実家や学生時代の一人暮らしも合わせると、戸建て2棟、低層マンション3棟、鉄骨アパート1棟、鉄筋コンクリートアパート1棟で暮らしたことがあり、それらをベンチマークとします。ちなみにタワマンに入居する直前は中堅ハウスメーカー(東証一部上場)の新築戸建てを借りて住んでいました。
タワマンに住んで感じるメリット
まずは戸建てや低層マンションと比べて優れていると感じる点を紹介します。
眺望が良く、日当たりが良い
現在私が暮らしているのは、タワマン低層階なので周囲に建つマンション(非タワマン)よりわずかに高い程度ですが、視界を遮るものが無いため眺望に抜け感があります。窓からは東京の有名なスポットがいくつも見えます。東京の景色は日によって変化が大きいです。例えば東京タワーはイベントがあるごとにライトアップの色が変わるため、毎日楽しみにしています。
また、窓がある部屋では昼間はほぼ照明を使いません。自然光でも十分な明るさがあります。
外の音が聞こえない
鉄筋コンクリートなので木造の戸建てと比べると建物外からの音は大幅にカットされています。窓を閉めていれば、外の音はほとんど聞こえません。私が住んでいるのは低層階ですが、高層階のラウンジまで行くと「無音」で本当に静かです。深夜に真下で道路工事が行われたこともありますが、わずかに音が聞こえる程度で、気にならずに眠ることが出来ました(私は音にはけっこう神経質です)
直前まで暮らしていた某ハウスメーカーの木造戸建住宅の時には、窓を締め切っていても外を走る車のエンジン音や、隣人たちの井戸端会議の声が聞こえてきたので、まるで別世界のように感じます。
備品の貸し出しサービス
エントランスにいるコンシェルジュにお願いすれば、脚立を無料で借りることが出来ます。自宅に置いておくと場所を取ってしまうものを、いつでも借りられるというのは有り難いです。
また、駐輪場には電気式の空気入れも備え付けられており、いつでも自由に無料で使えます。
駐輪場・駐車場が完全屋内で濡れない
タワマンのほとんどが、駐輪場・駐車場とも屋内(地下など)に備えていると思います。雨が降っていても、全く濡れずにタクシーを含め車に乗り込むことが出来るのはとても便利です。私はマイカーがありませんが、借りてきた車を屋根のある車寄せに停められるので、家族が乗り降りする時に良さを実感します。
共用設備が充実している
自習室(スタディールーム)、キッズルーム、ライブラリー(本が置いてある)、ジム、宿泊用の部屋、展望ラウンジ、パーティルームはタワマンの定番の共用設備と言えるでしょう。中にはプールがあるタワマンもあると聞きます。
正直、利用率はどれも高く無いのであまり活用されていない感があるのも事実ですが、他に利用している人がいない設備を独占して使えるのは気持ちがいいです。
在宅勤務をしている人が増えているので、自習室を使っている人がチラホラといるかなという感じです。自習室以外にも、ちょっとした空きスペースでパソコン作業をしている人を見かけますが、「人の目」があると仕事に集中出来て良さそうです。ちなみに、私のマンションでは住民用の館内WiFiや、自習室では各机に有線LANポートも設置されており、モバイルルーターを用意する必要もありません。
展望ラウンジがあるので、低層階に住んでいる私も高層階の景色を楽しめるのは良いです。自分の部屋から見る景色とは見え方が違うので、たまに行くと楽しいです。月に1回も利用しない、というのが現実ですが、例えばブルーインパルスが飛行するとかそういったイベントがある時に気軽に利用出来るのは良いなと思います。
欠点を上げると、共用設備は24時間営業ではなく、自習室も22時以降は利用出来ない点は不満に感じています。
ゴミ出しが24時間可能(粗大ごみも)
日常的に出る生活ゴミは、各階にあるゴミ捨て場に出すことが出来るので、ゴミ袋がいっぱいになった時点でいつでもゴミ出しが可能です。以前の戸建てではゴミ出しを忘れることが稀にあり、ゴミを保管しておく階段下収納がゴミで溢れたこともありましたが、タワマンではそのようなことはありません。
また、地下に粗大ごみ置き場があるので、清掃事務所に連絡して粗大ごみシールを貼れば、いつでもすぐにゴミ出しが出来ます。粗大ごみをそこまで持って行くのが辛い、というのはデメリットと言えます。
以前暮らしていた戸建てはゴミが戸別回収でしたが、ゴミをカラスに荒らされることがあり、それが無くなったのもうれしいです。
1階に店舗や病院が入っている、周辺も便利
多くのタワマンの1階にはコンビニが入居していると思います。場合によっては店内に住民専用の入口があり、全く雨に濡れずにコンビニで買い物が出来ます。
また、私が住んでいるマンションの低層階にはクリニックがいくつか入居しており、体調不良の時に役立ちそうです。残念ながらエントランスから一旦外に出る必要がありますが、「下にある」というのはそれだけでも安心感があります。
タワマンは駅チカの立地が多いため、周辺にも店舗や飲食店が多く、その点でも利便性が高いです。
段差がほぼ無い
タワマンには段差がほぼ無く、バリアフリーです。玄関にわずかに5cmほどの段があるものの、それを除けばエントランスから完全にフラットです。怪我などで車椅子になっても安心です。
また、住宅内にも段差がないのでロボット掃除機を使いやすい点も良いなと思います。戸建てに住んでいた時は、ロボット掃除機を持って階段を移動していました。
タワマンのデメリット、不満な点
続いて、暮らし始めるまで気づかなかった不満点やデメリットを指摘します。
遮音性が低い(建物内の音が響く)
建物外からの音は遮断されますが、建物内の音は響きます。上階の足音、椅子を引く音だけでなく、隣戸の戸棚を締める音、子供が走り回る音なども聞こえます。隣戸で子どもが走り回る音が聞こえたのは驚きました。
また、住戸内でも家族がテレビを見ている音などが、ドアを締めていても筒抜けのように聞こえますし、子供が走り回る音が聞こえてくるという状況です。
以前住んでいた8階建て、平成元年築のマンションでは上階や隣戸からの音は全く聞こえなかったので、最新のタワマンは音が全くしないのだろうと勝手に思い込んでいただけに、この点はかなりガッカリしました。隣のタワー(別の財閥系デベロッパー)に住んでいる人に話を聞いても、同じ状況のようなのでタワマンの「音」問題は小さな問題ではないにも関わらず、世間であまり語られていない問題点だと思います。分譲で買われた方は、資産性を気にして口をつぐんでいるのでは・・・・?
私が住んでいるマンションのスペックは以下のとおりです。
二重床 | 儉L(U)-3等級相当 |
---|---|
窓サッシ | T-2相当 |
隣戸との壁 | 136mm 乾式耐火遮音壁 |
間仕切り壁 | 9.5o プラスターボード貼 |
さすがに人の話し声が周りの部屋から聞こえることはありませんが、小さな子どもがいるとかなり気を使います。スピーカーで音楽を聴いたり映画を観る場合も、同居家族や周辺への影響が気になるところです。
建物内の移動に時間が掛かる
私は低層階なのでまだ良い方ですが、低層階でもエントランスまで出るのに数分掛かります。エレベーターが混んでいる時は、更に1〜2分待つことも無いわけではありません。エントランスまで出て、雨が降っていることに気づくと部屋まで傘を取りに戻るのがかなり面倒です。
また、宅配便の受け取りにも時間が掛かります。まずエントランスのオートロックで応対、続いてエレベーターホールのオートロックで応対、そして最後に玄関先で応対という流れです。
宅配BOXは便利ですが、水など重い荷物を宅配BOXに入れられてしまうと地獄です。
窓を大きく開けることが出来ない
ベランダを広く設けているタワーマンションもあるようですが、私が住んでいる部屋は3LDKの間取りで、ベランダがあるのはその内1部屋のみ。残りの2部屋は窓がほんの小さく開くだけという仕様です。風の対策で、少ししか開かないようにロックしてあると説明を受けています。窓を開けて、風を感じることが出来ません。
また、洗濯物を外に干しづらい点もデメリットと言えます。布団をベランダの手すりに干すことなど絶対に出来ませんし、ベランダが狭いせいか洗濯物をベランダに干している人も少ないです。私のマンションは洗濯物を外干ししてもよいことになっていますが、そもそも干してはいけないタワマンもあると聞きます。また、高層階は風が強く、洗濯物が飛ばされやすい場合もあるでしょう。我が家はその点は問題無いですが、洗濯物を外に干したことはありません(ドラム式洗濯機で乾かしている)
家事の使い勝手が悪い
直前まで暮らしていた戸建住宅と比べて、家事の使い勝手が全体的に悪いです。
例えばキッチンのシンクが浅く、狭い。シャワーヘッドが大きくて重い。導線が良くないといった点が不満です。以前の家はその辺りがよく考えられていたな、とタワマンに引っ越してから有り難みを感じました。
タワマンは悪く言えば、「高く買ってもらうために見栄えを追求した」ような作りだと感じます。もしかしたらそうでないタワマンもあるのかもしれませんが、私が住んでいるタワマンはそうです。チープに見えても使い勝手が良い住宅設備を入れてほしかったです。
ディスポーザーも付いていますが、食器が溢れかえった状態ではディスポーザーの投入口が塞がってしまうため、便利なのか不便なのかよく分からないです。排水口掃除が必要無くなった点は間違いなくメリットですが・・
ディスポーザーが無かった戸建ての頃と同じようにシンク横にゴミ箱を置いている点も釈然としません。「口で噛み切れるもの」しか入れてはいけないとのことなので、当然プラスチックゴミなどは投入出来ませんし、生ゴミも結局そのゴミ箱に入れることが少なくないです。ゴミ出しはいつでも出来るので、生ゴミの臭いも気になりません。
戸建てと比べると狭い、収納が少ない
戸建てと比べると、面積あたりの価格・賃料が大幅に高いので、その分狭くなります。お金を出せば当然広い家に住むことが出来ますが、現在の不動産市況では十分な広さのタワーマンションには「とんでもない」金額が付いている状況です。
構造上、床下収納や階段下収納、あるいは屋根裏部屋(小屋裏)などの収納スペースを設けることが出来ないため、タワマンは収納が少なくなりがちです。
水道水関連(水圧、水温)
まず、水圧が低いです。シャワーの蛇口を最大まで開いても、水圧が弱く感じます。以前暮らしていた戸建てでは蛇口を半分くらいまでしか開いたことが無いですが、タワマンでは全開にしても不満を感じます。
また、水道管(本管)直結の戸建てと比べると、夏場は水道水の水温が高いです。以前の戸建てとは徒歩5分も離れていない「同じ地域」ですが、温度の違いは明らかに感じるところです。温度が高いせいもあるのかもしれませんが、水が少し不味く感じます。
逆に、冬場はタワマンの方が水道水の温度が冷たいと感じます。以前の家では冬場でも給湯器を使わずに若干の皿洗い(メインは食洗機)が出来ましたが、今のタワマンではそれがかなり苦痛に感じるほどです。
原因として考えられるのが、地面から「蛇口」に至るまでの経路です。私のマンションは内廊下で、内廊下には冷暖房が入っていますが非常階段や荷物用エレベーターがあるゾーンには空調が無く、屋外と同じように冬場は冷えます。給水管はそのゾーンを通っているため、水温が変わってしまうのではないか、と思います。一般的に、冬場は気温より地中の方が温度が高い(夏場は逆に地中温の方が低い)と言われており、地中の配水管から蛇口までの距離が短い戸建ての方が温度が変わりづらいのではないでしょうか。
ネットの固定回線が遅い
直前まで使っていた戸建ての時と同じフレッツ光に同じプロバイダーを利用、マンションプランに変更して利用していますが、通信速度は劇的に低下しています。戸建てでは昼間は300Mbps出ることもありましたが、タワマンでは昼間でも60Mbpsしか出ません。夜になると30Mbps以下に落ちることもあります。
マンションに備え付けの回線(利用料が管理費に含まれている)は更に遅いと聞きます。新しいマンションですが、ネットのインフラ面は必ずしも優れているとは言い難いです。
駐車場・駐輪場に空きが無い
子供を乗せるタイプの自転車を置くため、駐輪場を借りていますが平置きの区画には空きが無く、駐輪ラックの下段を借りました。ですが自転車が入らず、仕方なくラックの横の空きスペースに置かせてもらっています(管理会社からは「良いとは言えないですが・・」という反応です) 駐輪場自体には空きがあるものの、大きな自転車を利用する場合は注意が必要です。
また、私はマイカーが無いのでかまわないのですが、大型車用の機械式駐車場(タワーパーキングではない方)や平置きの区画には空きが無いと言われました。調べてみると、アルファードやSUVを停められるような駐車場に空きが無いタワーマンションは少なくないようです。
直射日光で暑い(特に南向きなど)
私は南向き住戸ではないので夏場もカーテンを開けたまま、自然光を良い感じに浴びることが出来ていますが、南向きは直射日光で「暑い」という声を聞きます。
実際、自分が暮らしているタワマンや近隣のタワマンを外から見てみても、南向きのお部屋はカーテンを昼間も締めている住戸が多いです。エアコンを使えば暑いということは無いと実際に南向き住戸で暮らしている人から聞いたことがありますが、カーテンを閉めないと暑いとのことです。せっかく眺望が良いのに、カーテンを閉めっぱなしではもったいないな、と思います。
南向きでも、ちゃんと梁やベランダのある構造のマンションだと幾分暑さが軽減される(部屋の中まで直射日光が届きにくい)とのことです。
冬場に窓枠が結露する
直近まで暮らしていたローコスト系ハウスメーカーの木造戸建住宅は、アルミ樹脂複合サッシであったため、結露はほぼ見られませんでした(トイレなどの小さな窓には若干結露が見られた) 寝室で就寝時に加湿器を使用しても結露はありませんでした。昨今は中堅以上のハウスメーカーの戸建てではアルミ樹脂複合サッシは「当たり前」の設備です。
一方、私も入居するまで知りませんでしたが、タワーマンションでは令和になった現在もアルミサッシが標準装備です。私のマンションでもすべての窓がアルミサッシとなっています。
以前暮らしていた木造戸建住宅と同じように寝室で加湿器を使用すると、朝にはサッシに結露が生じてしまいます。カビの発生は不可避でしょう。ガラスは複層ガラスなので、結露は見られません。この点は以前の戸建ても同様です。
更に付け加えると、以前のアルミ樹脂複合サッシの家では窓の近くに行っても寒さを感じることはなく「すごい」と感動したのですが、現在住んでいるタワマンでは窓の近くに行くと少し寒さを感じます。省エネ性能の面でも、アルミサッシのタワマンは劣っていると言えます(もちろん、超高級物件などでは例外があるでしょう)
世間で誤解されがちな点
最後に、世間で良い意味でも悪い意味でも誤解されているが、事実ではないと感じる点を指摘していきます。
風で揺れる
私が住んでいるのが低層階ということもあるのかもしれませんが、自転車が軒並み倒れるほどの強風が吹いても揺れを感じたことは無いです。
ただし、震度3以上の地震が来ると大型フェリーのように「ゆらゆら」と数分程度揺れ続けることもあるので、酔ってしまいそうになります。免震マンションなので、揺れの大きさはかなり軽減されていると感じます。
米を炊くと不味い
よくTwitterでネタにされている話題ですが、米の味の違いは分からないです。高さがあり、気圧や水の沸点が・・という理由だそうですが、せいぜい150m、200mでは地表とほぼ変わりないですし、標高1000mを超える軽井沢のお米が不味いかと言われると、そんなことは無いですよね。
ただし、水道水がおいしいとは感じないので、気になる人はペットボトルの水で炊くと良いと思います。私はビルトイン浄水器の水でご飯を炊いていますが、戸建ての時と味に違いは感じないです。
セキュリティが高い
セキュリティが強固、というイメージがあると思いますがマンションによってはそうではない場合もあるようです。
私が住んでいるマンションでは、エントランスのオートロック、そしてエレベーターのオートロック、更にエレベーターは自分が住んでいるフロア以外のボタンを押せない(鍵に反応する仕組み)ようになっています。また、非常階段も各階の鍵が無ければドアを出入りすることが出来ません。
ですが近隣のタワーマンションでは、エレベーターに乗ることさえ出来ればどの階でも自由に出入り出来る仕様になっている場合もあるようです。メインエントランスとエレベーターホールにオートロックは付いているものの、タワマンは人の出入りが多いため住民の後ろについていけば簡単に突破できます。
眺望はすぐ飽きる
人によるとしか言いようが無いです。少なくとも私は飽きずに毎日見ています。
記事前半でも書いたとおり、都心の景色は毎日のように変化があります。ライトアップの色が変わる東京タワーや、天候によっても見える景色の印象が変わります。遠くで雷が落ちるところも見えます。
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